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フルマラソンに出場して

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ーー煉獄さんに勝った。


高知龍馬マラソンに出場した。
人生で初めて42.195kmを走るわけである。何が悲しくて文明社会の現代にわざわざ己の足で走らなければならないのか。

痩せたいからである。
できれば20kgくらい。

実際に痩せられたかは置いておいて、4ヶ月くらい前に友人に声をかけられそういう動機から出場を決定した。
本番までの練習のしなさはここまでの日記に克明に描写してきたのであらためて恥を晒すことはせず、さっさと本番の話をする。

9:10からスタートした。二車線にこれでもかと人間が集まっているので最初は強制的に人と同じペースで走ることになるが、10km頃にはある程度余裕が出てきて人を追い抜いたりしながら自分のペースで走れるようになった。

走っている最中はとにかく脚の節々が痛む。太ももの表、膝近くの筋肉、膝、脛、ふくらはぎ、足首、足指。
この痛みをどれだけ発生させないか、あるいはすぐ抑え込むかがマラソンのタイムを決める。筋肉に悟られるな、だ。
今回は痛み対策として使ったものがある。
クスリだ。
ロキソニンとバファリンである。
3回投与できる量を持ち込み、スタート直後と16km付近、30km付近で投与した。
服薬は痛みの深い部分を削ってくれるが、それでも浅い痛みは永遠と発生してくる。
クスリだけでは解決できないこともある……。
俺にだって分からないことくらいある……。

今回のマラソンはエイドといって走ってるときにもらえる水や食べ物がいっぱいあった。
水、ポカリを始め、冷やしトマト、ソイジョイ、あんぱんなど、一つも食いっぱぐれてなるものかとリスのように口に詰め込んだ。
私は育ちが良く、走りながら物を食べられないのでエイドをもらうたびにタイムは落ちていった。

また、救護所も頻繁に設けてあり、痛む人の応急処置や冷却スプレーでの自己処置もでき、かなり助かった。

42.195km、割とずっと応援してくれている人が道路側にいて仮装をしたり鳴り物を振っていた。この後いろんな店に立ち寄った時も地域の方が話しかけてくれたりして、温かかった。

25kmを越えた時点から、『走ると足が痛くなるので痛みが引くまで休んでまた走り出す』を永遠と繰り返していたので、誰かを抜いてはすぐ抜き返されることが多かった。
煉獄さんもそのうちの1人である。
赤と黄色の髪に鬼殺隊の制服を着ている、あの煉獄さんである。
ランナーには仮装をしている人も多く、落武者やマリオブラザーズ、マイキーのコスプレをしている人もいた(ブーツで走っていた)。

桜木(序盤)と園児もいた

煉獄さんももちろんその1人で、歩道で応援している子どもに歓声を上げられたりカメラにポーズを取ったりしていて、スターは大変だなぁと思っていた。
いつのまにかいなくなっていたので私が勝ったと思っているが、声援を送っていた子供達ならこういうかもしれない。煉獄さんは負けてない、と。

途中のアホみたいな坂も馬鹿みたいに長い一本道も歩きながら越えて、なんとかゴールした。
タイムは5時間18分41秒。
初心者は5時間を切るのを目標にするらしい。初心者にすらなれてない。
『痛くなったらすぐ休む』で走ったので達成感は皆無だ。ただ、もし次があればもっと早くクリアできるかもな、とは思った。

温泉でストレッチをして、友人行きつけの居酒屋に向かった。
焼き枝豆、刺身盛り合わせ、あん肝ポン酢、マグロの塩焼き、カキフライ、スパイシーエビチリ、日本酒、他にも色々頼んだが全部美味しかった。
地方への旅行の口実としてマラソンをするというのは、案外悪くないかもしれない。

天むす(大きい)


もう特に書くこともないので風景の写真でも貼っていく。

スタート地点
20kmくらいのすごい坂

スティールボールランで坂では力を貯めろと書いていたので、登りも下りも歩きに歩いた。

長すぎる直線だが写真では全く分からない
あまりに遠くまで見えて悲しくなって写真を撮った

絶望したときだけ写真を撮るなよ。

緑丸がスタート、赤丸がゴール
トラック入口

今回はかなり読みづらい文章だと思うが疲れているせいだと思ってご寛恕いただきたい。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに、走り終わった後銭湯で体重を測ったところ3日前より1.2kg減っていた。あれだけ飲み食いしながら走ったのになお痩せているんだからフルマラソンはダイエットにいいのかもしれない。


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