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『チャイの旅』ができるまで

第二章:カンテでの楽しかった日々
その18:カンテ資料館 <人物交友録:阪上寿満子 >

「チャイの旅」の奥付に書かれている「協力」には、6人の名前が書かれています。
<上段>
井上 温・・・「カンテ・グランデ」の創始者
トータス松本・・・言わずと知れたウルフルズメンバー
Junichi・・・ドローイング・アーティスト
そして、阪上寿満子
今回は、彼女について少しお話しします。

 さて、阪上さんとはどういう人なのかというと、肩書きは「有限会社『P3PEACE』の代表取締役」となっていますが、僕にとってはほぼ同年代の友達という感覚です。それに、僕がパソコンを買うきっかけを与えてくれた人でもあります。

 阪上さんと知りあったのは今から42年前、カンテが主催&募集した1983年の「スリランカツアー」に応募してくれた人としてでした。その時のツアー担当者が僕でした。一度もスリランカには行った事がないのに、ツアー担当者になったのにはわけがあります。20人集めると一人タダになるという、そのひとりが僕といううまい話に乗せられたのがその理由ですが、行った事もない場所の説明や引率などできるわけもなく、行く前からかなり心配していたんですね。

 しかし、幸か不幸かそのスリランカツアーは、出発2週間ほど前に起きた空港での暴動によりキャンセルになったので、僕の不安はどこへやら。ツアーに参加されたお客さんとは、返金後全く音沙汰なしでしたが、阪上さんとだけはお付き合いが継続しました。

 その理由は、阪上さんは、僕よりも何年も前から「カンテ・グランデ」や「加奈泥庵」といった伝説のチャイの店に通っていた大の「エスニックファン」だったので、カンテ主催のツアーには是非とも参加したかったのにできなかったショックの反動もあり、ちょくちょくカンテに来られては僕と話をしていくうちに仲良くなっていったのでした。

 その頃、阪上さんはフリーのライターをやっていて、1986年のある日、「神原さんにインタビューしたいのですが、いいですか?」と電話があったのです。

 詳しい話を聞くと、「学生援護会」の出版物で「Qタイ」という「正社員情報誌」があって、そこの1コーナー「HERO CLUB」という連載物に「カンテの店長」として出てもらって、「社員になるとはどういう事なのかを話して欲しい」みたいなことでした。
インタビューって面白そうだし、阪上さんはセンスあるし、僕のことをよく知っているからうまくまとめてくれるだろうという思いでOKしました。

 当日はプロのカメラマンが同行してくれて、中津カンテの中二階でインタビューは始まりました。(その時の写真が『チャイの旅』に載っています。)カメラマンの人は、椅子の上に立ち上がったり、下から狙ったりと、かなり僕の興味を惹く撮影をしてくれました。

 出来上がったページを読んで、感動しました。まさに僕が言いたい事を、ほんとにうまくまとめてくれて、尚かつ、カンテの店長というよりは、ひとりの人間としてカッコよく演出もしてくれたのです。

この「HERO CLUB」のページ(全4ページ)は、今も時々、読み返して、昔の僕はどんなことを考えていたのかを思い出させてくれる、そんな「座右の銘」的な文章にもなっています。

 その後、阪上さんには僕がMacを買う時にどういうソフトが必要なのかを教えてもらったり、「近くに腰痛に効く砂風呂のいいお店がある」と紹介してもらったり、一緒に、愛車フィアットで「加奈泥庵」に連れて行ってもらったりとお世話になりっぱなしでした。

 ただ、べったりと「友達」というのではなく、付かず離れずな関係というんでしょうか、時々会ってはいい刺激をいただく、そういう関係って、なかなかありそうでないんですよね。

それに、阪上さんには独特のセンスがあって、それも面白い。
何枚か今までに名刺をもらいましたが、いつも楽しませてもらっています。今回はその中から2枚紹介します。

 そんな阪上さんは、今は会社の代表取締役ですが、これは「会社にしたほうが都合がいいだけの話」ということで、中身は全く、知り合った当時と変わっていません。本音で話せるし、結構人を選ぶタイプだから友達もそれほど多くないし、付き合いも限られた人としかないみたい。
ある時、「商売で、Facebookとかで人をたくさん集めて儲けてる人に『いい人』はいませんよ。ひとりひとりに構ってられないから。」と言ってたのが印象的でした。 
 その会社の社員のひとりに「wakameちゃん」という「だるま絵師」の人がいまして、阪上さんが「『チャイの旅』出版記念」のトークショー用に「wakameちゃん」に描かせてくれたのが、写真の手描きのポスターでした。

もう絶版で再販はありません。

 今時、プロの手描きのポスターって珍しいのですよね。
阪上さん、wakameちゃん、ありがとうございました。
岡山大学での「イチョウ並木の本祭り」で使わせていただきました。

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 ちなみに、大阪の毎日放送のキャラクター「らいよんチャン」は、阪上さんの会社の制作で、何年か前に、グッズやDVDをたくさんいただきました。
重ねてお礼申し上げます。(笑)

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