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雨と子供乗せ自転車

今日は雨。
おまけに寒い。
こんな日は保育園の送迎が憂鬱だった。
数ヶ月前までは。

子供乗せ自転車で保育園に送り、出勤する生活が始まったのは5年ほど前。

一番最初は全身すっぽり隠れる、息子とお揃いのポンチョを着ていた。
しかしポンチョは風が吹けばめくれ上がり、フードをかぶっていても深すぎて前が見えなかったり横なぐりの雨が降れば顔はびしょ濡れだ。

上下セパレートの大袈裟なレインコートを試したこともある。
しかしポンチョ同様、この類のものは脱ぎ着がめんどうだし何より保育園に到着したら一度脱ぎ、子どもを預けてまた着るという流れが非常にまごついて嫌だった。
しかも濡れたものは乾かさなければならないのだ。会社で合羽を干せない人たちは一体どうしているのか。濡れたままビニール袋に入れて、帰宅してから干す?もし帰りも雨なら、その濡れた合羽をまた着なければならない。

あれやこれやと試行錯誤しているうちに数年が経ち、自転車の子供座席にかぶせるカバーが登場した。子供の顔の部分は透明になっていて、横からファスナーを開閉できるので乗せおろしも簡単そうだ。これは画期的だと思った。初めて保育園の駐輪場で目にした時は、そっと近づいて商品名を確認したほどだ。私も絶対これを買う!これであの雨の日の煩わしさから開放される!

私は狂喜乱舞した。

しかしここで問題が発生する。
私は国内ブランドの子供乗せ自転車の、あのごつくて過保護な椅子の出で立ちがどうにも苦手で、色々と調べて外国うまれのyeppという子供乗せ椅子に行き着き、自転車の前後に色違いで装着しているのだが、困ったことに雨よけカバーはyeppに対応していなかった。

私は落胆しつつも諦めなかった。
絶対に私にフィットする雨対策があるはずだ。
そもそも何が不快なのだろう。
どこが解消されれば快適な雨の自転車ライフを送れるのか。
突き詰めていくと私の気分が悪くなる要素は、顔が濡れること、合羽の管理がめんどうなことだった。

そうして私は出会ってしまったのだ。
傘を自転車に固定できるという、神様のような便利グッズに。
これを自転車のハンドル部分に設置し、前の座席に乗っている子供と自分に雨が当たらないよう傘を固定する。
後ろの座席の子供は合羽を着せるか、自分で傘をさしてもらえばいい。

自転車に傘。
完全に盲点だった。

しかし私の中ではダントツで楽チンかつ快適に雨の日の送迎ができる夢のようなスタイルなのだ。

このスタイルの気に入っているところは、自転車に乗る前、降りた後の歩いている時もそのまま傘をさせること。玄関から駐輪場までの道のりも、子どもも自分もほとんど濡れることなく到着できる。脱いだ合羽をどこに置こうか迷ったり、化粧したての顔が水びたしになることもない。

傘選びは重要だ。視界を遮らないビニール傘がよい。住宅街の狭い道ですれ違う時にぶつからず、かつ子供と自分が濡れない適度な大きさが理想的。そして、柄が短いタイプがあったらベストだ。通常のビニール傘だと柄が長すぎて子供と自分との間に距離ができるぶん濡れやすくなってしまうからだ。

こうして私は快適な雨の日の自転車ライフを送っている。なにしろ末っ子が卒園するまであと5年、送迎は続くのだ。急な雨の日もあわてず、ご機嫌で自転車に乗れることは私にとって大切だ。私がご機嫌なら子供もご機嫌で、子供がご機嫌ならきっと私は幸せだから。

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