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「バチェラーに選ばれる女」について考えながら思ったこと

軽い気持ちで「バチェラー・ジャパン シーズン2」をみはじめたら、がっつりずっぽりハマりました。

一応説明すると、「バチェラー」はセレブでイケてるひとりの男性が複数の女性(シーズン2は20人)から結婚相手を選ぶ、「婚活サバイバル番組」。このコンテンツ、世界中で大ヒットしているらしい。わかるよ。
とはいえ、エピソード1(第1話)ではまだ、初対面のバチェラー林太郎に「わたしを選んで!」と猛アピールする女性たちを見てやや引いていた。えー、こんなんギャグじゃん、成立するの?

ところが、である。
エピソードを重ねるごとに「推し」ができたり、ヒールキャラにブーブー言ったり見直したり、林太郎の騙されっぷり?に天を仰いだり・・・・。
気づけば、林太郎が誰を「選ばない」のか、毎回ドキドキするようになっていたのだ!(エピソードごとにバラを渡されない人=脱落者が出る)

さらに、画面の派手さもクセになる。贅を尽くしたデート。着飾り胸を寄せ張り合う女性たち。とにかくストールが似合う林太郎。無駄に長い車。やたら貸し切るデートスポット。
キラッキラの虚構感とロマンティックの渋滞に胃もたれするけれど、後半戦に突入するころにはもうそれが当たり前になっていた。すごい。

そんな「バチェラー」を夜な夜な見ながらわたしが考えていたのが、

「自分が20人の女性のひとりだったら、どうやって選んでもらうだろう?」

ということ。

初対面のあいさつは? 短い時間で印象づけるためにどんな会話をする? 駆け引きはすべき? アピールポイントは? 服やメイクは? バチェラー両親に気に入られる話題は?

・・・・これらの問いの答えは、本編に散りばめられたヒント(編集で強調されているバチェラーの表情や落とした女性との直前の会話など)を見ているとつかめてくる。選ばれるための道筋が、だんだん浮かび上がってくる。
「林太郎はこういうときにこういう言葉をかけたり、こういうキャラでアプローチすると恋してくれる」。・・・・イケる!

で、すぐに気づくのだ。
「これは神の視点で全体を見てるからわかることなんだよね」、と。

当事者たちは、ある女性のAというアクションに対してバチェラーが肯定的に捉えているのか否定的に捉えているのかわからないまま、次の一手を考える必要がある。Aに寄せるほうがいいのか、避けてBを選択したほうがいいのかは、直感で決めるしかない。
都度入る「そのときオレはどう思ったか」のインタビュー映像を見ているわたしたち視聴者とは、見ている景色も情報量も違うのだ。

外野であーだこーだ言う人、分析や評論をしたがる人は、こうしたカメラの場所と情報量の差に対する意識が乏しいことが多い、のかもしれない。「サッカーは実際にフィールドでプレイしたことがある人とない人(=神の視点でしか見たことがない人)では見えるものがまったく違う」という話を聞いて、あらためて反省したのでした。
林太郎は、あの子のものなのだ。

バチェラー2を上映しつつお酒を飲みつつ、あーだこーだ言いたいなあ。

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