被害者の多い1177。

1177というのは、スウェーデンの医療ガイドのことであり、体に問題が起きた時にどこの病院にかかればいいかを教えてくれたり、ウェブサイトでは治療のことや病気の情報が書かれています。また、1177にログインすると自分のカルテの情報や検査結果・受診情報や薬の情報もみることができたり、病院の予約・キャンセルもできるためスウェーデンに住む人なら絶対にお世話になるサイト・番号です。
基本的にかかりつけ医や病院に全く電話がつながらないか、1時間以上電話を待つのが当たり前のスウェーデンでは、すぐに質問できる1177のような番号が必要なのです。
自分の情報を見るためにはとても役に立っているのですが、
私は1177に今まで5回電話してきちんと対応してもらったのは2回、義妹・義母も使用してえらい目に合っています。
医療機関を無駄に利用する人を減らし、医療従事者の負担を減らすのが目的の番号なのかもしれませんが、誤診などが問題になり人が亡くなったケースもあるようです。
初めて1177を利用したのは移住した年、ダンスのコース中に足を負傷し歩けなくなった時です。早朝、痛みで目が覚め、『あ、やばい』と思い、しかし足の負傷くらいでは気軽に診察してもらえないスウェーデン。試しに1177に電話してみると、看護師さんが出て『足が曲がるようなら骨折ではないと思うけれど、歩けなくて自発痛があるようなら救急にかかったほうがいいかも』とのこと。すぐに救急に行き、その時はたまたますぐに見てもらえその後良くなりました。
次は夫が虫垂炎で倒れた時です。私も虫垂炎の経験があるのですが、夫は痛みのため脂汗をかいて気を失い、私はパニックに。でも、息はしているし意識は戻ったので112(救急車を呼ぶための番号)にはかけたくない。そこで1177に電話し指示を仰ぐことにしました。
最初にかけた時、看護師は『意識あるなら痛み止め飲んで経過観察で。』とほぼガチャ切り。え。。。この感じは通常の腹痛ではなさそうだけど経過観察でいいの・・・と不安に。痛みの波があるみたいで、夫は起き上がれないし動けず。義父に連絡し救急に送ってもらおうと思ったのですが夫は歩くことができませんでした。そこでまた焦った私は再び1177に連絡。その時は、命にかかわることではないしおそらく虫垂炎だと思うけれど、歩けないのであれば救急車を送ります。救急でないので1時間くらいかかってしまうかもしれないけれど、待てますか?と聞かれ、寝ていれば痛みが少しは楽になっていた夫は救急車を待つことにしました。同じ番号なのに、この対応の違いに驚きました。
そして昨日。大晦日。かかりつけ医にかけるも電話の時間が11時から12時までで繋がらず、仕方がないので1177に電話しました。すると、大晦日に空いているVC(所謂プライマリーケアを提供する診療所)に行けと言われました。そこに電話すると、案の定1時間半待ち。やっと話せたと思ったら『あーその場合は救急にかかってください、カロリンスカの。あ、ダメだ、Sös(南病院)で。』とガチャ切り。
Sösは救急で夫が16時間待たされたので、カロリンスカに行きたい、でもなんでダメって言ったの・・・。もうどこにも聞けない、と思い再び1177に電話しカロリンスカの救急は空いているのか確認しようとしました。(ネットにも情報がなかったので・・・)
すると、『先ほどの看護師とは違う判断をします。××という診療所に行ってください。』と。試しに××にかけると診療所は閉まっているとのこと。私はいろんな情報に頭が混乱しどうすればいいのかわからなくなりました。
結局義理父が『Sösに行こう!』と車を出してくれ、Sösの救急に行くことになりました。
患者を診てもいないのに看護師が判断するのは難しいことだと思うのですが、人によって提供される情報や対応が全く違うのです。

義妹の話。
左胸にしこりを発見(しかも2年前からあったらしい)、痛みが出てきたために1177に電話したそうです。
すると、『かかりつけ医に行って、紹介状書いてもらってください』と言われたそうです。かかりつけ医の予約が取れるのはだいたい1か月後、紹介状で受診・・・なんてやっていたら余裕で数か月かかります。
そのため義妹は街の胸専門の医院に電話してみると、『なんで2年もほっといたの!すぐに来てください』と言われ数日以内に呼ばれ、即検査してもらったそうです。幸い悪性のものではなかったようです。

義母の話。
鼻血が数時間止まらず、1177に電話。
その看護師さんはそもそもスウェーデン語が微妙で意思の疎通ができなかった、とのことです。

義父が心筋梗塞で危険な状態になったとき、義母は112に電話し、速攻で救急車が来て、すぐに手術が行われ、今は元気に過ごしています。医師も、看護師もみんなとても良くしてくれ、説明もきちんとしていて義父はとても満足していました。
夫も16時間待った後は、速攻でオペが行われ、次の日に帰ってきました。
私も、女医さんがてきぱき検査と説明をしてくれ、とても満足しました。
内部で働いている医療従事者の質や医療自体の質は高いのだと思います。しかしそこにたどり着くまでの道のりが厳しすぎるのと、システムや医療行為を行わない医療従事者の態度や能力にバラツキがありすぎます。
うちのクリニックでも、受付がよく問題になっていて、患者さんから苦情を受けます・・・(受付だけで働く、臨床を知らない人たちがどの医療機関かにかかわらず、やばい印象です。)

今年は医療機関にあまりかかりたくないです・・・








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