ケネディ大統領の妹がロボトミー手術の失敗で廃人になっていた件。

ケネディの1つ下の妹、ローズマリー・ケネディは精神に問題をかかえており、父親は彼女が兄の政治家としての成功の道をさまたげることをおそれ、ロボトミー手術をうけさせた。しかしそれはうまくいかず、かえって障害がのこる結果となり、そのごの人生を幽閉されて暮らしたということだ。ケネディ家でも彼女はほぼ存在していないあつかいになっていたようだ。
彼女は86歳まで生き、2005年に亡くなった。
ローズマリーが精神に障害を負っていたのは、誕生のときのトラブルが原因だといわれている。医師がまだ到着しておらず、お産がはじまってしまった。それであわてた侍女が出ようとした赤子をいったん胎内におしかえした。その状態が2時間ほどつづき、赤子の脳に十分な酸素がいかなかったため、脳に障害をもって生まれてしまったというのである。これが事実なら、彼女はもともとは健全に生まれるはずだった。悲劇というしかない。

アメリカでロボトミー手術を完成させたのが、ウォルター・フリーマン医師だった。その手法は何とも原始的で、患者の目から脳の方向に金属の棒(最初に使ったのは家の台所にあったアイスピックだったという)をさしいれて、脳の骨のうすい部分をこわし、脳神経を切断する、という荒っぽい手術だった。いまからかんがえると悪魔か、と思うが、当時としては革新的な医学として称賛されたというのだ。
ローズマリー・ケネディのロボトミー手術を執刀したのも、このフリーマンだった。

ロボトミー手術の原型をつくったエガス・モニス医師は1949年にその功績をたたえられ、ノーベル生理学・医学賞をうけた。つまり、当時はそういう認識だった。


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