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夜の深さ20240719

寝室の窓は北東に向いていて、朝日が入って西陽が刺さないのが気に入っている。
カーテンを閉めても、窓の外は街灯のせいで薄っすら明るい。子供の頃から明るい夜しか知らないから、田舎の真っ暗な道とかとても苦手。
深夜、12時を越えても外にいた日々を振り返ると、私がもともとが早寝早起きなので、すぐ眠くなってしまって、結構付き合いが悪い女だったなと思い返す。
夏の夜、体の奥に熱を持ったまま、その熱の正体を知らないまま、薄着でフラフラ街を歩いた日。ウリ待ちの男性が地下街で距離を置いて佇んでいるスポットに行き当たり、自分の値段を聞いてみたことがある。
男は火のついた煙草を指に挟んだまま、上から下まで素早く私を眺め、「三万」と言い切った。
そうか、三万か。結構良い値段なんじゃん。
丁寧にお礼を伝えて、さっと引き返した。そうか、三万かと口の中で繰り返しながら。
このエピソードは、男に話す時のリトマス試験紙で、ものすごく怒って「2度とするな」と説教する人は、私のことを大切に思ってくれてるいい人、「ついていかなかったんだとか、なんで値段を聞いてみたのか」と質問を重ねてくる人もいい人なんだけど、私にあんまり興味がない人だ。

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