カフカの「変身」と介護


プラハ滞在の折、カフカの博物館へ行ってみた。
カフカと言えば「変身」である。

「朝起きたら私は虫になっていた。。。。」

昔読んだような、読んでないような。。。と思い。
いい機会だから0円の電子書籍を読んでみた。
そうだ、これは筒井康隆だ。元祖不条理系。
ネットを見てみると、確かに筒井康隆はカフカに影響されていると
自分でも言っている。

虫になった私を、家族は疑問を持ちながらも最初は受入れて対処する。
私は、意思を伝えられないもどかしさを持ちながらも家族を気遣うが
次第に関係が崩れてゆく。
何度からの他人も含むトラブルがあり、体に損傷を得て弱り最後を迎える。
家族は何事もなかったように、別の生活に移行する。

どうも、この展開は何かと近いと思ったら、介護の話に近い。
これまた、ネットで見てみるとこれは介護の話だというコメントが多い。

カフカの時代に介護という概念はなかっただろう。
筒井康隆を死ぬほど読んだ中学生のころも介護という言葉は聞いたことがない。
2人の親を介護しみとった者として思うのは、
介護とは人間でなくなってゆくプロセスだと思う。

文京区と日高市に2拠点居住中。