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Day1 #30daysongchallenge

曲名に色の名前が入った好きな曲。

『GREEN RAIN』/トクマルシューゴ

一体何種類の楽器が鳴っているのか、一体どれだけ音が重なっているのか。トクマルさんの曲は、どれも音楽のからくりが複雑で、構造は緻密な計算の上で成り立っていそうなのに、聴いている方はそういう堅苦しいものから解放されるような気持ちになる。ずーっと意味わからなくてずーっと聴いてしまっていつの間にかやみつき。

「GREEN RAIN」は、現実と夢と空想と過去と、いろんな世界が入り混じっているみたいな曲。歌詞が描く舞台は、みどり色の雨が降る異世界のようだけれど、線路があってビルがあって、この現実世界とも繋がっていそうで、僕とキミもいるらしい。でも、その僕はずっとどこかを彷徨っている。

鍵盤ハーモニカやスティールパン、鉄琴の音たちは、雨粒に音色を与えたみたいな音。そして曲の覇権はそのリズムが握っている。変拍子でずっと鳴ってる鍵盤の音は無感情にこっちを惑わしてくるし、サビではこっそり拍子が変わるのがいたずらみたいで、その僕は滑稽な踊りを踊らされてるよう。そしてゆったりとした4拍子が訪れて何かを回想する。過去でだけ噛み合っている歯車が切ない。そんな曲。

雨は冷たいものだけど、なぜかみどり色の雨は冷たくない気がして不思議に思う。

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