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『METAL GEAR SOLID 3 : SNAKE EATER』シナリオ

このnoteは単に、「METAL GEAR SOLID 3 - ストーリーを教えてもらうスレ暫定Wiki - atwiki(アットウィキ)」内に掲載されている文章を、僕なりに読みやすいように添削し、それを掲載しているだけのものです。つまり、ただの自己満足です。
既に投稿した、『MGS1』『MGS2』のシナリオを記述した2つの記事と比べると、元の文章に加えた加筆・修正の度合いが高く、参照元より正確かつ詳細な内容になっているはずです。




①ヴァーチャスミッション

1964年8月、CIAの特殊部隊「FOX」の隊員、ジャックに指令が下る。
任務の内容は、ソコロフという科学者をアメリカに連れ帰ること。
ソコロフは、ソ連から新型核兵器の開発を強制されるもこれを拒み、アメリカに亡命した。
しかし、ソ連からの政治的圧力により、ソ連に連れ戻されてしまう。
ソコロフが戻ったことにより、ソ連は新型核兵器の開発を再開。
そこでアメリカは、ソコロフを連れ戻し、開発計画を中止させるため、ジャックをソ連に送り込むことにした。
ソコロフの失踪がアメリカの仕業だと悟られないようにするため、潜入の痕跡は何一つ残してはいけない。
ジャックは世界初のHALO降下により、その身一つでソ連に潜入し、武器、食糧などは現地調達になる。
またこの任務は、極秘部隊であるFOXの、初の任務であった。
ジャックはガンシップから、ソコロフの研究所のあるジャングルに降り立った。

ジャックは無線で、司令官であるトム少佐から、行き先について指示を受ける。
医療スタッフとして、パラメディックという女性医師も無線サポートに入る。
また、第二次世界大戦での活躍により「伝説の英雄」とも称される、ジャックの師匠である女兵士、ザ・ボスも無線サポートに入ってくれるのだという。
無線越しではあるものの、ザ・ボスとの久しぶりの会話に喜ぶジャック。
ザ・ボスは語る。
今日の友は明日の敵になることもある。全て時代で変わるのだ。信じるのは任務だけだ。」

ソ連兵の厳重な警備をかいくぐり、ソコロフが監禁されている部屋に侵入したジャック。
ジャックが、自らを助けに来たCIAの人間だと分かると、ソコロフは腰を下ろして、自らを取り巻く環境を話し出した。
ソ連の最高指導者フルシチョフの要請で、ソコロフは新型核兵器「シャゴホッド」の開発を進めてきた。
しかし、フルシチョフに対抗しているブレジネフが、GRUという軍隊を使い、ソコロフを拉致し、完成間近のシャゴホッドを手に入れようとしている。
フルシチョフを政権から引きずり下ろし、世界大戦を引き起こす気なのだ。フルシチョフは、GRUからソコロフを守るために、シャゴホッドの設計図と共にソコロフを監禁。
ソコロフは監禁小屋でその設計図を燃やした。これで、ソコロフ以外の人間がシャゴホッドを製造することはできなくなった。
ソコロフ「妻子の待つアメリカに帰りたい。早く私をここから助け出してくれ。」
監禁小屋を出て、辺りの様子を伺うジャックとソコロフの2人。

そこに、GRU・スペツナズの山猫部隊隊長オセロットが、ソコロフを拉致すべく、奇襲をかけてきた。
迎え撃ったフルシチョフ正規軍の部隊は、オセロットの射撃によりあっという間に全滅してしまう。
ジャックとソコロフは山猫部隊に包囲されてしまった。
ジャックは山猫部隊隊員を一掃し、オセロットと対決。
ジャックは、実戦経験の少ないオセロットの欠点を見破り、銃をたやすく奪い、オセロットを倒した。
ジャック「お前はリボルバー向きだ。しかし早撃ちはいいセンスだった。」
「いい…センス…?」オセロットは失神する。

回収地点に向かうため、ジャックとソコロフは橋を渡ろうとしたが、向こう側からザ・ボスが、両手に荷物を抱え歩いてきた。
ジャック「ボス!何故ここに?」
ザ・ボス「…私はソ連へ亡命する。」
ザ・ボスの抱える荷物は、小型核砲弾2発。亡命の手土産だという。耳を疑うジャック。
2人の頭上を、シャゴホッドを吊り上げ運ぶヘリコプターが通った。
GRUは、シャゴホッドをソコロフの研究所から強奪したのだ。

GRUの大佐ヴォルギンが登場。ザ・ボスから小型核砲弾を受け取った。
ヴォルギンはジャックに言う。「ザ・ボスは我らコブラ部隊に戻ってきたのだよ。世界を制圧するためにな!」
コブラ部隊は、第二次世界大戦中、連合国の優秀な兵士を集め組織された隠密特殊部隊。
ザ・ボスはコブラ部隊のリーダーであり、その隊員は「ボスの息子達」と呼ばれた。
ヴォルギンは、GRU内部においてコブラ部隊を再結成。戦争を仕掛けるつもりだ。
ジャックを殺そうとするヴォルギンを、ザ・ボスが止めた。
ザ・ボス「この男は私の弟子だ。私の手で殺す。」ジャックはザ・ボスに掴みかかっていった。
しかし、あっけなくジャックは銃を奪われ、腕をへし折られ、谷底に落とされてしまう。

激流に流され、何とか河岸に這い上がったものの、重体で意識朦朧としているジャック。
トム少佐へと無線が通じた。ジャックの元にすぐに助けがやって来るという。
その頃、ソコロフの拉致に成功し、ヘリに乗っていたヴォルギンは、ザ・ボスからの手土産である小型核砲弾を、ソコロフの研究所に向け発射しようとしていた。
「自国に向けて核を撃つ気ですか!?やめてください!」制止するオセロットを振り切り、ヴォルギンは核砲弾を発射。辺りは閃光に包まれ、爆心地からきのこ雲が上った。


②スネークイーター作戦

自国の政府施設に撃ち込まれたアメリカ製核砲弾(ヴォルギンの発射したもの)について、ソ連はアメリカに説明を求めてきた。
アメリカ大統領ジョンソンはその件に関し、亡命兵士の独断であり、アメリカ政府は関与していないと主張した。
しかし、アメリカのものであるガンシップ(ジャックを救出しにいった)を、事件当日、ソ連のレーダーが捉えていたことから、アメリカ側は白を切り通すことができなかった。
ソ連のフルシチョフは言う。「ザ・ボス率いるコブラ部隊をアメリカの手で抹殺し、潔白を証明していただきたい。でなければ報復行為がアメリカに届くだろう。」アメリカは条件を承諾し、CIAにザ・ボスの暗殺を指令した。
ソコロフの奪還、シャゴホッドの開発状況の調査並びに破壊
も、任務に加えられる。
それは、ザ・ボスの最後の愛弟子にあたるジャックにしか遂行できない任務であり、また、ヴァーチャスミッション失敗の挽回のチャンスでもあった。任務の失敗は、全面核戦争への突入を意味する。

ジャックは集中治療室を出て、ヴァーチャスミッションと同じソ連のジャングルに降り立つことになった。今作戦の主な任務は3つ。
ソコロフの奪還
新型核兵器シャゴホッドの破壊
ザ・ボスの暗殺
今作戦におけるコードネームは、ジャック改め「スネーク」となった。
ヴァーチャスミッションに引き続き、パラメディックが医療スタッフとして、今作戦からの新しい技術スタッフとして、ミスターシギントという男が無線サポートに入ることになった。
ザ・ボス並びにコブラ部隊抹殺に関しては、ソ連側の要請であるため、ソ連のスパイ組織であるKGBが協力してくれるのだという。
トム改めゼロ少佐からの伝達によれば、協力者であるKGBのスパイは、ソ連に亡命した元アメリカ人なのだという。
スパイはNSA暗号解読員をしていたことのある2人で、コードネームは「ADAM」と「EVA」。
その内ADAMは、ヴォルギンの元へと潜入しており、彼が武器と情報を持って、ヴォルギンの手により焼け落ちた森にやって来るのだという。
スネークは森の奥深くへと進んでいく。その頭には、ザ・ボスのものであったバンダナが巻かれている。

道中、スネークは待ち伏せをしていたザ・ボスと対面する。
スネーク「何故亡命を?」
ボス「亡命ではない。自分に忠を尽くした。」
ザ・ボスはスネークから銃を奪い、そして投げ飛ばした。反撃することのできないスネーク。
「帰れ。お前に私は殺せない。」ザ・ボスは馬に乗り、その場から去っていった。

ADAMとの待ち合わせ場所である廃墟に辿り着いたスネーク。そこに爆音が響き渡り、バイクに乗ったブロンドの美女が現れた。
ADAMは来られなくなった。私はEVAよ。よろしく。」EVAは着用しているバイクスーツのジッパーを下ろし、胸を露出させながら、スネークに近付いてきた。
EVAは、ソコロフが囚われているというGRUの研究所の居場所を伝え、武器と、研究所での偽装効果を高める白衣(研究所内の科学者が着ているのと同じもの)をスネークに渡した。

ヴァーチャスミッションでの負傷が完治していないスネークは、廃墟で仮眠を取る。
1時間後、オセロット率いる山猫部隊が廃墟を襲撃してきた。
オセロットは、スネークのアドバイス通りに、所持する銃をリボルバーに変え、自信満々の様子。
スネークとオセロットは再び対峙する。しかし、使い慣れない銃を使っていることが仇になり、残弾数を把握できていなかったオセロットは、肝心な場面で弾切れを起こしてしまう。またもやスネークに駄目出しされるオセロット。その場を去る。
研究所へと向かう道中、ボルシャヤ・パストのクレバスで、スネークはオセロットと対決することになるが、コブラ部隊の隊員ザ・ペインの飼うハチの襲撃により、勝負はお預けに。
ハチの襲撃により谷底へ落ち、チョルナヤ・ピシェラという洞窟に迷い込んでしまうスネークだったが、そこでザ・ペインを撃破。洞窟からの脱出に成功する。

ソコロフが囚われているグラー二二・ゴルキー研究所へと潜入したスネーク。
ソコロフがいるという部屋に入ったが、そこにソコロフの姿はなかった。部屋には、泥酔状態の研究所所長グラーニンがいた。ソコロフは、シャゴホッドの保管されている大要塞グロズニィグラードに連行されてしまったのだという。
優秀な科学者であったグラーニンは、ソコロフの開発したシャゴホッドのせいで、用なしになってしまった自らの現状を嘆く。「賢者の遺産」と呼ばれる莫大な資金から捻出される研究開発費用は、グラーニンではなくソコロフの手に渡ってしまったのだという。
そしてグラーニンは、自らが発明した新型核兵器「メタルギア」の優れた性能を、延々とスネークに語る。
大地をマッハの速さで駆け抜け、その勢いで核を発射するというシャゴホッドよりも、二足歩行で、どこからでも核を発射することのできるメタルギアの方が素晴らしいのだという。
シャゴホッドを破壊し、ソコロフを奪還するというスネークの任務に、グラーニンは協力してくれるのだという。
ソコロフのいるグロズニィグラードへのルートを教え、そのルートへと続く扉の鍵をスネークに渡すグラーニン。
グロズニィグラードに保管されたシャゴホッドは、あと2度調整を済ませれば稼働可能になるのだという。

EVAと無線で連絡を取り合い、グロズニィグラードに潜入するための鍵を貰うため、EVAとの合流地点である、クラスノゴリエの山頂へと向かうスネーク。道中、コブラ部隊のザ・フィアーとの対決に臨むことになるも、これを撃破。ソクロヴィエノという森では、コブラ部隊の老兵士ジ・エンドとの耐久戦に臨むことになるが、これも制する。
クラスノゴリエ山頂の小屋で、EVAと合流するスネーク。着替えをしていたEVAの背中が傷だらけであることに気付いたスネークは、その理由を問うと、ヴォルギンに散々弄ばれたのだとEVAは答えた。EVAは下着姿のまま、スネークに歩み寄った。
EVA「スネーク、人を好きになったこと、ある?」(※)
スネーク「他人の人生に興味を持ったことはない。」(※)
EVA「ザ・ボスは?恋人だったの?彼女のことは好きなの?嫌いなの?」
執拗に、スネークとザ・ボスの関係について聞くEVA。
スネーク「それ以上の存在だ。俺の半分はザ・ボスのものだ。10年、生死を共にした。とても言葉では言えない。
EVA「そんなザ・ボスを、殺せるの?
黙るスネーク。

(※)『MGS1』での、サイコ・マンティス戦後のスネークとメリルの会話と同じやり取りですね。

山頂から見えるグロズニィグラードを指差し、その構造を説明するEVA。双眼鏡で観察するスネーク。
その後、EVAはバイクを飛ばし、グロズニィグラードへと続く崖を、一気に駆け下りていった(スパイであるEVAは、GRU側に長時間戻らないことがあると怪しまれてしまう)。
グロズニィグラードへ潜入するため、スネークも山を駆け下り、その地下壕へ入った。地下壕でスネークは、コブラ部隊のザ・フューリーを撃破した。これでスネークは、コブラ部隊からの刺客を全員撃破したことになる。

ザ・ボスを除くコブラ部隊が一掃され、仲間を失った悲しみで怒り狂ったヴォルギンは、GRU内部にいるスパイの存在を疑い始めた。手始めにヴォルギンはグラーニンを殺害する。グラーニンの履いている革靴のかかとには、発信機が仕込まれていた。
暴走を始めたヴォルギンにオセロットは、「やりすぎだ!」と言い楯突くも、ヴォルギンは止まらない。

グロズニィグラードへの潜入に成功したスネーク。ソコロフのいる部屋に侵入するため、GRUのライコフ少佐から服を奪い、ライコフに変装する。ソコロフのいる部屋には、普段ヴォルギンかライコフしか入室することができないのだという。
スネークはソコロフのいる部屋の前で、ソコロフの愛人であるタチアナに扮装したEVAが、シャゴホッドのデータをソコロフから受け取る場面を目撃する。
EVAはソコロフを脅しデータを受け取っていた。ソコロフの様子からして、2人は愛人関係にはなさそうだ。
EVAが出ていったのを見て、ソコロフと接触するスネーク。
ソコロフはタチアナに関して、「彼女はタチアナ、通称ターニャ。ヴォルギンの愛人だろう?私はそれ以外何も知らない。」と言う。
さらにソコロフは、シャゴホッドが既に最終調整を済ませてしまったこともスネークに伝える。
疲れ果てた様子のソコロフ。ロケットを作るために科学者になったのが、核兵器の開発を強要され、政治の道具にされ、家族とは離れ離れになった。
アメリカに戻っても兵器開発を強要されるようなら、シベリア送りになった方がいい、とまで言い出す。
ソコロフとスネークのいる部屋にヴォルギンがやって来た。そこで、変装を見破られたスネークは捕えられてしまう。

ソコロフは、シャゴホッドのデータを渡したことにより、ヴォルギンに殺されてしまった。
手首を縛られ吊るされ、拷問を受けることになったスネーク。
部屋の隅で泣き崩れ、悲鳴をあげるタチアナ(EVA)。その場にはオセロットもいた。
ヴォルギン「言え!アメリカは本当は『賢者の遺産』を狙っているんだろう!」
ヴォルギンは、「賢者の遺産」こそがスネーク(アメリカ)の目的だと思っているらしい。

「無駄だ。そいつは口を割らない。私がそう教え込んだ。」拷問部屋に入ってきたザ・ボスが言う。
苛立つヴォルギンは、スネークの目をえぐるようザ・ボスに命じた。
戸惑うザ・ボスだったが、ヴォルギンに強く言われ、仕方なくナイフを取り出す。
スネークに近付くザ・ボス。スネークの目にナイフが突き付けられる。
「やめて!」、EVAはザ・ボスの手からナイフを叩き落とす。オセロットはEVAに銃を向けた。
そこでスネークは、体を揺らしオセロットに体当たりをする。
バランスを崩したオセロットの手から放たれた銃弾は、スネークの右眼球をえぐった。スネークは右目を失明してしまう。

拷問が終わり、収容所に収監されたスネーク。装備のほとんどが没収され、満身創痍の状態だ。しかし、無線機は手元に残されていた。
スネークを収監する牢屋の扉は、特定の周波数を受信することによって開くものだった。解錠に成功したスネークは脱走。無線からのEVAの指示で、グロズニィグラード内のマンホールから下水道へ下りる。
没収された装備品はEVAが持っており、下水道でEVAと合流し、装備品を受け取る手筈だ。
しかし、山猫部隊を率いたオセロットに追い詰められてしまったスネーク。崖際に追い詰められるが、決死のダイブを敢行し、脱走に成功。

激流に流されたスネークは、流れの緩やかな下流まで流される。
そこでスネークは、コブラ部隊の隊員であるという、ザ・ソローと対峙することになる。
まるで悪夢の中にいるような風景に辺りが覆われ、ザ・ソローは亡霊のように水面を漂っている。
そして、スネークが今回の作戦で殺害してきた兵士達が、恨み言を放ちながらスネークに襲い掛かってくる。
為す術がないスネークは力尽きてしまう。

スネークは、歯に仕込んでいた蘇生薬を噛み砕き、意識を取り戻す。
どうやら今までずっと、意識不明になっていたようだ。
無線でのゼロ少佐との会話。スネークは、「コブラ部隊にザ・ソローという男はいるか?」と質問する。
ザ・ソローは、2年前に死んだ実在した兵士なのだという。
かつて、互いに戦友であったザ・ボスとザ・ソローは愛人関係にあった。しかし冷戦が、2人の間の関係を敵対関係にしてしまった。
2年前、ザ・ソローの暗殺指令がザ・ボスに下った。そしてザ・ボスは、愛する男をその手で殺したのだという。

EVAと無線が通じた。上流の滝の裏にある洞窟で合流することになった。
バイクをぶっ飛ばし洞窟にやってくるEVA。
スネークとEVAは、洞窟内で火を焚き、暖を取る。スネークは失明した右目に眼帯を付け、EVAから装備品を受け取り、体力を回復させた。そうして再度、グロズニィグラードへと潜入することに。
EVAによると、洞窟奥の地下道から、グロズニィグラードへと潜入することができるのだという。

ソコロフの死亡により、スネークの達成するべき任務は2つになった。シャゴホッドの破壊と、ザ・ボスの暗殺である。
EVAはシャゴホッドの破壊に用いるため、グロズニィグラードから、最先端の爆薬、C3爆薬を盗んできていた。
これを、シャゴホッドのある格納庫内の、液体燃料の入ったタンク4箇所にセットし、爆発させることができたら、格納庫ごとシャゴホッドを破壊することができ、また、まだ一機しか製造されていないシャゴホッドの量産を阻止できるはず。
そうしてシャゴホッドの破壊を済ませた後、EVAと合流。EVAが周辺の湖に隠した、表面効果機WIGで、EVAと共にソ連を脱出するという手筈だ。
GRUに戻ろうとするEVAを心配するスネーク。
EVAは、「まだやることがあるの。大丈夫よ、ヴォルギンは全然私を疑ってないもの。」と、自信満々に言った。

スネークはパラメディックから、これからの時代は、子供を残さずとも科学の力で遺伝子情報を残すことができるのだと説明を受ける。
彼女は熱心に語る。「あなたのような能力の高い戦士の遺伝子は後世に残すべきよ。」(※)

(※)この話が、『MGS1』においてリキッドの話していた、1970年代のアメリカ政府における「恐るべき子供達」計画に繋がるわけですね。

スネークはグロズニィグラードへ再度潜入。
シャゴホッド格納庫の液体燃料タンク4箇所にC3を設置し終え、時限装置を作動させる。
そこに、ヴォルギンとオセロットが登場。スネークの潜入が明らかになってしまう。
その場にはEVAも連れて来られていた。地下金庫から「賢者の遺産」を盗もうとしていたところを見つかってしまったのだ。
ヴォルギンは、「KGBのスパイめ!」と激昂し、EVAを蹴り上げる。
「『賢者の遺産』とは何だ?」スネークはヴォルギンに質問する。
ヴォルギンは、「賢者の遺産」についての説明を始めた。

第一次世界大戦終結後、アメリカ、中華民国、ソ連(三大国)の有力者が、秘密裏に結託した。そうして、「賢者達」の前身組織である「賢人会議」が結成された。
12人の有力者から組織された「賢者達」は、それぞれ莫大な資産を出し合い、第二次世界大戦において、様々な軍事技術の開発に携わった。
しかし、1930年代末、創設メンバーの最後の一人(ザ・ボスの父親)が死亡した途端、組織は形骸化してしまい、各国の「賢者達」の残留員は、それぞれの私利私欲を満たすために暴走を始めてしまう。
そして、三大国の対立は、第二次世界大戦終結後、決定的なものとなり、冷戦へと繋がっていく。
対立のきっかけは、第二次世界大戦中「賢者達」が捻出した秘密資金である、「賢者の遺産」であった。
ヴォルギンの父親は、「賢者達」のマネーロンダリングを担当していたのだが、密かにその資金を裏に回し、「賢者の遺産」を私有化していた。
「賢者の遺産」の総額1000億ドル。その莫大な遺産は、世界各国の銀行に分散され、その記録はマイクロフィルムに保存されている。
ヴォルギンは、父親から「賢者の遺産」を相続されたことにより、マイクロフィルムを入手。「賢者の遺産」を用いて、世界統一を計画する。
そして、ザ・ボスを呼び寄せ、コブラ部隊を再結成。フルシチョフ側からシャゴホッドを強奪することにより、その準備を進めてきた。

格納庫にザ・ボスがやって来る。ヴォルギンは、「これを安全な場所に移してくれ。」と、ザ・ボスにマイクロフィルムを手渡す。
ザ・ボスは、「この女は私が始末する。」と言うと、EVAを連れてどこかへ行く。

オセロットは、スネークとの一騎打ちを望むが、「この男は俺が殺す。」とヴォルギンに軽くあしらわれ、2人は口論になる。
睨み合いの末、渋々オセロットは引き下がった。ヴォルギンとスネークの闘いが始まる。
手出しは無用だと言い放ったヴォルギンだったが、劣勢になるとオセロットに援護を頼んだ。
しかし、オセロットは要請に応じなかった。それどころかスネークを支援した。

スネークの仕掛けたC3がGRUに発見された。C3は間もなく爆発する。
爆発寸前でヴォルギンを倒すことができ、格納庫から逃げ出すスネーク。

そんなスネークの前に、バイクに乗ったEVAが現れる。
C3が爆発。格納庫は火の海に包まれた。
スネーク「何故ここに?」
EVA「ザ・ボスが逃がしてくれたの。伝言を預かってるわ。彼女は湖のそばであなたを待ってる。
炎に包まれた格納庫からシャゴホッドが現れた。破壊は失敗してしまった。その操縦者はヴォルギンだ。
バイクで逃走するスネークとEVAを追うヴォルギン。
EVAとの連携で、シャゴホッドの破壊に成功したスネーク。ヴォルギンは自爆した。

スネークの任務はあと一つ、ザ・ボスの暗殺だ。
紆余曲折を経て、スネークとEVAはロコヴォイ・ピエレッグまで辿り着く。
スネークは一人で、ザ・ボスのいる花畑に出向く。

ザ・ボスとの対決の時。
花畑の中央にいるザ・ボスは言う。「待ってたわジャック。あなたの誕生、成長、そして今日の決着を!」

ザ・ボスの人生、それは国に忠を尽くしてきた女の悲しい歴史だった。
ザ・ボスは、「賢者達」の前身組織「賢人会議」の創設メンバーの娘として生まれた。父親は何者かに殺された。
そうして、創設メンバーのいなくなった「賢者達」は、戦争のための組織に変わり果て、内部分裂を起こす。

1944年、第二次世界大戦の戦場で、ザ・ボスは男児を産む。父親はザ・ソロ―。しかし、男児は「賢者達」に取り上げられてしまった。
原爆実験により被爆したザ・ボスはその後、宇宙線による被爆のリスクのある、アメリカ政府による宇宙ロケット発射の実験台に抜擢された。既に被爆者であったためである。その実験でザ・ボスは、宇宙空間から地球を目にする。
時代は変わり、冷戦へ突入。かつて家族であった戦友が、今度は敵になってしまった。
そしてザ・ボスは、かつて愛した男であるザ・ソローを殺害。「どちらかが死に、どちらかが生き残る」、それが任務だった。
かつて宇宙から見た地球には、国境も敵もなく、世界は一つだった。しかし、「賢者達」は戦争を起こし、敵を作り出してしまう。
ザ・ボスの願いは、「賢者達」を再び統一し、世界を一つに戻すこと。
「こんなに自分のことを話したのは初めて…嬉しい。ありがとう、黙って聞いてくれて…。」ザ・ボスは涙を流した。

舞い散る花吹雪の中、壮絶な師弟対決は、スネークの勝利に終わった。
ザ・ボス「私がお前を愛し、育てた。武器を与え、技術を教え、知恵を授けた。もう私から与えるものは何もない…。生き残った者が跡を継ぐ。私の命を奪え。ボスは二人もいらない。蛇は一人でいい…。」
ザ・ボスは、マイクロフィルムをスネークに手渡し、目を閉じた。
横たわるザ・ボスを、スネークは殺害した。

任務を終え、ソ連を脱出するため、WIGに乗るスネークとEVA。
そこにオセロットが強引に乗り込んできて、スネークに拳銃での一騎打ちを申し出る。
スネークは勝負に勝った。しかし、空砲であったため、オセロットが撃たれることはなかった。
オセロットは「また会おう。」と言うと、満足げな笑みを浮かべながら、機体から飛び降りた。
オセロットの襲来により機体を損傷してしまったWIG。スネークとEVAは力を合わせ、重いハンドルを引く。機体は何とか持ち上がり、空へ飛び立った。
2人はアラスカまで無事逃げ延びる。

2人以外誰もいないアラスカの基地。ワインで乾杯するスネークとEVA。EVAと共にアメリカへ戻りたいと言うスネークだったが、EVAはそれを拒否した。
2人は夜を共にする。
朝目覚めると、EVAは姿を消していた。しかも、ザ・ボスから受け取ったマイクロフィルムが盗まれていた。
EVAが残していったテープレコーダーには、EVAからのメッセージが入っていた。

「私は本当は中国のスパイなの。KGBにスパイとして潜り込んで、EVAになりすましたのよ。ソ連に亡命したADAMとEVAは二人とも男。
本当のADAMは約束の場所に現れなかった。私が彼を始末する必要はなかったわ。
私の任務は、『賢者の遺産』とシャゴホッドのデータの奪取。これで中国も核を手にすることができる。
本当はあなたのことも殺さなくてはいけなかった。でもそれはできなかった…。あなたと愛し合ったからじゃないわ。私は…ボスと約束をしたから…。
…中国に『賢者達』が作ったスパイ養成施設があるの。私はそこで育った。
大戦前ボスはそこで教官をしていた。だからボスは最初から私が何者かを知っていたのよ。
ボスが私を助けたのには理由があるわ。それはあなたに伝言を…真実を伝えるため…。

EVAは声を震わせながら、ザ・ボスから託された「真実」について語り始めた。

「いい?スネーク。彼女は裏切り者ではない。彼女は任務を遂行したのよ。ボスの任務はコブラ部隊に合流し、『賢者の遺産』を奪取すること。
ボスの亡命は、アメリカ政府が仕組んだ偽装亡命だったの。
しかし思いもよらない出来事が起きた。
ボスが持っていった小型核砲弾をヴォルギンが撃ち込んでしまって、アメリカはその始末をつけなくてはいけなくなった。
そして作戦は大きく加筆、修正された。」

スネークはアメリカ政府に、英雄として迎えられた。
大統領室にて、アメリカ大統領から表彰を受けたスネークは、ザ・ボスを超える英雄として、「ビッグボス」という称号を与えられた。
EVAの残したメッセージは続く。

「ボスに新たに課せられた任務は、スネーク、あなたに殺されること。
生還は許されなかった…自決も許されない。
あなたに…愛した弟子によって命を絶たれる。それが、彼女に課せられた責務。
彼女は汚名を着せたまま葬り去られる…。アメリカでは恥知らずの売国奴として、ソ連では核兵器を撃ち込んだ凶人として。
それが、ザ・ボスの最後の任務(ミッション)…!」

カメラを向けられる中、大統領から握手を求められるスネーク。スネークは握手に応じるが、その後すぐに大統領室を出ていった。

「あなたにだけは真実を伝えたかったのだと思う…!
自分の口で言うことは禁じられていた、だから私に真実を託した…。
全ては国のため、祖国のため、名誉も命も捧げた…。彼女こそが英雄よ。」

大統領室から出ていったスネークは、ザ・ボスの墓標の前に立ち、彼女の愛用した武器「パトリオット」と、花を墓前に捧げた。
涙を流しながら、スネークは墓標の前で敬礼する。

「これは歴史には残らない、あなたの心だけに残す、彼女の帰還報告(デブリーフィング)…。
彼女こそ、真の愛国者(パトリオット)…!

その後のスネーク達と三大国の動向
・1964年10月15日 フルシチョフ解任。ブレジネフが共産党第一書記に
・1964年10月16日 中国、タクラマカン砂漠で原爆実験に成功
・1968年 EVA、ハノイで消息不明
・1970年 ゼロ少佐、FOXを解散
・1970年 アメリカ、残りの遺産を入手。米国「賢者達」は「愛国者達」と改名
・1971年 ビッグボスはゼロ少佐の意思を継いで、FOXを元に「FOX HOUND」部隊を設立
・1972年 「恐るべき子供達」計画 ビッグボスの子供達、生まれる

ゲーム終了画面、オセロットが誰かと連絡を取っている声が聞こえる。
「…GRUの施設は跡形もなく消え去りました。…ええ、ボスの暗殺はCIAの手で、確かに。
…フルシチョフはこれで終わりです。この事実はアメリカの首根っこを押さえることにもなります。
…これからはあなた方の時代です、KGB局長。
電話を切ると、オセロットは再度誰かに電話をかけた。
「私です。ザ・ボスは見事に任務を全うしました。…『賢者の遺産』は無事我らアメリカの手に。
中国側には偽のフィルムを握らせました。…しかし、まだ残りの遺産がKGBに。
シャゴホッドはGRUの施設ごと、残りの核砲弾で灰に。…それも、ザ・ボスが。
それと、面白いものを手に入れました。…新型の核攻撃システムです。いずれ役に立つかと…。
…はい。ソ連側は私の正体に全く気付いておりません。私が三重スパイだとは。
…ええ、私がADAMだということも、誰も気付いていないようです。それでは…CIA長官。」


END


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