「霧のむこうのふしぎな町」がオリジナルの絵で復刻していた。

この童話は「千と千尋の神隠し」をつくるときに宮崎さんが刺激をうけたことで有名ですが、2010年ごろに別のことでも話題になりました。それは竹川功三郎さんという挿絵画家のかたがジブリにイメージを使われたとして怒り、じぶんの挿絵を引き上げてしまったのです。それでは本が出せないので、講談社は別のイラストレーターをたてて新版をつくり、販売はつづけました。
結果として、竹川さんと講談社は絶縁した、ということでした。

この童話の読者の声などをネットでみると、新しいイラストはイメージがちがうという声が多かった。やはり竹川さんの絵でなくちゃつまらない、というファンが根強くいました。しかし縁を切ってるのだからどうしようもないという感じだったのです。

この童話のことを思い出していまどうなってるのかな、と調べたらおどろきました。昔のオリジナルの挿絵で復刻しているではないですか。

気付くのが遅すぎますが、すでに復刻して3年たっています。

絵はタケカワこう、と表記がかわっていますが、竹川功三郎さんです。童話のほうも昔のままだといいが、と思ったのですが、これはさすがに「きちがい通り」は「めちゃくちゃ通り」に直してありました。いまでは差別用語として使えないのですね。

竹川功三郎さんはブログなどを書いておられたのですが、すべて閉鎖されており、ご健在なのかどうかすらわかりませんが、少なくともこの本がでたということは講談社との和解はしたのでしょう。それはこの作品にとっても愛読者にとってもよかったと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?