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「怖れるなかれ」愛と共感の大地へ

  3年前、私が退院すると、友人からお見舞いに本が送られてきました。それがビノーバ・バーべ with サティシュ・クマールの「恐れるなかれ・・・愛と共感の大地」。
  「とても勇気づけられられる本だよ」と彼女のメッセージにありました。しかしやっとの思いで家に帰った私はその本を読むのがやっと。マハトマ・ガンディーの第一後継者で、大土地所有者が自発的に貧民層への土地の贈与を行う土地寄進運動を推し進めたのがビノーバ・バーべということも初めて知ったのでした。あまりにも高い理想に生きた方のメッセージは当時の私には強すぎて読後は本棚にそっとしまいました。

  そして本の存在を忘れていた先日、他の友人と電話で話していたら、彼女はビノーバが獄中で囚人たちに行ったバガヴァッド・ギータの講話の本を読んでいると話してくれました。「私もビノーバの本を持っていると思うよ。読んでみる?内容は忘れちゃったからもう一度読んでから送るね。」と本を探して読み始めました。

 自分でも驚いたのですが、徐々に気力体力が回復してきた私はこの本を読むことができたばかりか、ビノーバのメッセージを新鮮で清らかな水を飲むように心身に取り込んでいったのでした。もちろん何回も読んで大事だと思った個所はノートして。

  その中で私の心に響いたビノーバのメッセージの一つを紹介させていただきますね。

  私たちはいかに利己主義(エゴイズム)の危険から身を守ればよいのでしょう?それには内面的な賢さが必要になります。この世界に調和や均衡をもたらすサットヴァ(純質/sattva)は、一時的に来る客との間ではなく、  家族との日常的なやりとりの中で養われるものです。
(「恐れるなかれ 愛と共感の大地へ」ビノーバ・バーべwithサティシュ・クマール  編 辻信一・上野宗則 ゆっくり小文庫 より引用)

  人は変わろうと思った時から変われるもの。早すぎも遅すぎもしない、ちょうど良い時期に自然に芽吹いていくのでしょう。

本の背表紙の最後には
愛と共感の革命家からの、厳しくもあたたかい贈り物(ダーナ)。
と書かれてありました。

  その贈り物を私は受け取りました。


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