見出し画像

探学ノススメ Re-Generative&Generative 環境を再生し人の学びを生成する講座 はじまります! 市川力(ジェネレーター)×佐藤俊(大地の再生)

探学ノススメは、どこにでもある町の中の公立学校の校庭が舞台!
大地の再生 佐藤俊さんと校庭を観察・再生し、そこで行ったことや発見・気づきをジェネレーター 市川力さんとともに『知図』で表現していきます。
講座を通して、大地がリジェネティブし環境を再生することと、人間がジェネレートし学びを生成することのつながりを体感し、深い学びへと誘います。
 
小・中学校、高校、大学などの学校現場を始め、幼稚園・保育園、自然体験のフィールドなど自身の教育現場で、子どもたちと一緒に出来る環境再生作業を通じての学びの生成のあり方と手法を学びます。

仲間と共に学び、自分の現場で始める一歩を踏み出しましょう。 

国立市谷保やぼろじにて

語り手:
一般社団法人みつかる+わかる 市川力(りき)
WAKUWORKS 株式会社 佐藤俊(俊)
株式会社OSOTO 渡部由佳(ゆか)

探学ノススメはじまります


身の周りには、見ているようで、見ていないものが沢山!


今回の探学ノススメ講座は、Feel度Walkや作業を通して参加者が、どれだけ五感が使えるようになるか。みんなが、あっ!と驚く、新たな発見や視点が生まれることが、最大の魅力になると考えています。

りき
みんな見ているようで、見ていない。聞いているようで、聞いていないですからね。
 

そんな五感を使った観察に、プラスアルファとして整備作業(樹勢回復)が出来たらと考えています。決して、作業がメインじゃない。
僕たちがいつも実施している樹勢回復の作業や講座とは違った視点で、りきさんや、ゆかさんと一緒にやることで、次世代や未来につながっていく講座にしていきたいです。
 
まずは、今の校庭がどんな状況なのか、自分自身で気づくことが出来るようになる。きっと、講座の舞台となる逗子市立久木小学校の先生も見えていないことがいっぱいある。それが面白いですよね。

りき
自分のFeel度が高まり、自ずと何かにフォーカスされ、発見したことを知図に表現する。これが『探学』のプロセスです。すごくシンプルだけど、とても大切で、人が本来持つ力を素直に発揮した学びのあり方ですね。実際、校庭で子どもたちとFeel度Walkをしてみると、小1の子たちに気付かされることが多い。子どもの方がよく見ているから。


大人の目線と子どもの目線は違うから、例えば、大人は動物の走っている場所が分からない。けれど、子どもには見えているから、子どもはそこを走り回る。子どもに教えてもらえることって、たくさんあります。
  
りき
僕は前から、Feel度WalkForcus Walk の2つを一緒にやってみたかった。
まずは五感で感じるFeel度Walk。次は、樹勢回復という視点を持って観察するFocus Walk。2つの Walk を行ったり来たりすることで見え方・感じ方が研ぎ澄まされます。
 

大地の再生の視点は、僕が伝えていきます。そこに、りきさん、ゆかさん、そして参加者の視点が加わると、新たに見えることが沢山あると思います。

舞台は逗子市立久木小学校の校庭!

りき
俊さんにとって探学ノススメの面白いことや講座を実施する意義はなんですか?


自分にとっては、生きる世界が違う多様な人たちが集まることで、自分自身の発見が広がることが楽しみです。自分が関わっている世界の視点だけだと、偏り過ぎてしまうので。
 
環境再生をして行く中で、良くないなと感じているのが、再生現場の人間が、木や植生の何を見ても「傷んでいる。傷んでいる。」って関係者にネガティブな視点だけを伝えることです。そんな言葉に暗くなり、傷つく方をたくさん見てきました。

木たちも傷みたくて傷んでいるわけじゃない。病気になりやすい環境に置かれて傷んでいるだけです。コロナが明け、みんなが元気になろうとしている今だからこそ、もっと元気に楽しくやれることを伝えていきたいと思っています。木や植物だけに寄り添うばかりではく、人にも寄り添っていく視点が必要ですよね。  
 
探学ノススメでも、参加者や学校の方が聞いて元気になれるような、トライしてみようかな!って思えるようなことを語ろうと思います。ただの作業だけでは終わらず、さまざまな視点が生まれると思うので、「自分たちにできることがある!」ということを、みんなで探っていきたいですね。
 
りき
「できることがある!」というメッセージを伝えていきたいというのは、教育についてもまったく同じです。先生も親も上司も教育に携わる場面ではつい相手の「できないこと」に注目してしまいがちです。その意識が学び手を萎縮させたり、子育て中の親を不安にさせてしまったり。構造が似ていますよね。
 
マイナスの状態をマイナスだと指摘するのではなく、また反対に、妙にポジティブばかり求めようとするのでもなく、今、目の前の状況に潜む「意味」を面白がりながら「探」っていく。だから『探学』なんです。

場が変わると人が変わる



今、整備で入っている京都の貴船神社でも実感しているのですが、環境が変わっていくと、周りの人も変わっていくんです。神社周辺のお店の人や地域の方々は、最初、私たちに対して「この工事屋さんたちは一体何者だろう?」という不信感に満ちていました。でも整備を続けて、環境が変わっていくのを感じとると私たちへの視線や態度が変わったんです。

りき
それってすごいことですよね!もし校庭が変わったら、学んでいる子どもや先生はもちろんのこと、保護者や学校周辺の地域の人たちも変わり、学校を支えてくれる存在になるっていうことでしょう。
 

私たちの環境再生は、大地だけではなく人とのつながりも意識します。場が変われば、人が変わり、地域全体も変わる。それを目指しています。
 
りき
人を教育しようと思うと、相手に直接働きかけて変えようとする。でもそうすることより、今、自分たちがいる場にフォーカスをして、自らを変え、場を変えてゆくように動く。すると相手や周囲が変わっていくわけですよね。
 

そうです。でも、場だけを良くしようとすると、周りの人たちと良い関係性を築くことができません。木が困っているところと、人が困っているところを観察して、つなぎ合わせて仕事をしていくと、お互いが良くなっていく。施主や地域の人が何に困っているのかを見ていくことが大切なんです。いくら自然への強い気持ちがあったとしても、あくまで人の世界なので、僕は人間目線を大切にしています。
 
環境再生には「大きな作業で大きな効果をもたらす」といったイメージを持っている方も多いと思うのですが、僕は、最初は少しずつ、手探りで、関係者に認めてもらえるように作業を進めています。まずは、弱っている木の樹勢回復に手作業で入り、少しずつ変化が見え、それを繰り返すことで大きな施工に移ってゆくのです。

何にでも段階があります。施主や地域の人に認めてもらえるように、ステップを踏んで少しずつつながっていくんです。
 
探学ノススメの作業を体感することで、まずは学校の環境再生からスタートすると、自ずと人が変わってゆく場が生まれるという視点が持てるとよいなと願っています。

大地の再生現場 京都貴船神社  場が変わり、人が変わり、良い仲間も生まれている

りき
まさに探学ノススメの最大の意義はそこにあると思います。僕は教育現場で、人が学びを引き起こす場をつくる際に俊さんと同じ感覚でやっています。
 
直接的に働きかけ、すぐに劇的に変化することを求める気持ちは、人の学びに対しては、より強くなります。
「こう教えたから次にはできるだろう」「このレッスンをうけたら変われるだろう」
という発想で子どもに関わるから、なんでできないんだと子どもを責め、実現できない自分に力がないと先生もへこむ。親もイライラする。

でも人の学びはじわじわ起きるんです。劇的になんか変わらないし、変わり方も一様ではありません。学び手の中に静かにうごめいている何かを信じ、委ねる中で自ずと芽生え、伸びてゆく。それを妨げている周囲の環境を整備するという感覚を持つ必要があるんです。
 
人間がどこにつまずき、困っているんだっていうことを観る感性を養うためには、木が困っているというところを観たほうがいい。俊さんが見ている「自然だけでなく人も」というベクトルと逆向きの「人だけでなく自然も」というベクトルを参加者は身につけてゆくのでしょう。
 

「人と自然との相互の関係」に眼差しを向け、自分たちのやったことが、すぐに、そしてすべてなんらかの成果に結びつくという感覚から逃れることの大事さを伝えていきたいです。

仲間と共に実践からまなぶ


体験知は参加者それぞれの『知図』で表現

りき 
探学ノススメのよいところは、3回の講座を経た後は、自分たちでプロジェクトを進めてゆけるようによい意味で突きはなす点ですね。次は応用編、次は上級編と何度も講座に通うのではなく、体感したことを即自分の現場で実践し、積み重ねてゆけばよいというのが、私たちからのメッセージです。
 

それと、難しい講座にはしたくないと思っています。環境再生について、すごく難しく考えちゃう人もいますよね。僕は、基本的には人それぞれで良いと思っています。完璧を求めようとは思っていません。参加者や場が変わるささやかなきっかけを作ることが出来たらなと。 
 
りき
少しだけでも自分が変わって、小さい場でよいから、子どもたちと、周囲の人たちを巻き込みながら「とりあえず試してみる人」として活動する。そういう取り組みがあちこちで「点穴」のように生じてこそ世の中は変わってゆくのではないでしょうか。
 
ひとにぎりのすごい人を作ってその人にひっぱってもらおうとか、みんながすごい人を目指そうとかいう教育ではなく、自分なりに小さく、じっくり進んでゆくことが今こそ求められていると強く思います。

その時に私たち大人が学ぶべきは子どもの視点です。子どもたちは「土が詰まって、木が苦しそうだ」と考えて判断するのではなく、直観的に気づく力がある。昨年度、檜原村MOKKI NO MORIで行った、ちきゅうのがっこうに参加した子どもたちは、特に作業しろと言われたわけでもないのに、空き時間に的確な場所を見つけて勝手に点穴を開けていましたね。

ゆか
子どもは迷いません。点穴を開けるのに、俊さんに聞かなきゃとは思わず、自分の直観を素直に信じて作業するし、仲間に教えあってすごい勢いで作業を進めていきました。


ついつい許可を求めてしまうのは、だいたい大人なので、大人が子どもに引っ張ってもらう形になりますよね。

りき
先ほども言ったように全3回の講座を終えてからが実は本番。第4回目は「各自の現場での実践」です。講座参加者が自分自身で企画して、子どもたちや同僚、地域の人を巻き込んで、できる範囲からなんらかのアクションを起こす! 

ゆか
そのためには講座参加者がお互いの実践をシェアし、相談したり、助けあったりできるような仕掛けが必要なので、SNSグループを作る予定です。そのコミュニティ内で、子どもたちと活動するので一緒にやろう!という発信を参加者同士で交わせるようにします。お互いに仲間の活動を共有し、見学したり、手伝ったりして、刺激しあい、学びあい、情報交換出来る場作りを目指します。

りき
子どもたちや大人たちにどんな変化があったのかなどのレポートもどんどんしてもらいたいな。お互いがつながって広がっていく・・・まさしく菌糸モデルですね!

今回の講座の場が、公立小学校だというのもとても深い意義を持ちます。公立小学校は、地域の中心であり、どんな子どもでも集うことのできる「みんなの学び場」です。特別の場所ではなく、身近にある場で、こんな風に進めていけば、疲弊し、閉塞感が進む「学校」を「学校外 school free」から活性化することができるのだという実例を生み出したいです。 


ポイントは全3回の講座後、学校での作業を継続すること。コツコツと続けられるように、みんなで応援、サポートしていけたらと思います。

リジェネラティブ✖️ジェネラティブ

自身の現場(校庭やフィールド)の環境再生を子どもたちと一緒に実施していきたい方へ!


りき
今回の講座は「リジェネラティブ✖️ジェネラティブ」という今、世界的に人類が進むべき先端的な方向性を実現しているなと思っています。日本語では「大地の再生と学びの生成」として伝えてゆきたいのですが、俊さんはどう思いますか?
  

僕は英語がいいなと思っています。再生って言葉には、引っかかる人がいるんです。再生という言葉に少しネガティブなイメージがついてしまっているような。けれど、リジェネラティブという英語になると、いろいろなとらえ方が出来ます。
 
僕たちがやっていることに、日本語で新たな言葉を作りたいくらいです。
 
りき
いいですね!ぜひ新たな言葉を作りましょう。

ゆか
自然体験などの現場で講座を開催していきたい人には、こういう名前の講座が出来るよ!って伝えてあげられると、安心して進められるかなと考えています。
講座の「名付け」も、講師と参加者みんなでたくらんでいきたいですね。
 
りき
これこそ今、これからの教育のあり方として注目されている概念型の学びですよ。あらかじめ決まっている意味を覚え、計画的に進めるのではなく、なんとなくこうかなと思っていることを自分たちでとらえ、意味を再構築しながらあてもなく進んでゆく。 個人的に強く感じるのは、「ジェネラティブ」という語に込められた「一期一会の生成」というイメージ。大地が「リジェネラティブ」で循環してゆくのに対し、人の学びは限られた時間に一回のみ許された「生成」。ただし「個人」としては一度でも、誰かに渡すことで連なってゆく。 

ゆか
真っ直ぐ前に進み成長をしていく時間と、ぐるぐると巡る循環の時間。この2つの時間の中で生きる方法を探るのも、探学ノススメの魅力のひとつということですね。

りきさんのメタメタマップ


生き方という点で言うと、階段を一歩一歩、前に進むだけじゃないという感覚がこの講座で目覚めるのではないかな。ずっと真っ直ぐ上に向かって歩かなければいけないと思い込んでいるけれど、豊かな生き方って、立ち止まったり、もう一度戻ってみたりすることで生まれる。戻るから気づき、見えることの方が多いですよね。
 
ゆか
Feel度Walkの歩き方は、止まったり、戻ったり、まさしくそんな感じですよね。
 

講座の後、ひたすら続けるというのは、階段をそのまま上がっていくイメージじゃなくて、みんなで、戻ったり、立ち止まったりしながら、ゆっくりと進んでゆくためです。そんな仲間が「探学」の仲間なんです。
  
りき
今、僕たちがしている雑談のように語る時間って重要ですよね。毎回の講座の終わりには雑談タイムをつくりましょう

講師や仲間とじっくりと交流できるのも魅力のひとつ


そうですね。講座の終わりの時間帯も講座後も、仲間と共にいられる、ふりかえりの時間が大切ですね。
 
ゆか
もっと講師と話したい。講師とも仲間になりたい。という声も多いです。みんな、背中を押してもらいたいんだと思います。
 
オンラインふりかえりや、ホームワークで自分ひとりで内省する時間もあります。講座で顔をつき合わせるのはひと月に一回ですが、日常のちょっとした瞬間に、ゆるりと考える習慣が生まれるようにしたいと思っています。

参加者の気づきや学びが知図で表現されていく

りき
そうですね。3回の講座の最終回は、大地と関わる作業と人の学びとがつながることを室内でのワークを通じて体感します。体験し、語り、知図として記録するというルーティーンで集まった知を整理していく。そのときに自ずと湧き出る言葉を拾い、言葉と言葉の間(あわい)に何があるのかを探り出してゆくワークを行います。
 
ゆか
子どもたちと一緒にできるプロジェクトとして、参加者それぞれの現場で実施できる内容だから、難しくなく、楽しく進められる手法を提示するということですね。

最終回は室内でのワーク!(逗子市立久木小学校にて実施予定)


この講座は、僕たちにとっても初めての試みです。きっと新しいものがたくさん生まれていくだろうと思っています。探学ノススメは、やる側からみてもとても面白い企画になりそうで、今から楽しみでなりません。


記事と写真 : YUKA WATANABE
写真:MIO KOBAYASHI

プログラム概要


詳細・お申込みはコチラ!
https://tangaku-1.peatix.com

開催日時:
第1回 2023年6月4日(日) 9:00-17:00
第2回 2023年7月2日(日) 9:00-17:00
第3回 2023年8月27日(日) 9:00-17:00

対象:
高校生以上

定員:
25名
 
参加費:
【全3回参加+オンラインふりかえり】
大人1名 110,000円(税込)
ープラン内容ー
〇全プログラム(フィールド全3回・オンライン)に参加
〇オンライングループ参加
※peatixにてお申し込み後、支払いは銀行振込

タイムテーブル:
<1日目 6/4>
9:00 逗子市立久木小学校 集合
9:00~11:30 Feel度Walk
11:30~12:30 各自お昼ご飯
12:30~14:30 Focus Walk・環境整備
14:30~17:00 発見の表現と共有・雑談リフレクション

<2日目 7/2>
9:00 逗子市立久木小学校 集合
9:00~11:30 Focus Walk ・環境整備
11:30~12:30 各自お昼ご飯
12:30~14:30 Focus Walk & Feel度Walk
14:30~17:00 発見の表現と共有・雑談リフレクション

<3日目 8/27>
9:00 逗子市立久木小学校 集合
10:00~12:00 体験知のリフレクション
12:00~13:00 各自お昼ご飯
13:00~15:30 カルタワークによる知の生成
15:30~17:00 雑談リフレクション

持ち物:
お弁当(予約購入も可能)、飲み物、履きなれた靴、雨具、着替え、手道具、軍手など(参加者には、しおりを送付します)

詳細・お申込みはコチラ!
https://tangaku-1.peatix.com

「探学ノススメRe-Generative&Generative 環境を再生し人の学びを生成する講座」
共催:
株式会社OSOTO https://osoto.co.jp/
一般社団法人みつかる+わかる https://www.mitsukaruwakaru.com/
WAKUWORKS 株式会社 https://www.wakuworks.jp/


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?