奇跡の出会い②〜スピリチュアルと実践の融合とはこれか!を教わった出会い編〜
あれはバンドがドラム、ベースが加わって5人になってから数年経った24歳ぐらいの時だった。
ベースの奴が
「面白いおばあちゃんおるからメンバーみんなで会いに行けへん?」と言ってきた。
話を聞くと、そのおばあちゃんは在家僧で、マンションに住んでいて、その一室で、血の繋がらない女性ばかりのお弟子さん達と一緒に生活しているらしい。
これだけ聞くとめちゃくちゃ怪しい新興宗教臭がするけど、メンバーのベースの奴のお母さんがその人を信仰していて、子どもの頃から通っていて、めっちゃズバズバ言うおばあちゃんでオモロいから行ってみよう!となったわけだ。
知らない世界や未体験はなんでも体験したいマンな僕にはたまらないフリである。行くに決まっているのである。
大阪市の真ん中のある駅から少し離れたマンションだった。
エレベーターに、みんなで乗り込み、そのおばあちゃんの階について、エレベーターの扉が開いた瞬間、お香の良い香りがふぁ〜としてきた。
メンバーも僕も別にスピリチュアルとか興味なかったけど、その階についた瞬間、大阪の雑多な空気が、いきなりクリアに澄んだように変わったのを全員が感じた。
何この感じ…笑
そしてマンションの廊下を進んで、そのおばあちゃんの家の扉を開けた。
大袈裟じゃなくて、マジで異空間って感じで、そこに奥からそのおばあちゃんが玄関に出てきた。
見た目は、割烹着を着て、短い白髪で、化粧とかアクセサリー付けてない細木数子みたいな感じだった。話し方は細木数子!笑
「はい、手を洗って、うがいして中に入りなさい!」
言われるままに、そうやって、部屋に入ると、またまたさらに異空間!笑
玄関入って目の前に小さな部屋。
その前の廊下を進むと、途中に左がトイレ、右がお風呂と脱衣所、その脱衣所で手を洗い、先に進むと、リビングキッチンなんだけど、窓際に囲炉裏があって、鉄のやかん?みたいのなが置いてあって、お香が焚かれていた。
そしてその手前に大きな机があって、キッチンではお弟子さんが笑顔で迎えてくれながら、お昼ご飯の準備を静かに、でもめちゃくちゃ段取り良く淡々をやっていた。
そしてそのリビングと繋がった左の部屋に案内されると、なんか神様的な仏像があって、そこでまずお参りをした。
そして、席に座るとおばあちゃんがなんの前触れもなく、僕らに話し始めた。
「バンドやってるの?そうかぁ。でもまあ無理だね。売れないね。」
いきなり!!笑
いきなりそのカットイン!笑
いやいやいや!笑
そして苦笑いの僕らをそのままに、次は一人ずつをぶった斬り始めた。
そしてまず僕を見て
「うーん。胃腸とか弱いかい?このままいくと40歳まで生きられるかなぁ…」
えー!!!笑
バンド売れないより衝撃のこと言うてくるなよ!笑
しかもこんな無茶苦茶ワード連発やのに、なんなん!ってぐらい説得力あるから怖い…ほんまに怖い。
「とりあえず今月から、家の近くの観音様に、毎月300円持って、命をください!ってお参りに行きなさい。300円ぐらいなら毎月払えるやろ?」
と。それから15年…毎月欠かさず僕はお参りに行っている。
占いとか別に良い事しか信じない僕がなぜ、お参りを続けているのか。
それはこの後のおばあちゃんの在り方を見せつけられて、この人は本物だ!と思ったからだ。
みんなそれぞれボロクソに言われてから、お昼の時間になった。
お弟子さんが高級料亭の中居さんのように、ササっとたくさんの美味しそうな料理を並べていく。
そうだ!今回の最大の目的はこのご飯だった!
ベースの奴がとにかく食べさせてくれるご飯が美味しいから、それ食べに行こう!ってことも言っていた。
ほんとに綺麗に飾り切りされた根菜の煮物や、チラシ寿司、お吸い物、などなど、めっちゃ素敵な陶器に盛られて並べられた。
さっきの、あんた死ぬよ!発言なんて忘れて、テンションマックスでみんなでがっついた。
その時もいろいろ話をしてくれた。
この人死ぬな…と思ったら次の日に死んだ話や、お金が無くなると思ったら、なぜか次の日に100万円振り込まれた話など、どれもクレイジー過ぎて笑えた。
バンド解散すると言ったけど、芸術の世界で生きていきたいなら、もっと本物に触れろ!とも言われた。絵でも音楽でも良い、生の本物に触れろ。と。
今振り返ると本当に大切なことしか言われていなかったなと思う。
そして帰りに夜ご飯は付き合えないからこれでなんかみんなで食べなさいと二万円くれた。
???初めて会った汚い若者5人にご飯食べさせて、さらに夜ご飯代まで…
そしてさらに、お前たちはもっと日本の心を知り、本物を知りなさい。と、後日僕らのためだけにお茶会を開催してくれた。
5人分の着物を用意してくれて、お弟子さんのお茶の先生にお茶を立てて頂いて、一人ずつ作法を教わり、茶会席まで用意していただいて、土瓶蒸しの食べ方とかも教わった。
もちろんこれも無料。
そしてそのおばあちゃんは会う度にいろんな話をしてくれた。
若い頃ヤクルトレディーをしていたら、子どもたちが寄ってきたから、タダで配ったら、給料がいつもゼロになって、上司から
申し訳なくなるからもう辞めてくれ!と言われ、
子どもたちが欲しがるんだからあげるに決まってるでしょ!と言ったり。
山の中の寺に修行に行って、3日目に、ここでこんなことしてても誰も救えない!と思って、途中でやめて降りてきた話。
そうやって、たくさんの無償の愛と行動で、困った人を助けまくってきた人生だから、おばあちゃんが困った時、昔助けた人が医者や弁護士になっていて、寄付してくれたりしてるんだなと気づいた。
それを摩訶不思議なことがあるんだよ。有難いねぇ。と言って笑っていた。
それから僕らは四国お遍路参りに連れて行ってもらった。
その移動費もご飯代も全部おばあちゃんが払ってくれた。
後日聞いた話だけど、その四国お遍路参り代がその時無くて、どうしようと困っていたら、またお金が振り込まれたらしい…笑
そしていつもおばあちゃんは僕らに言った。
この恩は、私に返すんじゃなくて次の世代にあなたたちが返していきなさい。と。
恩送りしなさい。と。私もそうやってしてもらってきた。だからあなたたちもそうしなさいと。
本当に結局そのおばあちゃんには一銭も払っていない。
そこからご縁が途切れて今はどうされているかはわからない。
でもおばあちゃんのお陰で、毎月の月参りを続けている。
最初は死にたくないからやっていたけど、数年後からは、
先月もありがとうございました!というお礼参りに変化し、毎月心を一旦クリアにしてくれる場所として存在する。
そして二十代のあの頃は全然気づかなかった自分の悪い癖も、三十代を丁寧に生きたことで、気づいた。
たしかにあの時の自分のまま生きていたら、僕は今この世に存在していないかもしれないとさえ思う。
自分で自分のことを分かっている気でいたから、自分の危険性がある部分に全然気づいていなかった。そのことも、おばあちゃんには見えていたんだ。
縁ある人しかわたしには会えない。とおばあちゃんは言っていた。
たしかにかなりの人におばあちゃんを紹介したくなったけど、結局紹介して会わせることが出来たのは数人だった。
そして僕自身も20代後半から見ないようにしていた自分の影と向き合い始めたぐらいからおばあちゃんとの縁も離れていった。
テレビでもよく占いやスピリチュアルな能力を持っている人は出てくる。その人たちが嘘とかは全然思わないけど、俺の中で、あの人は本物だ。
あんな人にはなれないけれど、教わったたくさんの大切なことはちゃんと伝えていきたい。
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