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すぐに当たり前になるのが人間

いろんな事が当たり前になると、「味わい力」は薄まっていく。

今、街を歩けば24時間お手軽に美味しい牛丼が食べられる。

しかもワンコイン(500円)以下の値段で。

そりゃ国産和牛よりは味も違う。

でもね。これこそ当たり前になってしまっている感覚なのかもしれない。

二十代のバンドマン時代、バンドマンの鏡のようにお金が無くて、家賃、光熱費以外のバイト代のほとんどをバンド練習やレコーディング、ライブ代に使っていたので、給料日最終週はいつも強制断食みたいになっていた。

それでも友達の実家でご飯食べさせてもらったり、バイトの飲食で食べさせてもらったりして過ごしていた。

ある時たまたまバイトも無くて、お金も、食べ物も家に何も無い日が2日続いて、空腹の極みになった事があった。

夜のスタジオ代だけあって、そのままスタジオへ。

メンバーにそのことを言ったら、メンバーの一人が、なら牛丼奢ってやるから食べろよ!と言ってくれた。

いやー神様に見えたね。ほんと神様に見えた。

牛丼屋に入り、注文すると、目の前に牛丼が来るんだけど、まず牛丼屋に入った時点で、漂う牛丼の香りに


ここは天国ですか?となりニヤニヤ状態。

そして店員さんが運んでくる牛丼…

ヤバい。近づいてくるだけで、美味しい…

そして目の前に輝く牛丼が到着!

後光が差してるんじゃないか?と思うぐらい輝く牛丼。

一口パクり。え?

牛丼の牛肉って、こんなに牛肉の味したっけ?

ヤバい。国産和牛より牛肉の味する!!

うまい!うまい!うまい!うまい!

と、涙がポロリ。

牛丼屋で泣きながら食べる男。

そしてこの出来事は

牛丼食って泣くMy soul

というバンドの代表曲の歌詞の一部になった。

そんなことを体験した僕でさえ、今や牛丼は当たり前になっている。

すぐ人はどんどん慣れて当たり前になっていく。

だからこそ意識して、愛でる。

意識して味わう。

当たり前の中に閉じ込めてしまった極上の至福を感じよう。

牛丼食べたくなってきた…笑

これは良いもの、これは良くないものとかを越えて、目の前の至福を見つけて、感じよう。

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