アイヌ神話
NHKの100分で名著で、アイヌ神謡集が取り上げられていました。アイヌの神謡は文字ではなく音で伝えられるものだそうですが、どの神謡にも「サケへ」という、意味のない様々な音とも言えるような言葉が差し込まれるらしいです。サケですから、裂け目で境目で切り替えです。境目には外との扉が開くので、ここには意味のない音ではなく、意味深な音が入るはずです。この「サケへ」はカムイ語ではないかと考えられているそうです。神の言葉、宇宙語です。
また「耳と耳の間に私は居ました」という表現があり、これは動物の(たとえば犬の)耳と耳の間の頭の上に私が居るという表現で、「私は死にました」と訳されるそうです。そうですかね?死んでいるわけではなく、体から離れていたことを言っているんじゃないですかね。今ほど肉体にピッタリ張り付いてないので、ちょっと離れちゃった、とか、離れて川に行ってた、とか、そんな感じだったのでは。
動物が自らの物語を語る形式のアイヌ神謡は、人型のギリシャ神話より普遍的でわかりやすいかもしれません。「小狼が小男を見つけて、川沿いを川上へ川下へと歩くところを先回りしては、行く手を遮っていた。」という神謡もありました。肉体を持って生きていると、よくある光景です。
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