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護る存在

2018年の夏、西日本豪雨災害のとき
一級河川の土手にある,
小学校の避難所にいました

堤防を越えそうなほどの川の水位
見たことの無い,凄まじい濁流でした

「堤防が壊れて,
 ここも流されてしまうかもしれない」

人力で対応できる限度を超えています

そんな時,
近くに神社があったことを思い出し
土地神さまへ
「助けてください」と祈念をしました

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そのお蔭もあって,
どうにかこの避難所近くは無事でした

しかし職場のあるエリアは堤防が決壊,
5メートル以上水没し,全国ニュースになるほどの水害でした

数日後,水が引いたので
やっと現場へ入ることができました

大きな小屋が流れて,道路をふさいでいたり
車が縦に立っていたり

職場内もひっくり返したような惨状でした
一度天井まで机や棚が浮かび上がったからです

自分のいた避難所のエリアも
もう少し雨が続けば
こうなっていたかもしれない…

背筋が冷たくなりました

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室内
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自分は避難所の運営と
職場の復旧も同時に対応していました

述べ数百人の方々が運びこまれ
避難所は,野戦病院のような慌ただしさでした

「土手に穴が開いとる!」

数日後、避難所も少し落ち着いてきた朝
数名の地元の人が慌てた様子で
避難所へ駆け込んできました

「おい,あんた知っとるか!?」
「土手に穴が開いているんじゃ」

引っ張られるようにして
避難所から徒歩数分の
現場に駆けつけました

「穴? 穴どころか…」

現場に着いて,絶句しました
なんと海の堤防が,穴どころか
数mにわたり崩れているではありませんか!?

壊れ他堤防

海の堤防は,緊急を要する話です

川の堤防は,
水が引けばとりあえず安全ですが

海の堤防は,
常に満潮で波にさらされるからです

写真をみてください
海水の跡が,
どこまで来ているか分かりますか?

このエリアは,海抜0メートル

一刻も早く修繕工事しないと
約50000人の街が
水没する危険性がありました

通報しても誰も動かない…

当時,市役所の職員でしたので
すぐに関係部署に通報しました

ところが,だれも動こうとしません

「あんたの所の避難所へ,
 人を来させたくないから
 そんなことを言っているんだろう」
そんなことを言われる有様でした

河川を管理する県や国の機関へ通報しても
担当者が来て「これは大変ですね」と言うだけ

挙げ句には
「次に雨が降ったら大変ですね」などと
のんきなことを言った人もいます

海の堤防を軽く見るな!
あんたらは,何人死んだら分かんるんなら!
人が死なんと分からんのか!

地元の人達と一緒に強い口調で訴えますが
だれも動いてくれません

手の打ちようもなく,
途方に暮れてしまいました

護る存在

数日後の朝
もう一度,避難所近くの土地神さまへ
手を合わせに行きました

「神様,助けてください」
自分の無力さが悔しくて,悔し涙を流しながらの祈念でした

土地神様

そうして避難所へ戻ると
ちょうど避難所運営用のタブレットが届きました

「これだ!」
「現場の状況をこれで投稿しよう」

すぐにタブレットへ,現場の写真と
地元の人の証言をアップしました

投稿して,1時間ほどした頃だったでしょうか…

避難所の近くがサイレンの音で
いっぱいになってきました

パトカー?消防車?
火事か事故でもあったのだろうか?

避難所の外へ出てみると
先程の堤防へ
何台ものパトカーや消防車が来ていました

先程アップした投稿を見て
消防署の方が
「これは危ない」
「避難命令の発令が必要かもしれない」
と動いてくれたのです

結果,この騒ぎで
国道が3時間通行止めとなり
近くの被災地へ来ていた国の職員さんが
この現場へ来てくれました

土地神さまの想い

その後,すぐに堤防の工事開始と
なった訳ではありません

あまりに動かない状況に
苛立ち,焦り,自暴自棄になっていました

そんな時のこと
「神さまの言の葉」の自動筆記を
された方からLINEが届きました

土地神さまへ祈念したことは
伝えていないにも関わらず

そこには,土地神さまの想いが
記されていました

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その後,色々な働きかけや,
多くの方のご尽力がありました

数カ月後,
修繕工事が始まりました

そして災害から3年が経つ現在も
この工事は続いています

それほどに大きな被害だった,
ということです

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土地神さまは,
地域を「護る存在」

そして,
地域に住む人間を「護る存在」です

人間が,そのことを
知っていても,知らなくても

ずっと
護っておられます

人が祈りを向けるほど
その力は増し
一層,人を護って下さいます

「人の力だけで治まる世は終わった」
「そのことに早く気付いてもらいたい」
「神を祀ってほしい」

神様は人を助けたい一心
その心から出る言葉だろうと
拝察致します

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