ホウ酸が住まいを守る
ホウ酸とは・・・
天然に産出する鉱物で、酸素とホウ素が結合したもので、地球上の土中、海中のいたるところに存在する天然素材です。ホウ素は私たちの体の代謝や骨の健康、脳の機能向上にとっても、植物にとっても大切な必須元素です。
特に野菜や果実の育成には欠かせず、世界中で肥料として使用されおり、その使用料は年間6トンにも及びます。
①安全性について
人体や哺乳類のように、腎機能のある動物への毒性は、大量摂取しない限り認められておりません。毒性は塩と同じと考えられる程度です。
ホウ酸は、生物の代謝経路を遮断しようとするため、腎機能のない生物には毒性を発揮します。このことを「選択毒性」といいます。
人、犬、猫などの哺乳類には安全ですが、シロアリ、キクイムシ、ゴキブリ、腐朽菌、カビ等の生物に強い毒性を発揮します。
しかも、腎機能の高い陸上動物や植物にはむしろ必須元素とされるので、木材保存剤としては理想的と言えるでしょう。
②日常で使われるホウ酸は?
私たちは、水や、食事から、一日に1~3mgホウ酸を摂取しています。
ホウ酸の含まれる商品としては、洗眼液(目薬)、化粧品、ハンドソープ等でその利用目的は殺菌効果と保水効果です。
その他にも、セラミックス、医薬、肥料にも使われています。
③ホウ酸の特徴
ホウ酸には、防腐、防蟻、防虫効果があります。しかもその効果は永続しますし、ホウ酸自体が無機物であり、従来の薬剤のように発揮したり分解したりという事がありません。
更に水溶性の為、腐朽菌やシロアリが繁殖しやすい湿ったところに向かって移動するという特性も持っています。この特性により、水分を含む木材の中を拡散し木材全体に含侵します。
④従来の薬剤とどう違うのか
ホウ酸は従来の防蟻剤と異なり、忌避性がないのが特徴のひとつです。忌避性のある防蟻剤はシロアリが薬剤の部分を嫌って、むしろシロアリが家全体に拡散してしまう可能性もあります。忌避性がないという事はシロアリが気付かぬ間に駆除されているという事です。
また、ホウ酸は構造金物や釘。木ネジ等の鉄製の金属との反応による腐食の心配もありません。それにホウ酸は非揮発性ですので、空気中に溶け出し室内の空気を汚す心配もありません。
以上のように、ホウ酸は人体や犬、猫などのペットに安全で、空気も汚さず効果は永続し、しかも木材内部まで含侵し、構造金物や釘と反応をすることもない理想的な防腐、防虫、防蟻剤と言えます。
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