今・ここにない世界観を”そうぞう”するには?「LARP」で広がる視野
こんにちは、NTTデータのデザイナー集団「Tangity」でサービスデザイナーやってます、Miyuki (おかみゆ) です。
今回は、私が最近実施したLARP(ライブアクションロールプレイング)を用いたワークショップについてお話ししたいと思います。LARPは、未来思考やスペキュラティブデザインの手法のひとつとして注目しています。
この記事は、
起こりうる未来を想像するためのLARPという手法がある
どんな実践をしてみたのか
という内容です。
活動メンバー👤
この活動は、ゆめみのかつたろうさん(@katsutaro) と一緒に取り組んでみた組織・チームを越えた部活動になりますが、Tangityメンバーもこの取り組みを応援・サポートしてくれてます。
>>> かつたろうさんのnote もぜひご覧ください。
LARPとは?💫
「LARP」という言葉はまだ聞き慣れない言葉かもしれません。
LRAPとはなにか?なぜ、LARPなのか?まず話していきたいと思います。
LARPとは、ライブアクションロールプレイングの略です。簡単にいうと、参加者が特定の役(Role)を演じながらシナリオを進めていくんです。”ごっこ遊び”のように、物語の中に入り込む感じですね。
私は昨年度参加していた京都クリエイティブアッサンブラージュ(通称KCA)でこのLARPを初めて学び、その魅力に引き込まれました。未来思考やスペキュラティブデザインの手法として、今・ここにはない世界観のシナリオを体験しながら、これまでとは異なる質感の議論や洞察を得られる、ような気がする。
どんな実践をしてみたのか?🦄
5月25日のFeatured Projects 2024 で機会をいただき、一般参加者向けにLARPワークショップを行ってみました。
Features Projects は、幅広いデザイン分野がクロスオーバーするお祭りのようなイベントで、今年のテーマは「"そうぞう"からはじまる」でした。"そうぞう"を続ける人たちの考えや想いを、トークセッションやワークショップ、クリエイターズマーケット、ミートアップ、展示などさまざまな形で表現、共有する場です。
今回は、「未来のはたらくを"そうぞう"する」というコンセプトで、2124年の火星を舞台にした世界観とキャラクターのシナリオを設定し、20人の参加者向けに2時間のワークショップを設計しました。
参加者からの声は、
キャラクターならどんなふうに考えるかを想像しながら話したことで、自分にはない視点で発想することができた。
キャラクターというフィルターを通すことで、意見が言いやすかったり、他者の話を受け入れやすくなった。
自分以外の誰かを演じて1ヶ月とか生活してみたくなった。
など多くのフィードバックをいただき確かな手応えも感じました。
ビジネスへの応用は?💡
読者の中には、「これどうやってビジネスに役に立つの?」ということが気になった方もいるのではないでしょうか?
実際にやってみて、たとえば、次の場面で活用の可能性があるのではないかと考えています。
新規事業を推進する時に、アイデアを発想するための「インスピレーション」を探索するためのリサーチプロセスとしての活用
今ここにいないユーザーだったり、余命宣告を受けた患者や戦争経験者など、実際のユーザーをリクルーティングするのが難しかったり、当事者の「きわどい状況」を聞かなければいけないケースにおいて、ユーザーリサーチの代替手段(alternative)としての活用
事業の方向性が不確実な中で、自分たちが納得感を得られる合意形成を行うためのプロセスとしての活用
今・ここにない世界観とキャラクター設定を通して、強制的に「今の肩書き」を外して会話するための、チームビルディングや対話における活用
はい、私たちの探求は始まったばかりなのです🔦
もし他に活用アイデアをお持ちの方がいましたら、ぜひディスカッションさせてください!!
おわりに
ここまでのざっくりまとめです。
LARPに可能性を感じる理由:机上だけで未来シナリオを考えるの、もう疲れませんか?演じるという身体表現を活用したリサーチ&プロトタイピング手法として可能性を感じている。
どんな実践をしてみたのか:「100年後の働き方を想像する」というテーマで世界観・キャラクター設定、ワークショップ設計・実施を行う。参加者からのフィードバックに手応えも感じる。
ビジネスへの応用:従来型のユーザーリサーチや合意形成、チームビルディングなどの代替プロセス(プランB)としての可能性がありそう。
ここまで読んでくださりありがとうございました!!
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