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2019年のゼルビア ③属人

70億人のゼルビアサポーターの皆さんこんにちはこんばんは。TanaLifeです。まずはTwitterで募ったリプライ、いいね、RT、引用RTの数(+1応援ポイント)の結果。

[基準]
少ない(0~49pt):書かない😇 
普通(50~199pt):粛々と振り返り③🙏
多い(200pt~):ロメロ・フランク編を挿入😍
[結果]
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+1応援ポイント:106pt → 振り返り③ルート確定

応援ありがとうございます🙇 気が重いですが振り返り最終回ご覧くださいませ。

前回のあらすじ

相馬監督は緻密なチーム設計を施したはずだし
それはクラブ方針とも合致していた
ではなぜ18位になってしまったのだろうか

前回の記事はコチラをご覧ください。

ハイライト動画集はこちら

その1 その2 その3 その4

シーズンサマリー (決定力不足)

以下のサイトで様々なデータを見てもらえればアナタが思うゼルビア不調の要因は求められるでしょう。

同サイトよりデータ画像を引用し考察します。(データ定義は上記ページで参照してください)

総得点に関しては36点と1試合1得点以下でした。さらにデータではシュート成功率は22位、チャンス構築率も17位と低く、シュートは撃つものの決定力不足であったことが分かります。

一方で総失点に関しては、59点と1試合で1.4ゴール奪われる計算です。相手にチャンスを作らせる回数はリーグで最も少ないのですが、データからはシュートまで運ばれると失点に繋がりやすい傾向だったことが分かります。

攻守に渡りJ1昇格を狙える数字ではありませんでしたが、失点はリーグ13位とそこまで危険な数値ではありません。得点を奪えなかったことが致命的でした。

決定力不足の要因

ゼルビアは19シーズンもゼルビアらしいサッカーを突き進めました…突き進めすぎたあまり、小さな局面では優位に試合を運ぶけれども、ゴール/シュートという最も重要な部分まで辿り着けないチームになってしまいました。

1. ビエルサ・ゾーンの活用

引用:https://go-pla.com/bielsa

(少し古いかもしれませんが) ゴールするには図が示すゾーン、なるべく50%のエリアでシュートを撃つことが重要です。さらにシュートを撃てば良いのではなく、相手を引き付けて崩すこと = フィニッシャーに時間とスペースを与えることも大事です。

それがどれだけ出来ていたでしょうか?50%エリアはロメロ・フランクが自ら崩して決めたゴール以外は、ショートカウンターやスローインからの奇襲系などが顕著でボール保持から崩す形のゴールはほとんど見られません。

ゼルビアは決定力不足を改善するため5月辺りからはクロス重視の戦略をとります。その結果、土居柊太が輝きを見せます。見事なゴールでしたが振り返ってみると15%エリアやダイレクトプレーなど崩したと言うよりかギリギリ決めることができたものが多い印象です。

ロメロ・フランクもゴール率の低いエリアでスーパーなゴールを決め強烈なインパクトを残しました。しかしスーパーゴールは裏返すと再現不可なゴールです。再現性が無いというのは得点パターンに欠けると同義です。

この両選手のゴールは得点率の高いゾーンを活用できないゼルビアを物語っていると思います。決めたゴールがナイスなだけに更なる可能性を引き出せなかったのが悔やまれます。

2. フィニッシュトライアングル

上述の通り19シーズンはボール保持時のフィニッシュワークをクロス主体に変更しました。ワンサイドアタックでゾーン3に運んだらクロス。シーズン中にトレーニングも時間を掛けて仕込んだはずです。ですが試合ではクロス精度が低いという印象でした。

クロス精度が低いというのは出し手側だけの問題ではありません。クロスは受け手側もタイミングと場所を合わせる必要があります。クロスに対して約束事が確立しているか、選手の即興に依存するか、練習通りで無いかなどを注目してどこに問題があったか検討しなければなりません。約束事として決まっていない場合、受け手の冗長な移動が決定機を潰すこともあるのです。(ムービングFW系の選手が多い影響かもしれません)

クロスに限らないのですが、ゴール前の約束事にフィニッシュトライアングルを持ち込んでいるかどうかで決定力は大きく変わるでしょう。特に大事なのはファー詰め、マイナス(リバウンドポジション)の選択肢を約束事として作っているかです。おそらくゼルビアのクロスの約束事は次に述べる通りフィニッシュトライアングルを最優先にしていません。

3. チーム設計上の問題

ゼルビアはワンサイドアタックやロングボールを多用し大外に数的優位性を作るチームです。設計上、ゴール前の枚数が足りないことが多いです。攻撃時に横幅を密集し振り返り①で説明した二段階進行のような直角的な移動を行うと、ニアサイドの相手GK前に味方とボールが集まる傾向があります。その結果ゴールが期待できない位置からのシュートもしくは相手に阻止される展開が多かったと思います。

18シーズンもビエルサ・ゾーンやフィニッシュトライアングルを優先的に組み込めてはいませんでしたが、困ったときのセットプレーがありました。

グラフで表現されていませんが「セットプレーから」の得点は18シーズンが27点で19シーズンは7点と大きな減少があります。

19シーズンはCKで2人のキッカー立たせるなど平戸が抜けた穴を埋めるべくパターンを変えますが、相手を上回る崩しを生み出すことはほぼありませんでした。とりわけ相手GKにキャッチされることも多く、被カウンターないし相手に押し込まれる展開で逆効果となることもありました。

ちなみに平戸に祈る🙏の私が言うのは気が引けますが…

セットプレーからシュートへ繋がる確率は過去に比べて低くなっています。こちらのラフさと相手守備の向上の両者によるものでしょう。セットプレー依存は自分たちを苦しめる結末となりました。

それが強化部の言っていた危機感しかないということなのでしょう。脱セットプレー依存、つまり他の得点パターンに強みを生み出せなかったのも致命的でした。

私はセットプレーに代わる得点源としてカウンターを設計的に仕込めるか注目していました。しかし、

データの通りカウンターの成功率も低い結果となりました。とりわけロングカウンターは開幕以降で決めた場面があったか記憶に残っていません。

カウンターは相手の守備が形成されていないので弱者でもゴールを奪える効率が良い攻撃です。ボール運びのポイントとしては数的同数を攻略する、中央レーンでボールを運ぶ、受け手も外に開き過ぎず相手を外す等ですが、ゼルビアは仕込めず特にロングカウンターからサイドアタック+クロスに移行してしまう傾向がありました。そして上記1,2の課題が発生します。カウンターは設計されたものでなく属人的な攻撃だったと思います。

カウンターだけが武器のチームが強いわけではありませんが、カウンターを持っていないチームは弱いです。

その他には、ゼルビアは前半立ち上がりから高強度で先にスコアを奪い以後を優位に進める戦略を執りますが、相手に待ち受けられてしまい強度低下が見えたところで失点してしまう悪い傾向が今年も出てしまいました。あのシュートが決まっていたら…というシーンも多かったと思いますが、今まで述べた通り決定機を生み出せない、活かせない、の積み重ねであり、原因を改善できないまま突き進んでしまった結果であると結論します。

失点のメカニズム

攻防一体。悪い攻撃が悪い守備を呼んでしまいました。そしてデータにあった通り相手のチャンスが失点に直結することが多い危険な状態でした。直結する理由としてはクロスとセットプレー重視が精度を欠き被カウンターとなることが多かったことが挙げられます。3+1もしくは2+2のネガトラ設計は相手にサイドを使われスピードに乗せられて押し込まれます。

失点パターンの詳細で18シーズンから増加傾向となったのはセットプレー(6→17失点)とクロスから(8→16失点)です。18シーズンは隠せていましたが、19シーズンは横からのボールに対して脆い欠点が再び露呈しました。

横に弱い理由としては、ブロック守備から飛び出したDFをカバーするため1人が守る間隔が大きくなりDF間が開いてしまうことや、相手の位置を考慮せず冗長なカバー位置に立ってしまいマークを見失う弱点を突かれたことが挙げられると思います。一時期CK守備をマンマークからゾーンに変更しましたが悪手でした。

チーム守備は改善されませんが、守備陣は個々の守備では見事な場面も多かったと思います。終盤ではクロス失敗後のネガトラ突撃でハンジェが輝く場面も見ることができました。ゼルビアらしさはギリギリのところでゼルビアを救いました。

あと酷評されるだろうボール保持型チームの自陣ビルドアップを模倣したボール回しですが、時間を浪費しつつ相手を自陣に引かせることができたため皮肉にも失点を抑える効果があったと思われます。

終わりに

19シーズンは緩和のもとJ1ライセンスを取得する用意ができた年ではありましたが、昇格を狙える準備は出来ていませんでした。それでも18シーズンの好調の再現とスクラップビルドによる相乗を図りましたが、ゼルビアの強みは小さな局面だけに過ぎず、ゴールから逆算されたチーム設計ではありませんでした。その結果、自滅し、相手も見逃さず、迷い、回帰に時間を要する苦しい1年を送ってしまいました。

相馬監督がクラブから十分なサポートを得られなかったのに自らが責任を取り町田を離れてしまったのは非常に残念です。もう少しサッカーの原則原理に足を踏み入れていれば違う世界が見られたはずなのに…とも思います。ゼルビアのサッカーはアトレティコでもライプツィヒでもなく日本サッカーと同じ道を進んだものと私が結論したのは自分でも無念に感じます。再び指導者として返り咲くことを切に願っております。今までゼルビアを支えてくれて本当にありがとうございました。

また、既にゼルビアを離れてしまった人も含め選手、スタッフの皆さんも本当にありがとうございました。

そして2020年。今シーズンもゼルビアの勝利のために、そして試合をもっと楽しむために活動していく所存であります。今年の方針はまた別の記事に。

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