東京の電車路線図が好き。

そんなこんなで大学生活が始まった。

クラスメイトとは他の講義で一緒になることもあるが、基本は、語学のクラスで一緒になるのが基本。一学年の人数何千人もいるので、クラスメイトと会う方がレアだったりもする。

ただ、そんなクラスについての第一印象は、「やばい、女子がおる」が何よりであった。

(ちなみに女子の比率はクラス46人中6人というものであった。他の大学とかはどうなんだろう。)

このリアクション、「やべ、あの子かわいい!」といった都会慣れしている男とは訳が違う。

男子校出身者のサガである。ロマンシングサガなのだ(ロマサガ2の七英雄が山手線と知ったときの感動は忘れない)。

中学高校と一貫校の男子校で育ったため、クラス内に女子がいるのは小学校以来なのだ。

まるで、電車に驚くジンバブエ人のような気分だ。

当然ながら徐々に慣れてはくるのだが、序盤はまるで酷かった。

今でも当時の夢を見ては背筋が寒くなる。

どうしようもなく、キョドっていたのである。

高校時代には知り合い程度に話せる女子はいたが、大学の、クラスメイトになどいるはずもない。

しかも東京出身の都会慣れした女子と北海道から上京したての男子である。

当時はお笑いのレギュラーがよくテレビに出ており、あるある探検隊のネタで、「優しくされると好きになる」というのがあった。

自分のことすぎて笑えたのは決して自分だけではないだろう。逆に笑えない?

当時の特技は西川君の真似だった。

当然、女子の目に自分が止まるはずもなく、また、クラスはヤヴェクラスなので、クラスへの興味は富士急の高飛車並みの角度で減っていくわけである。

例をあげよう。東大では前回の記事で書いたとおり、上級生主導でオリ合宿を行うがその後上級生にお礼をする会を開く。
そこでそっとピッチャーを渡される。
「それウーロン茶だから飲んどけ」
と言われ飲むと、茶を感じることはなく、酒を感じるのである。
そう、
ウイスキーである。
そこから先は言うまい。九九は唱えないぞ。

そら興味も失うわ。

モテたいという下心、いや、せっかく東京に来たんだ、出会いのひとつくらいあるだろ!と思っていた自分を優しく撫でてやりたい。いいんだ、その気持ちで。クラスの癖が強いだけだ。


結果、椿(仮称)、下駄箱(通称)、そして自分の3人グループ(ただし、緩めの)が出来上がる。

緩めの、というのは、あったらつるむが、この3人で示し合わせて同じ講義をとることはしなかった、といった温度を指す。

大学は自分の未来のための場所なので、自分の未来に合う選択をすべき場所というのは、当然の暗黙のルールでありこれは自然と全員が実践していたように思う。

反面、この3人で受けた講義ももちろんある。スポーツ身体運動(要は体育)だ。

サッカーをしていたとき、サッカー部出身の椿の活躍はめざましかった。バレー部出身の自分はヘディングにはずっと自信があるが、東大生ばかりのサッカーでヘディングが生きる場面など数えるほどしかなかった。

下駄箱はキーパーであった。下駄箱が、雨の中、滑り込みながらセービングをしたときの「下駄!」と椿と2人で叫んだ思い出はおそらくしばらく忘れることはないだろう。

3人のうち、下駄箱は、経済学部進学であり、3人グループは大学2年で終わりを告げる。自分の椿は法学部進学だったからだ。

ただ、そんな折、上京したての自分は運命の出会いを果たしていた(続く)。


サポート…?何それ、おいしいの?