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デザイン×人の縁=産学連携

こんにちは。NTTデータのデザイナー集団「Tangity」でビジネスデザイナーをやっているKです。

2019年から、R大学の観光学部で「観光IT戦略論」という講座の講師をやっています。

学部の2~4年生が夏休み前の半期に履修する講義で、合計14回(14週間)で行います。自分のイメージする「観光ビジョン」を実現するために、ITを活用した新しいビジネスやサービスをデザインし、事業企画書をまとめる講義です。当社の新しいビジネス創発メソッド「DCAP(ディーキャップ)」を活用します。

DCAP(Digital Corporate Accelerate Program)は、当社独自の新規事業アイデアを創発するイノベーションプログラムです。当社自身のビジネス企画から出発し、お客さまとの共創こそが本質と認識していく過程で、ビジネス創発プログラムとなるまで成長しました。

私は「デザイン」を、人々の悩みを解決し、思いを実現するために、既成の概念や思い込みにとらわれずに発想することだと考えています。これまで約100人の学生に、観光を盛り上げるITを活用したビジネスを企画し、「デザイン」について学んで貰いました。

この講座がどう始まり、どのように歩んできたのか聞いてください。


S先生との出会い

2017年に、都内のIBというエリアを盛り上げる「IBアイデアソン」を実施しました。これは、IBエリアを本拠とする大手企業からの依頼で行ったもので、エリアをより楽しい街にするアイデアを探索し、その企業の事業方針のヒントを得ることが目的でした。当時、その企業と当社の社員、エリアの行政職員、エリアで働く方々、R大学の学生らに参加して貰いました。チームに分かれて街に出て、さまざまな光景を写真に収め、エリアの課題を探索し、エリアを楽しむためのアイデアを構想しました。このような「アイデアソン」が当時流行していました。

プロジェクト終了後、その企画に10人もの学生を参加させてくださったR大学のS先生に挨拶に伺いました。S先生は私と同い年で、とても気さくだったので、私たちはすぐに打ち解けることができました。その後、私は先生と(ゼミ生が一緒であることが多かったです)、定期的に食事をしながら情報交換を重ねるようになりました。(先生が、いつも良い雰囲気の店に連れていってくれるのが楽しかったです)

私はS先生のゼミに顔を出すようになりました。ゼミでは、観光を盛り上げるビジネスを構想し、ビジネスプランとしてまとめる課題に取り組んでいました。私は志賀高原でのゼミ合宿にも参加し、夜遅くまで学生たちと一緒にプランを検討しました。楽しかったですよ~

寄附講座のスタート

ある時、会食中に、先生から寄附講座の話が出ました。「ビジネスとITは不可分であり、企業が実践しているビジネス検討の方法を学生に学ばせたい」とのことでした。私は、学生の自由な発想に触れることや、DCAPを学生が活用できるように改良する良い機会になると考えました。寄附講座は非常に好評で、学生たちからも高い評価を得ました。確か、全講義の中で、最高点を頂いたように記憶しています。

DCAPでは、アイデア発想段階では、模造紙と付箋でのグループワークや、ペアの相手をドンドン変えながら、自分のアイデアにフィードバックを貰うワークを行うのですが、2年目にコロナ禍になりましたので、オンラインツールを駆使して、同等のことを行う工夫をしました。

活動の広がり

2年後には、「DCAPはビジネスデザインの基本の型としてパワフルなので、ビジネスデザインを学ぶMBAコースの大学院生にも学んで欲しい。そして、DCAPを改良し高度化したい」という相談がありました。美味しい焼き鳥を食しながらだったように思います。
100人ほどの大学院生が、しかもその8割は、様々な業種業界の社会人の方々が、毎年DCAPを学んでくれることは、大きな意味があると思えましたので、大学院との共同研究として実現することにしました。

さらに2021年には、R大学と連携協定のある北陸地方の国立K大学でも講座を提供することになりました。R大学の講義にはオンラインでK大学の学生も参加し、両校の学生が交流しながら学びを深めるという形式としました。そしてそこから、当社のお客様でもある北陸地方の地方銀行様と連携し、学生と地域企業の方々が協力して地域の観光を盛り上げるビジネス企画を検討する夏季特別講義へと発展しました。

以上が、S先生との会食を重ねるごとに広がっていった産学連携です

また、これはS先生きっかけではありませんが、産学連携の可能性を模索されていた、中国地方の金融機関に、R大学での寄附講座をご紹介した結果、中国地方の大学に寄附講座を提供する活動も実現しました。

縁は異なもの味なもの

2017年のIBアイデアソンから、R大学寄附講座→大学院との共同研究→北陸地方での講座展開→地方銀行や地域企業との連携→中国地方での寄附講座という展開になった7年間でした

S先生へ、アイデアソンのお礼に伺った時、こんな展開はまったく予想していませんでした。S先生との会食を続ける中で、産学連携がどんどん広がっていったのです。(先生からの相談は、ゼミ生が帰宅し、先生と2人で2次会に場所を変えて、先生がほどよくご機嫌になってからのことが多いです。)

そしていつも、先生は、「こうして欲しい」とは言いません。「こんなことしたいな~」って言うのです。ですが、先生の楽し気な話しぶりを聞くと、何とか実現したくなってしまうのです。

アイデアソンの時、学生を集めて貰うことは、パートナー企業に委託して行いました。ですから終了後、先生にご挨拶にいかずとも、不義理なことではなかったと思うのです。しかしなぜか、ぜひご挨拶に行きたかったのです。S先生に、引き寄せられたとしか思えません

人の縁の不思議なパワーに感謝し、その大切さを痛感しています。

さて、S先生との次回の会食はいつかな?!

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