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複数台の3Dプリンター同時稼働に向けた消費電力の検証

1.はじめに

 3Dプリンターの消費電力がどれほどなのか。買ってしばらくはもしかしたらPCよりも(例えば300W以上)電気を食っているのではないか、という懸念事項もあり複数台の3Dプリンターを所持していても同時に動かす事を躊躇していました。その為、今回は消費電力チェッカーを用いて3Dプリンターの消費電力そして電気代について検証します。
 結果のみ先に書くと、平均値も最大のみ見てもPCを下回り複数台同時稼働させる事によるリスクは少ないというものでした。次項より検証方法等を記載していきます。


2.検証対象機器及び検証方法

2-1.対象機器
Anycubic i3 mega(使用フィラメントABS)
Prusa i3 mk3s(使用フィラメントPLA)

2-2.検証方法
ELPA EC-05EBを使用して約1時間30分の印刷を行う。

 ただし、この機種は計測した最大消費電力について履歴を残せない仕様です。印刷中目視で集計する事は不可能だった為、確認可能な範囲での消費電力推移と、大きく数値が変わったタイミングのみ記載しました。また、累計から一時間あたりの消費電力を計算しました。


3.検証結果

Anycubic i3 mega(使用フィラメントABS)

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最大消費電力:約260w(印刷開始前、ノズル及びヒートベッド加熱時)
消費電力推移:60W~110W
1時間あたりの消費電力:約0.13kWh


Prusa i3 mk3s(使用フィラメントPLA)

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最大消費電力:約250w(印刷開始前、ノズル及びヒートベッド加熱時)
消費電力推移:50W~110W
1時間あたりの消費電力:約0.1kWh


4.所感 

 どちらの3Dプリンターも最も電気を使うタイミングは印刷開始前という結果でした。印刷中はかなり振り幅はあるものの、最大でも100Wを超えるか超えないか程度です。1時間あたりの消費電力自体はでましたので、あとはこれをもとに下記のようなサイトで電気代を試算可能です。一例を挙げると、一日8時間の印刷を30日続けた場合、電気代は約648円でした。

  もちろん造形物や使用フィラメント、印刷時間といった稼働環境によって変動は起こると考えられます。しかしながら当初の想定よりも消費電力は低く複数台同時に動かしても問題は無いと考えて良さそうです。強いて言うならば、片方が印刷を始めてからもう片方は加熱を開始するなど印刷開始のタイミングはずらしても良いかも知れません。

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