著作権を侵害しなくても他人の利益を侵害することがある
著作権を侵害とは言えないけど何だかしっくりこない.
相談を受けていて、この感覚に襲われることが少なくない.
新しいことを始めようとすれば既得権益という見えない壁が立ちはだかる.
この「権益」という言葉は権利と利益を表す意味らしい.
権利と利益の侵害.
そういえば民法709条にそれにぴったりの文言があった.
民法709条は弁理士なら誰もが知っている.
「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」
他人の著作権を侵害していなくても、他人の利益を侵害している者も損害賠償の責を負うと書かれている.
著作権は侵害しない行為でも何かしっくりこない理由は他人の利益の侵害だろう.
何か新しいことを始めれば他人の営業上の利益を侵害する.
新規ビジネスが他人のビジネスのフリーライドなら新規ビジネスで得られる利益と他人が被る営業上の損害との因果関係も明らか.
弁理士に投げられる相談が手続的なものからビジネス知財に変わっている.
手続的な相談に困ることはなくてもビジネスと絡めた知財の相談は緊張する.
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