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ピエロ人形の詩(多摩市民館)

ミュージカル ピエロ人形の詩
2022.3.26 多摩市民館

近現代日本の都市、貧困層の孤児の少女が主人公の話。
ひねくれ者の少女は誰からも相手にされず、盗みまで働く様な生活をしている。
そんな少女の前に大きなピエロの人形が現れ、人として大切なものを伝えていき、少女も徐々に心を開いていくが、最後にはピエロ人形も両親同様に少女の前から消えてしまう…再び一人になってしまった少女だが、心の中にはピエロ人形から教えてもらった温かい心が確かに残っていて…という物語。

前職の劇団の代表的なレパートリーの1つで、在職中から繰り返し関わった演目だけど、久しぶりに見ると歳のせいもあってか考える事の多い観劇だった。

主人公の少女は見るからにボロの服を着て髪もボサボサなのにも関わらず、街の人はだれも彼女に手を差し伸べる事がなくて、それは悪ガキや学生達なら分かるけど、中流階級であろう人の良さそうな親子や面倒見の良さそうな青年も、勿論彼女と会話をするが誰も彼女の身の回りを心配する人間が居なくて…

だからこそピエロ人形の存在が引き立つのだけど(見事な筋書きです)、
前はその親子や青年の事を”主人公の見た目を気にせず接してくれる良い人”という認識だった気がするけど、明らかにヤバい気配を感じる少女をそのまま放っておくのは、果たして良い人なのだろうか……この人たちも他の街の人と同じく……いや仕方がないんだけど……
僕がそういう少女に会ったらどうするだろうか、
独身男性が少女に話しかけたら事案だし、まあそういう面倒な事になりそうだし、忙しいし「まあ見た目なんて気にしないさ」とか言ってスルーしてしまう可能性も充分ある…そしていつでも男は鈍感だから、そいういうサインに気づかないがち(筋書きの都合もあるけど)「ちゃお」とか読んで女児の流行とか勉強した方がいいかも(キモすぎ)。

令和の街中に野犬が殆ど居ないのと同じく、そんな少女は現代には居ない、という気はするけど、確実に福祉からこぼれ落ちている人は居るんだ、という事はコロナがハッキリと示した事もあって……笑ゥせぇるすまん喪黒福造が「老いも若きも男も女も心の寂しい人ばかり」と言い始めてから数十年、「タコピーの原罪」というエグい漫画が評判を取った事を考えると、どうなんだろうか…
とにかく歳を重ねる毎に、子供が酷い目に会っていると泣きそうになっちゃう事が判明…だって男の子だもん…

そして貧困に関しては明日は我が身なので、創作上の少女を気にしている暇があったら手前の仕事の心配をしろという意見もあります(切実)。

今年のVIPOは人間の温かい心を取り戻しているのだろうか、それが問題であります。


#ミュージカル 
#ピエロ人形の詩
#児童劇団大きな夢
#新百合子どもミュージカル

作 #山崎陽子 
演出 #櫻井みずき 
音楽 #薮内智子
振付 #フォスター千恵
美術 #土屋茂昭

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