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なぁ、海を見ないか。

海浜幕張には魅力的な通りが多いが、個人的に最も好きなのは花見川通りだ。

この通りは、かたや花見川沿いの緑を感じ、かたや幕張ベイタウンのマンション群を横目に、少しばかりの蛇行とアップダウンをしながら爽快な気分で自転車を走らすことができる。花見川通りを南下すると、メッセ大通りとの交差点を過ぎたあたりから汐の匂いが混じった強めの風に変わる。

そう、海浜幕張はその名の通り、海にとても近い街だ

花見川通り沿いのマンション群が織りなすスカイラインが美しい。

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メッセ大通りを抜けた後、海浜大通りと交わるT字路の信号を渡ると、幕張の浜に辿り着く。

目の前には東京湾、左に京葉工業地帯、右の遥か遠くには東京都心のビル群が一望できる。そして、東京湾を行き交う船、上を見上げれば羽田に翼を下ろしに向かう飛行機までも拝むことができる。

幕張の浜はこの辺りからZOZOマリンスタジアムの辺りまで続いている。

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幕張の浜の特徴、とにかく視界が広い
程よく人工物もあり、スケールも感じることができる。高層ビル群が一望できる都心のベイエリアとも異なり、ただただ水平線が広がる南国リゾートの景色とも異なる。

自然の中に人間の営みが垣間見える、安心感のある海の景色を堪能できる。妙に心地が良い。

僕はこの場所がとても好きで、時間を見つければロードバイクを漕いでこの景色に会いに行く。これからこの景色とともに、人生を歩んでいきたいと思う。
むしろ青春時代に出会ってれば、何曲か良い曲を作ってアーティストデビューできてたんじゃないか、とさえ錯覚させてくれる(錯覚である)

海浜大通りと花見川通りが交わるT字路付近から西側の東京都心方面を望む。

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そんな幕張の浜に似合う曲がないだろうか、ふと考えた。

まずは僕も大好きでド定番の、サザンオールスターズ。
…いや、ダメだ。多くの曲の歌詞に湘南の地名が入っている。“勝手にシンドバッド”は茅ヶ崎、”HOTEL PACIFIC”は江ノ島…。
幕張の浜に合わないわけではない、でも、やはりそれは湘南であって幕張に最適ではないのだ!
もう一つ好きな”純恋歌”に至っては、アーティストが「湘南乃風」…Oh…

本当に悔しい…圧倒的な湘南の強さを感じつつ、色々と悩み探し、見つけた答え。
それがTEEの”ベイビー・アイラブユー”だ。

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少し前(といっても11年前…)に流行ったラブソングをオススメさせて欲しい。
友達以上恋人未満男女の男側目線のストレートな歌詞が、美しいメロディーラインに乗せられて響く名曲である。

「なぁ 旅に出ないか なぁ 海を見ないか」で始まる歌詞。

これだけ見ると、海は旅先で見る遠くのもの?に思えるが、この後に出てくる、

「この街は変わってく 明日も明後日も 水に映った 君の横顔 照らし出すオレンジの夕空よ」

この街と水が繋がっている…?そう、この後の歌詞も読み進めていくと、彼らにとって海はとても近い存在であることが窺えてくる。

海は旅で行くほど遠くはない、何かあると2人で出かける身近な存在に思えてくるのである。冒頭の歌詞は、もどかしい2人の関係性を打破するために、気分転換として「旅に出る」「海を見に行く」を並列で女性に対して提示する男の心情だと解釈できる。

2人だけの時間を過ごせる静かな情景も、幕張の浜に合っている。観光客でごった返す賑やかなビーチではないと考えると、それはもう湘南ではない。そして「この街は変わってく」の部分。少し近代的な街並みが広がってるようにも思えてくる。

沈みゆく夕陽を眺めながら聴くのがおすすめ。たまたまそれっぽい写真が撮れた。

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かなり捲し立ててしまったが、これはたにぐく個人の見解である。真相は知らない。でも幕張の浜でこの曲を聴くと妙に心地良いのである。

ああ!こんな詩に書けるような恋愛をしたかった!と思いつつ、今日もテレワークの合間に幕張の浜にやってきては、パソコンをぽちぽちタイプしながら海を眺めるのである。

それでは聴いてください、TEEで、ベイビー・アイラブユー。

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