i3 megaのヒューズ外付け化の改造
1.はじめに
Anycubic i3 megaを使用中、突然ディスプレイの表示が消え動作が停止するという状況が発生しました。電源を入れなおしても再起動する様子もありません。原因を調査したところ、マザーボードに取り付けられているヒューズが飛び電源との接続が切れていた事が判明しました。
マザーボードそのものの交換も考えたのですが、今回はヒューズを外付け化する事で対応します。次回以降裏蓋をあけて確認する手間が省ける為、結果的に使い勝手の向上が図れます。
なお、作業前の注意点としては必ずヒューズが切れている事を確認する必要があります。
2.事前調査※必須
この作業を行う前に、必ず下記の点に注意する必要があります。
2.1.電源に異常は無いか
本体の電源スイッチを入れて電源ファンが正常に回るかどうか確認します。また、煙が上がるなど、電源そのものに異常がないかも確認します。
2.2.マザーボードのヒューズが切れているか
マザーボードには基板実装型のヒューズが取り付いています。
この写真の赤四角で囲われた四角い部品です。見た目ではヒューズが切れているかわからないのでテスターを使います。テスターを導通チェックのモードにするか、抵抗値を測定するモードにして両脇の金色の部分にリード棒を当てます。もし導通が取れていなかったり、抵抗値が測定できなければヒューズが切れているという事になります。
はじめに、でも書きましたが今回の改造をするにあたり電源に異常が無い事、ヒューズが切れている事を必ず確認しましょう。
3.ヒューズの外付け化
いよいよヒューズ外付け化の改造です。使用する道具が多めなので次項にまとめました。
3.1.必要なもの
外付け化にあたり、以下の部品を用意します。
・15A用平型ヒューズ
・フラットプラグ(メス)(250型)
・フラットプラグ用絶縁スリーブ
・電線(AWG18)1m程度
・M3x20以上のボルト及びナット
・はんだ付け道具一式
・圧着工具(AWG18を圧着可能なもの)
・ヒューズケース
最後のヒューズケースのみ3Dプリンターで出力します。
自分の場合はPrusa i3 mk3sがありましたのでそちらを使いました。とりあえず復旧させるにあたり不要な部品ですので、改造終了後にi3 megaで出力しても問題ありません。
3.2.改造手順
作業の手順をまとめると以下になります。
1.基板実装ヒューズの両端にAWG18電線をはんだ付け
↓
2.電線とフラットプラグ接続
↓
3.平型ヒューズ取付
感想として、この改造の中で難しかったのは電線のはんだ付けでした。
それ以外の作業は容易なので、焦らずに取り掛かりましょう。作業時間は2~3時間程度で終わります。
まずは裏蓋とマザーボードファンを外します。
ヒューズは隅のやや奥まったところにある為、はんだこてが入りずらいです。やりにくければファンケーブルを外してマザーボード自体を筐体から取りましょう。
更に、ヒューズ自体とても小さくはんだ付けする箇所はさらに小さい為、電線と共に予備はんだをしておきます。あとはヒューズと電線それぞれの予備はんだをこてで溶かし結合させます。
↑電線に予備はんだをしたところ
この時、こての先端がヒューズ以外の部分に当たらないように注意してください。自分の場合は、写真にあるようにすぐ側にある緑のプラスチック部分にこてをあててしまい少し溶けてしまいました。
ちなみに基板実装ヒューズ自体は秋月電子やミスミ等で安く手に入る為、作業に不安がある場合は事前に練習しておく事も一つの手です。
はんだ付けの方法については下記サイトのように解説しているところもあります。
はんだ付けが終わったら筐体側面の穴に電線を通して外部に配線します。それからフラットプラグを取り付け平型ヒューズを差し込みます。
最後にヒューズケースに収めてM3ボルトナットで筐体に固定させれば改造完了です。電源を入れて再起動する事を確認しましょう。次回以降ヒューズの交換は平型ヒューズを入れ替えるのみになります。
4.所感
慣れている方はともかく、細かい部分へのはんだ付けがありますのでまずは焦らない事を念頭に置きましょう。
また、ヒューズ外付け化で交換も容易になるのですがだからと言って無理やりヒューズを切ったり外したりする事はさすがに控えた方が良いです。
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