奇跡の出会い①〜人は見かけによらない編〜

僕は出逢い運がめちゃくちゃ良い。

生きていると、たくさんの人に出会う。でも一度しか会わない人もたくさんいる。その時の自分がどんな風な価値観で生きているか?で出会う人も、好きになる人も、仕事も、家庭も変わる。

僕は二十代で不思議な出逢いをたくさんした。

それは今振り返ると、どの出逢いも今の自分にめちゃくちゃ影響を与えている。


まずは人は見かけによらないって話…

二十代はずっと音楽にハマり、Rockにハマり、バンドを組んで、ボーカルとしてバンド活動をずっとしていた。
深夜バイトをしながら、スタジオ練習して、ライブハウスで他のバンドと一緒に出演して、チケットを手売りして、自費CD制作して、そのCDをライブで手売りしていた。
売れなかったけど、本当バンドメンバーはそれぞれ才能に溢れ、カッコいいバンドだったなと思う。ドームツアーを夢見て、ほんとバンド漬けで数年過ごした。

そして25歳になって、同級生がちょうど就職したり、結婚し出した。
ちょうどその年齢になると、バンドマンたちも自分の人生を考え出し、一つのバンド解散のきっかけ的年齢ではあった。
僕らのバンドもまた例外ではなく、音楽だけで食べていけないなら解散だな。って感じなり、その時のアホな頭で、毎月400人ワンマンライブしたら、音楽だけで食っていける!という単純計算の元、400人ワンマンチャレンジを企画した。

これが出来なかったら解散!ということを決めて。

その時の一度のライブ集客が最高50人もいったことないバンドが…笑

でも面白いもんで、目標設定すると、それがどうやったら出来るか?を考え出す。

僕はとりあえずバイトを変えた。平日夕方までの仕事にし、仕事が終われば、近くの駅で一人ストリートをしてチラシを配った。そしてストリートが終わったら、どこでも歌いに行くから、誰か紹介して!とお願いして、英会話教室で歌ったり、パーティーで歌ったり、茶道教室でも歌ったりして、どこでも行って宣伝した。

毎日、毎日、駅前に座っいたら、人は見かけによらない人にたくさん出会った。

まずはホームレスのおっちゃん達。

毎日駅前にたくさんの路駐した自転車をどけるところからストリートを始めてたんだけど、一週間後からホームレスのおっちゃんが一緒手伝ってくれるようになった。なんかそれがめちゃくちゃ嬉しくて、ホームレスのおっちゃんのリクエスト曲を練習して歌ったりしたら、缶コーヒーを買ってきてくれたりした。
お金が無くて、ホームレスしてるのに、俺に缶コーヒーを買ってきてくれた。
それで俺の前で聴いたら、人が集まりにくいからって離れて見ててくれた。
きっとあのおっちゃんは神様なんだろうな。と思った。

次に、のびのびのスウェット着て、ちょっとそのスウェットにゲロついたウエストポーチつけたおじいちゃんが足を止めた。

「俺はな。お前らみたいな若い子が好きなんや!応援したいんや!」と。

そしてそのウエストポーチに手をやったので、おっ!チップくれるかな?と思ってみていると、その中身は全部札束だった。数百万は入っていた…笑

えーー!!!そののびのびのスウェット買い替えろよ!てかゲロ付きは洗えよ!と、心でつっこんだ。

すると、一万円をポンと入れて、

「よし!ちょっとついて来い!」

と言うので、このおじいちゃんめっちゃおもろいやん!と思って、ついて行った。

すると、商店街の外れにある高級寿司店へに、ゲロ付きスウェットおじいちゃんが、おいっす!みたいな感じで入っていく…笑

いやいや、おいっす!やあらへん!笑

その格好でここ??笑

すると、女将さんみたいな人が

「いつもありがとうございます!」

???笑

めっちゃ常連やん!笑

そして特上寿司を注文して食べさせてくれた。

人は見かけによらない…笑

そして更なる奇跡の出会いはこのストリートで続く…

そしてこのストリート最大の出会いが唯一歌で師匠となった人との出会いだろう。

いつものようにストリートをしていると、めちゃくちゃオシャレでジェントルマン風の初老のおじいさんと、その奥さんと思われる人が立ち止まってくれた。

そして僕の曲を最後までじっくり聴いてくれて、拍手してくれて、

「僕は歌が大好きでね。君のようなアーティストを本当にリスペクトしてるんです。近くで、BARをやっていて、歌声喫茶とかもしてるから今度遊びにおいで!」

と名刺を渡して去っていった。本当にオシャレで素敵なご夫婦でこんな風に歳を取りたいなぁと思った。

とにかく集客に集中していたので、そこでもライブに来てくれる人と出会えるかも!と思ってすぐにそのBARへ行った。

少し駅から外れた夜の店がたくさん入ってる雑居ビルの一階。
暗い通路の突き当たりにそのBARはあった。

会員制と書かれたドアを開けると、入ってすぐ目の前がカウンターで、5席ぐらいの小さな空間の隅にピアノが一台置いてあった。

「あぁ来てくれたんだね。ありがとう。何が飲みたい?好きなものを言って下さいね。」

そう言って、ビールを注文した。
すると、そのおじいちゃんが優しく語り出した。

「僕はジャズシンガーでね。みんなここでジャズを習って、世界にいってるんだよ。綾戸智恵ちゃんもここで練習してたことがあるんだよ。」

えーーー!!笑

で、Boys II Menも日本公演の時はここで打ち上げをしたんだよ!と、店に飾られた写真を指差して見せてくれた。

確かにこの店の中にBoys II Menが写っていた…笑

何者このおじちゃん!!笑

話を聞いていると、昔グループサウンズ全盛期、有名なマヒナスターズというグループの一人だった。
何がおもしろかったって、美空ひばりのことを

「ひばりちゃんはほんと歌上手かったね〜!楽屋で話した時も良い子だったよ。」

みたいな感じで、美空ひばりを「ひばりちゃん」と呼ぶ強者であった…笑

柔らかくて、あったかくて、優しい。そしてピアノに座り弾き語ってくれた。

やばー!!めっちゃ良い。何この人ー!笑

一気に虜になり勝手に通った。

その人が教えてくれたことはシンプルだった。

丁寧歌うこと。練習すること。そして

来たお客さんに感謝して、ライブが終われば走って出口に行って、来てくれたお客さんに感謝を伝えること。

そしてアーティストからお金はお金を取らない!と言い、いつもタダでお酒を飲ませてくれた。

お客さんのためにとにかく練習すること。

来てくれたお客さんに感謝すること。

これを教えてくれた唯一の師匠。

そこから体調を崩されて、入院したときもお見舞いに行き、亡くなった時も、お通夜に行かせてもらった。

歌う時の基本はいつも師匠を思い出す。

こんな時から俺は感謝を教えてもらっていた。

書いていてまた感謝が湧きあがってくる。本当に有難い出会いがこのストリートでいっぱいあった。

でももし僕があのホームレスの神様を睨んで毛嫌いしていたら…

もし僕がのびのびスウェットおじいさんを無視していたら…

もし師匠の歌声喫茶に

歌声喫茶?しょうもな!誰が行くか!と思っていたら…

この全ての物語は存在しなかった。

だから本当に思う。奇跡の出会いはいつも目の前にある。

今目の前の人を大切にし、丁寧にコミュニケーションすることがその先の未来に繋がっていく。

僕はそう確信している。

次は自分はそこまで意識してないけど、人生のターニングポイントでスピリチュアルな人と出会う編…


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