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日本の借金はやばいのか!?~会計の知識から考えてみる~

「日本の借金は1,000兆円を超えていて日々増え続けている」とか「数年以内に日本は財政破綻しハイパーインフレが起こる」とか時々聞きますが、本当でしょうか。

実はこのような意見は、会計の知識を基に考えれば全く正しくないことが分かります。

■負債だけでなく、資産も含めて考える

まず、身近な事例で借金について考えてみましょう

ここにAさんとBさんという一般的なサラリーマンがいます。
二人は重たい病気になってしまい、入院しなければならなくなりました。
さらに、治療法は保険適用外のため、高額な費用がかかってしまいます。
これらを合計して1,000万円必要だとしましょう。

これは一大事と、Aさん、Bさんはそれぞれ1,000万円借金することになりました。

1,000万円の借金というと、一般的なサラリーマンにしてはとても大きな金額です。
こんな大金、サラリーマンに返せるはずがない!とういことで、Aさん、Bさんは破産するでしょうか?

ここで、AさんBさんの状況をもう少し詳細まで見てみましょう。

Aさん
貯金は100万円くらいしかないが、株を1,500万円分持っている。株を売却して治療費を支払うことも可能だが、今後、株の値上がりが見込めるので、株を売却したくない。そこで、全額1,000万円を借金することにした。
Bさん
貯金が100万円くらいあるが、その他の資産は何も持っていない。治療費を払うためには借金するしかないので、いやおうなしに1,000万円借金した。

二人がこのような状況であれば、Aさんは破綻しなさそうだけど、Bさんは破綻するかもしれない、と皆さん思いますよね?

つまり、借金額だけでを見ても破綻するかどうかは判断がつきません。現金や株式などの資産と比較しないとわからないのです!

このように、借金(負債)とお金(資産)を比較する場合に用いるのが、
貸借対照表(バランスシート)です。
(例で考えれば、会計の知識と言わず当たり前の考え方ですかね。。。)

■日本の貸借対照表を見てみる

では、実際に日本の貸借対照表を見てみましょう。
財務省HP記載の平成28年度連結貸借対照表から引用して作成しました。
※簡素化のために、資産・負債・差額の合計のみを抜き出してボックスを作成

資産は約1000兆円負債は約1500兆円
差し引き、約500兆円のマイナスってあれ!?

そうです!実は日本は資産よりもマイナスの方が大きいのです!
資産(持ち金)よりも負債(借金)の方が多い。やっぱ日本は破綻するんじゃないの!?

まとめ
日本の借金1,000兆円越えはウソではないが、「1,000兆円だから破綻する」はウソ!
会計学に基づき、資産と負債を比較する必要がある!
ところが、資産との負債の差額を見ると約500兆円もマイナス!やっぱり破綻するんじゃないの!?

次回の記事では、約500兆円のマイナスが破綻に繋がるのかどうか、まとめる予定です!

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