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ラディカル・アクセプタンス(ネガティブ感情から抜け出す「受け入れる技術」で人生が変わる(74)

こちらの本を、読書会で読んでおります。
Clubhouseで17時30分から15分間。

第11章 ともに目覚める:
対人関係の中でのラディカル・アクセプタンスの練習】
【ラディカル・アクセプタンスのギフト】

イエズス会の神父…アントニー・デ・メロはある本の中で自分の人生を変えたラディカル・アクセプタンスの体験のことを綴っています。彼は何年もの間ノイローゼ状態で「心配性、うつ気味で自分勝手」でした。
彼は自己啓発方法を次から次に試しますが、いずれも効果がないことがわかると絶望の淵に立たされます。友人さえも君は自分を変えた方がよい。と自己陶酔から目覚めることを勧めるため、彼の苦しみに拍車をかけるのです。

そんなある日、友人の一人が「お前はそのままでいいよ。そのままのお前が好きだから」と彼に伝えると、神父の世界は停止します。自分の心と精神に友人のこの言葉を浸らせるのはまるで純粋な神の恩恵を浴びているかのようでした。「そのままでいい、そのままでいい…、そのままのお前が大好きだ」。これによって、彼は自分は変れるのだと確信できたのです。

他者があるがままの自分を受け止めることで、自分が依存症やギャンブルに足を踏み込んでしまったとき、友人や家族が直ぐに割って入ってくれたり、人の気持ちを害したら正直にそれを教えてくれたり、運がよければ人を傷つけるような、行為の裏側にある私たちの人間としての迷いを受け止め、それでもあなたを愛し続けると明確に伝えてくれるのです。

愛情のこもった受け止めの気持ちと、率直な正直さは薬物乱用専門家が言う、いわゆる「支援介入」の鍵を握る要素。タラ博士の母もまた支援者の一人。この支援介入に携わる人たちは、十分に練習を積みコーチングされた共依存者たちであり、対象者に対して愛情深く、批判的でない雰囲気で立ち向かうのです。これこそラディカル・アクセプタンスのパワーそのもの。

タラ博士の母親は、その活動のなかで、ハリーとその家族と知り合い、そのハリーが後に彼女に言います。自分がその部屋に入ると、その場にいた彼を愛する人たちがいかに自分のことを思ってその場にいるかが理解できた。すると、部屋の空気が変わって、まるで空気が脈動しているようであったと、そして彼は今でもこの家族の受け入れと、真実を話す勇敢な愛が自分の命を救ったんだと感じているのです。

支援介入を受けた方々は、自分が不完全な人間であっても、愛される価値があると理解し、深呼吸をして新たに人生を生きはじめるのです。こうしてラディカル・アクセプタンスは、まるで私たちの檻を開け、この世に自由に羽ばたけと招いているようです。




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