繰り下がりのある引き算の筆算(支払い法)

※筆算のやり方だけ知りたい人は「支払い法について、計算例と考え方」まで飛ばしてください。

お久しぶりです。種嶋です。
仕事以外で学習プリントを作る気力がなく1年以上放置していました。
今回は思いついたものを記録するため、記事を作成しています。

事の経緯

さて、みなさんは繰り下がりのある引き算はできますか?
私はできますが、非常に苦手です。
その日の調子にもよりますが調子が悪いときは、例えば$${2000-37}$$であれば、$${1960}$$ぐらいと当たりをつけて、$${-37}$$だから1の位は$${3}$$かな?$${1963+37=2000}$$だから大丈夫だよな?ぐらいの感覚です。

そんな私ですが、これでも高等学校で数学を教える立場でございまして、生徒から「繰り下がりのある引き算の筆算がよく分からない」と質問を受けることもあります。
説明するのに隣から1借りてきて斜線まみれにするのも大変そうだと思い、引き算の筆算に上記の感覚を生かした計算方法を取り入れてみました。
お金を払うときのイメージに近いのではないかと思い、とりあえず支払い法と呼ぶことにしています。

支払い法について、計算例と考え方

[問]次の計算をせよ.
(1)$${2000-37}$$
(2)$${2355-626}$$

[支払い法による解法]

(1)
$${\begin{array}{r} 2000 \\ - \enspace\enspace\enspace37 \\\hline 1960+40 \\ - \ 37 \\\hline 1960+ \enspace 3 \enspace = 1963\hspace{-3.8em}\end{array} \hspace{3em}   }$$

支払い法では$${2000-37}$$という計算をする場合、$${2000}$$を、$${37}$$を切り上げた$${40}$$と$${1960}$$に分けて考えます。
このため、実際に引き算の計算をするのは$${40-37}$$です。差は最大でも$${9}$$なので、最悪両手で指折り数えれば良いです。

(別解)
$${\begin{array}{r} 2000 \\ - \enspace\enspace\enspace37 \\\hline 1900+100 \\ - \enspace \ 37 \\\hline 1900+ 60 + 40 \\- \ 37 \\\hline  1900+60+ \enspace 3 \enspace = 1963 \hspace{-3.8em}\end{array} \hspace{3em}   }$$

もし$${2000-40}$$が難しければ、最初に$${1900+100}$$とすることで扱いやすくなります。
千円札を百円玉に両替してから、さらに百円玉を十円玉に両替するイメージですね。
縦にも横にも長くなることを許容すれば、引き算するまでに徐々に細かくしていったり、あるいはある程度一気に飛ばしたりと、各自の数量感覚に合わせられるのも利点だと思っています。

(2)
$${\begin{array}{r} 2355 \\ - \enspace\enspace\enspace626 \\\hline 1655+700 \\ - \ 626 \\\hline 1655 + 70 + 630 \\ - \ 626\\\hline 1655+70 + \enspace \enspace4 \enspace= 1729\hspace{-3.8em}\end{array} \hspace{3em}   }$$

(別解)
$${\begin{array}{r} 2355 \\ - \enspace\enspace\enspace626 \\\hline 1725+630 \\ - \ 626 \\\hline 1725 + \enspace \enspace4 \enspace= 1729\hspace{-3.8em}\end{array} \hspace{3em}   }$$

1回だけなら何とか繰り下がりの計算ができるということであれば、このような方法もありですね。

分け方は無数に考えられますが、計算が苦手・計算に苦手意識がある人向けに考えたものなので、指導時は分け方のバリエーションをあまり増やさないようにしています。
支払い法に慣れたころに自分なりの分け方を見つけられれば、それが一番だと思います。

以上、支払い法の紹介でした。

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