見出し画像

インドネシア運動会にかける想い

はじめまして。
谷本英彰と申します。
普段は、大学で保健体育の教員養成をしたりしています。
あと、ライフワークの1つとして”インドネシアで運動会を開催する” という
プロジェクトをやっています。

今日、3月6日(3月の第1土曜日)は、僕にとって思い入れがある日で

3月の第1土曜日はインドネシア運動会の日にしよう!

3年前の今頃、インドネシア・ジョグジャカルタでワクワクしながら
そんなことを言ってました。

2018年3月 インドネシアの大学の先生に運動会のプランを必死で伝えてた!

その後、2019年3月9日(土)第1回インドネシア運動会を開催したものの、
それ以降はコロナの影響により中止。
そして、次回開催の目途が立たない状態です。

これから何をしていこう?
どうやったら運動会ができるんだろう?

そんなことを考える毎日が続きます。
ただ、悶々と考えていても埒が明かないと思い、
一旦これまでのことを整理して書き留めておこうと思います。


インドネシアとの出会い

インドネシア運動会の遍歴は、ざっとまとめるとこんな感じです。
-------------------------------------
2014年:初インドネシア
2017年:運動会(Sports for Tomorrow)と出会う
2018年:運動会を提案するためインドネシアへ
2019年:第1回 運動会を開催
2020年:コロナの影響で中止
--------------------------------------

そもそも、なんでインドネシアなのか?

インドネシアに興味を持つようになったのは、
あるインドネシア人と高校の先生との出会いでした。

-----------------------------------------------
《Soni先生(写真の中央右)とSaryono先生(写真の中央左)》
インドネシア・ジョグジャカルタ大学で体育の研究をしている先生

《吉嶋先生(写真の右端)》
高校で保健体育の先生
元青年海外協力隊インドネシア体育隊員
-----------------------------------------------

たまたま同じ大学院に、同じタイミングで在籍していたことが、このプロジェクトの始まりです。

この3人と出会い、インドネシアへ行って、体育事情を目の当たりにして

インドネシアの体育・健康教育を変えたい!!

そう強く思いました。



初めてのインドネシアで目の当たりにしたもの

初めてインドネシアへ行ったのは7年前の2014年
インドネシアの小学校〜高校の体育授業を視察させてもらいました。
まず、ビックリしたのは運動用具が充分に揃っていないこと。

ボールは、サッカーボールやバスケットボールなど全部合わせて10個ほど。
皮は剥げて、何のボールか分からないものもありました。


「これがマットだよ」
そう言って見せられた者は、藁を編んだもので、むちゃくちゃ硬かったです。


バレーボールコートは、外に1面だけあって、ネットはボロボロ
このネットは、まだ状態が良い方で、ポールに1本の紐だけをぶら下げている学校もありました。


サッカーゴールは、ゴールポストの枠だけ
(奥にある白いポールがサッカーゴール)


体育館がある学校もありました。
(視察した地域では、かなりレアなケース)
だけど、床はタイルを敷き詰めているだけなので、タイルがガタガタ揺れます。
あと、むちゃくちゃ床が滑るし、硬いです。
しかも、体育の授業では、まったく使ったことがないらしいです。

学校それぞれで所有している施設・設備に違いはあります。
それは、日本も同じです

有るものを使って、いかに工夫するか?

それが学校の先生が果たすべき使命だと思います。

だから、インドネシアの学校で用具の乏しさを目の当たりにした時も

無いなら無いなりに工夫してやればいいじゃん。


最初は、そんなことを思っていました。

でも、視察に行った学校でカリキュラム(教育課程・内容)の話を聞いた時に考えが変わりました。

インドネシアの学校体育で取り扱う種目や授業時間数など…
話を聞いていると、どこかで聞いたことあるような…

実は、このカリキュラムは日本人が考えたらしいのです。

硬そうなマットを見たとき

わざわざマット運動をする必要ないじゃん!
自分たちの環境に合った授業すればいいのに…


そんなことを思っていたんですが、それは日本人が提案したものだったんです。

このカリキュラムが作られた当時は、それほど問題なかったのだと思います。
日本からの支援もたくさんあって、ある期間までは、授業が成り立つ環境だったのでしょう。

それが時代の流れの中で、インドネシアの環境や事情にフィットしなくなったけど、その後のフォローは、当初みたいにはされていない様子…

それでも、インドネシア人は律儀にそのカリキュラムを使ってくれている。

これは、日本人がインドネシアに残した負の遺産になっているのかもしれない。

この状況を変えたい!!
すでに出来上がったカリキュラムや授業をプレゼントするのではなく、
カリキュラムのつくり方や授業のつくり方を伝えていきたい!!


その気持ちを一緒にいたSoni先生、Saryono先生、吉嶋先生に伝えました。
みんな気持ちは同じでした。


運動会への想い

インドネシアの保健体育の授業を変えたい!

そんな想いを胸に、インドネシア滞在中は、
”どのようなアプローチができるか?”をたくさん議論しました。

幸い、日本の保健体育授業研究は、世界でもトップクラスです。
授業研究が盛んな日本からインドネシアへ、そのノウハウを送りたい!
そう思ったのですが、何をすれば良いか分かりませんでした。

異国の知らない人が、いきなり講釈を垂れるようなことをしても、
絶対受け入れてもらえない。
何をすれば・・・?

帰国後、「何ができるか?」を調べたり、考えたりしている中で、
「運動会」に出会いました。

日本の学校では当たり前な運動会は、海外ではほとんど行われていない
運動会は、文化の壁を超えることができる

そんな気づきを得たときに

運動会ならインドネシアの体育環境を変えられる!

そう思うようになり、その実現のために走り出しました。

そして、2019年3月に第1回インドネシア運動会を開催しました。

当日は、350人の子ども達が参加してくれました。


子ども達のステキな表情が溢れた一日でした。


サインを求められたりもしました!

運動・スポーツの魅力や価値を伝える
学校の運動用具を増やす
運動のバリエーションを増やす


こういったことを目的に運動会を開催して、
保健体育の専門家としてインドネシア人に受け入れてもらいたい!

受け入れてもらえれば、伝えられることがある!

日本人がつくったインドネシアの体育を、保健体育の専門家として
インドネシアの子ども達が笑顔になれるなれるような形に
責任を持って変えていきたい!

変えるきっかけをつくりたい!

MCSS~Make the Children Smile through Sport~
スポーツで子ども達を笑顔に!

インドネシア運動会をはじめたときに掲げたスローガンです。

スポーツの持つ力で世界中の子ども達を笑顔にしたい!
今日も世界のどこかで、スポーツを通して笑顔溢れる
ひと時を過ごしている子ども達がいるといいな。


そんな想いを胸に、これからも前に進んでいきたいと思います。

そして、前に進むために、これまでの出来事やこれからの出来事を、
これからもnoteに記していきたいと思います。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?