<人物交友録・・伊丹さんの巻>

今回は僕の人間関係をネタにしたお話です。初出『カンテ・マガジン』2007年

今日(2007年1月15日)、俳人で写真家の伊丹三樹彦さんが中津カンテの僕を訪ねてくれました。
え~?僕に俳人の知人?ウソでしょ?いや、いるんですねえ、そういう人も。

まあ、僕は俳人としての伊丹さんには興味は無いんだけど、写真家の伊丹さんは尊敬に値する人物だと思っている。その伊丹さんとの関係はというと・・・
10数年前、カンテの服屋「NP」で店長をしていた時に、伊丹さんが経営されていた古書店で雑貨(お香など)を扱っていただいた関係で、今でも親しくさせてもらっているというわけなのです。
伊丹さんは1920年生まれ。なんと今年で87歳。僕の知人のなかで最高齢で、写真集(どの写真集も素晴らしい)を何冊も出されている尊敬できる方です。

今回会ったのは2年ぶりぐらいで、
「最近、写真の方はどうですか?」ってお尋ねしたら
「2年前に脳梗塞で倒れて今はカメラを触っていない。」
ということでした。
以前なら、いつでもどこでもスナップが撮れる様にと、首にカメラを3台ぐらいぶら下げていた元気な人でしたから、そのことを聞いてちょっとショックではありました。
チャイとメープルシフォンを注文された伊丹さんに
「でも、お元気そうですよね?」って言ったら
「最近はリハビリをしていて中津まで来れるようになったし、君も変わっていないし、カンテに来たら元気をもらえるしね。」って言ってくれて、シフォンケーキをほおばっていました。
話の流れで、これまで僕の撮った写真を伊丹さんに見せたことなんてなかったんですが、今日は写真展の時に作った「おもちゃの写真集」を持って来てお見せしたら、凄くほめてもらえました。
分かる人には分かるんです。ふふふ。

ハーシーズのチョコディスペンサーの写真とかアレッシーのウサギの写真とか、かなり派手なリアクションをしてもらってうれしくなりました。
「君はこの道を行けばいい。」とまで言ってもらって、僕はホントにうれしかった!!
伊丹さんに褒められるなんて考えもしなかったのに。ウキウキです。

時間(と気持ち)の余裕がなくてその日の伊丹さんの撮影はできなかったのですが、かっこいいおじいさんです。
僕も将来こんなかっこいいじいさんになれるかなぁ。

伊丹さんはその日の帰り際、笑顔で握手をしてくれました。
僕との信頼の証のように。
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伊丹さんはもう亡くなられましたが、その時の力強い握手と満面の笑顔を今(2022年)でも忘れていません。(神原)

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