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「ワクチンを打つ」と決めるまで

新型コロナウイルスワクチンについて

2月17日から、医療従事者向けに新型コロナウイルスのワクチン接種が始まります。
なんとなく怖い
なんとなく嫌だ
いやいや、コロナにかかる方が怖いやん
などなど、人それぞれワクチンへの思いはありそうです。基礎疾患のある私としては、基本的に打たない選択肢はないかな、という気持ちでしたが、そこに至るまでにはいろいろ考えてました。決して二つ返事で接種を決められたわけではありません。そこで、ひとつの事例として、なんで接種を決めたのか、そこまでの思考経過を書いときたいと思います。
まず、新型コロナウイルスのワクチンとは…ですが、正直、“ナチュラルボーン・文系”の私が説明すると、世界中から生卵投げられそうです。
なので、然るべきサイトから引用してこれにかえるのが一番なので、国のサイトから引っ張ってきました。10分程度、お付き合いください。



はい、そういうことですね。

テキストでは、やっぱり国立国際医療研究センターの忽那賢志先生のYahoo!ニュースから。

有効性95%はよく聞く話ですが、不安なのは副反応です。ニュースを見ている限り、死ぬほどのアナフィラキシーショックは非常に少なく、しかもかつてアナフィラキシーを起こした人ばかりとのことなので、そういう事態になったことのない私は、生死がかかるほどの副反応はあまり心配しなくていいかな、と思います。
しかし。
生死まではかからないけどそれなりにしんどそうな副反応も気になるじゃないですか。
Twitterの医師の皆さんは、死ぬ危険が非常に低いことを持って「安全だ」と教えてくださるのですが、やっぱりしんどくなるのも怖いのです。特に、基礎疾患あると。この点、忽那先生のQ&Aは、「接触部位や全身の何らかの副反応は半分以上の人に見られる」ときちんと書いていて、フェアな感じがします。
そこで、厚生労働省のページから、こんなものを探してきました。

こないだ承認されたファイザー製のワクチンの解説です。これを見ていると、海外での副反応発生率と、日本の臨床試験での副反応発現割合が出ています。
中身はまぁ、見ていただいたらいいのですが、①1回目より2回目の方がなんやかんや起こる確率は上がる、②筋肉痛関節痛などはいいとして「発熱」ってのが結構ある(海外で2回目13.6%、国内臨床試験で2回目32.8%)
き、気になりすぎる…

ファイザー社の臨床試験データ上も、発熱割合は14%とのこと。

たしかに、海外勤務の医師のTwitterアカウントで、接種実況ツイを見ていると、何人かは実際発熱されているようです。おひとり、嘔吐されてた方も見ました。嘔吐は嫌だ…
発熱、気になりすぎる。
ま、まぁ、ノー免疫でコロナの直撃を受けるのとどっちがいいか、という話なのですが、「OK、それでも気にしないぜ!」と軽やかに言えるかというと若干ためらってしまいます。
なので、個人的には「死ぬ可能性が低いから安全だ」という評価は、少し違うかなと思っています。「職場で集団接種する場合、体調不良でそこそこの人が休む可能性があるので分散接種や金曜日接種も検討した方がいいんじゃないか」という意見もネット上で見ます。私も、この確率で体調不良を起こすなら、そういった工夫も必要な気がします。インフルエンザワクチンで、そんな気の使い方したことありませんよね。。

私の基礎疾患とワクチン

さて、話は変わりますが、私の基礎疾患である下垂体機能低下症と新型コロナウイルス感染症の関係についてのお話です。
主治医と相談したところ、私の疾患は、糖尿病や高血圧などのように、重症化リスクのある疾患ではない、と今のところ言われています。ステロイド常用のステロイダーではあるのですが、私たちの場合、自己免疫疾患のみなさまのように、ステロイドで炎症を抑えているわけではなく、不足しているコルチゾールを足す目的のステロイダーなので、それが重症化を惹起するわけではないみたいです。ちなみに、主治医の観測範囲内で、下垂体機能低下症患者が新型コロナウイルスにかかった事例は聞いたことがない、とのこと。

あれ、じゃあ急いでワクチン打たんでよくね??

しかし、高熱を出すと副腎不全を起こして大変なことになる可能性があります。たしかに、私は滅多にインフルエンザにかかりませんが、かかるとその治りはおそろしく暇かかります。コロナで高熱になったら大変です。コートリル(ステロイドね)のコントロールをしつつ、コロナの超長期の高熱に耐えなければなりません。それはそれで怖い。

いや、しかし、ワクチンで高熱になる確率もそこそこあるぞ。臨床試験ベースで32%とか言うてなかった?
うーん
うーーーん…

結論「打つ」

新型コロナウイルスは、何せ未知のウイルスである上に、どうもある日うっかり消えてなくなる可能性もそんなにないようです。すると、死ぬまでの間に何かしらのタイミングで感染することを考えると、
丸腰でウイルスに直撃するか
ワクチンで防御するか

この二択なわけです。前者は、そもそもコロナ自体によって重症化すると相当しんどそうだし味覚嗅覚障害も残る可能性もあります。さらに、基礎疾患的に避けるべき高熱状態にそこそこ長期間晒されるリスクは軽視できません。
一方、たしかにワクチンで発熱するリスクも思ったより高くて正直ドン引きしましたが、あらかじめコートリル倍量投与とかしてたらなんとかなるでしょう(たぶん)。出ても接種後1〜2日で消失するみたいですし。わかっているからこそ、最大限の防御でしのぐ方法もあります。

あとは、「mRNAワクチンというもの自体初導入のワクチンのため、長期的に見て何が起こるかだれにもわからない」という点をどう評価するか、ですかね。ここはもう、価値判断分かれるところなのかもしれません。
でもこれって、一般的に大病を患ったときに治療法選択を迫られる場面で、「Aという悪影響が起きるかもしれないし、起きないかもしれない。この治療法を避けるとAは起きないけど、Bというもっと深刻な事態になる可能性がある。」みたいな、数%の確率論の中から選んでいかなければならない道のりに似てる気がします。
だからといって、「なにもしない」「座して悪化を待つ」という人はそんなに多くはなくて、どこかのタイミングで「えいやっ」と選んでいるわけです。
まぁ、私の場合、その結果として「まれに◯◯という事態になる」という説明を受けた通りになることが多いのでつらいですけどね!
頭蓋咽頭腫と迷走神経鞘腫を1人で経験し、しかも後者はそんなに大した腫瘍でもないのにたまたま血管が絡みまくってたおかげで大出血して人工呼吸器の世話にまでなる…ってすごい確率ですから。
今回も、なにかしらあると思ってますよ、ええ。でも「医療ってそういうもんだ」と明らめているのでもうええわ。

と、いうわけで、打ちます(どーん)

これねぇ、無傷でこのウイルスをやりすごすのって、「感染したけど無症状だった」のルート以外にないんですよ。そんな若さじゃないし、若くても無症状に当たるとは思えないし。
ただ、個人的にはワクチンは自己防衛のための意義が大きいと思っているので、打ちたくない人にお勧めする気はあまりありません。
若い方など、「無症状感染」の方が楽に決まってますので、そっちに賭けたい、という人がいてもおかしくないでしょう。最近になって、軽症ですんでも、若くても後遺症が増えているみたいな報道もありますので一概には言えないのかもしれませんけど。

ただ、打たない場合は、まだまだ先まで飲酒でワイワイ騒ぐことは厳に避けた方がいいでしょう。マスクも絶対に手放せないでしょうし。
「ワクチン打たずにコロナ前に近い娯楽を楽しむ」という虫のいい話を実現するまでには、まだ数年の時間がかさりそうです。

ひと足お先に

なぜ今、こんな気の早いことを書いているかというと、勤務地が保健所のおかげで私は「医療従事者」枠なのです。
全国の弁護士の中で一番早いワクチン接種なんじゃないか。
すでにワクチン接種の意思表示は終わっています。あとは届くのを待つだけ。
さて。どうなりますことやら。

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