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メカブ船

 お盆にはあの世から懐かしい人が帰ってくるといいますが、今朝どこか知らない埠頭にいたら、ものすごい勢いで海のむこうから船がやってくる。誰も乗ってない、エンジンもついてない、公園の手漕ぎのボートくらいの小さな船なのに、モーターボートのようなスピードで一直線に進んで埠頭の脇に到着。見ると、そこには巨大なメカブがぎっしりと詰まっている。この船はこのメカブの意志によってここまで運ばれてきたようである。

 阿呆船ならぬメカブ船。これは何の啓示なのでしょうか。

 巨大なメカブは船の前のほうにぎゅぎゅっと集まっていて、みると、船の後方には、電子辞書とか折りたたみの携帯とかいくつかの電子機器が散らばっている。私はメカブに操られた船に衝撃を受けてボーゼンとしていたんだけど、人がわらわら集まってきて、その電子機器を早い者勝ち! みたいな感じで奪っていく。

 メカブにまみれた電子機器は、海の精霊磯良の持ち物ちゃうん? そんなんウキウキ持ち帰って恐くないのかなと思いつつも、ヘンな人だと思われたくなくて黙っていた。

 気がつくとメカブはあっというまにしおれて色も変わってしなびた塩漬けのわかめみたいになっている。古い友人の編集者女子が、埠頭の横にある公衆トイレから出てきて、「ねえねえ、このトイレすごいよ!」っていうので見に行ったら、トイレの内部は17角形になっていて鏡張りになっていた。 
なんの啓示なのか(笑)。

 もちろん夢なんですけど。

 メカブを食べよという啓示かもしれないけど、今の私にはメカブに対する畏怖が強くて、とても食べるなんて気持ちになれない。

(イメージ画像  Make That Move /メカブ The Rockats)


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