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不動産屋で独立して大丈夫?

こんにちは。たなかです。

不甲斐ない営業力で、20年以上も最前線の仲介営業をやっていました。これもひとえに関わって頂いたお客様・上司や部下など、常に人に恵まれていた状況と、長期にわたり担当させて頂いた、阪神間の豊潤なエリアのおかげです。

幸せな会社員生活でしたが、いろいろ思うところがあって辞めてしまいました。その理由については、改めて別の場所で書きたいと思います。

不動産会社に勤めながら独立を考えているあなた。
会社を辞めて、やっていけるか不安ですよね…。
非力ながらに独立した私が、不安解消ポイントを2点抜粋しました。

①人を雇わない
事業立ち上げ直後、自分一人がやっていけるかだけでも不安なのに、毎月誰かの給与を産出するなんて、非力組にはまさに無理ゲーです。いくら仲良しの人や、慕ってくる部下がいても、まずは一人で始めるのがおすすめです。一人で出来ることは限られますが、そこは不動産屋。関係者を上手に使いましょう。

②店舗にお金を掛けない
好立地の路面店舗でも、信用のない独立直後の不動産屋に、エンド客の来店はありません。コピー機の営業やポータルの勧誘など、零細不動産屋へのアポ無し来店はほとんどがクソです。地域にもよりますが、出来るだけ賃料を安くおさえて、ネット媒体や若手仲介さんとのランチ等、他にお金を使いましょう。(一人で営業してるとほとんど事務所にいませんし…)

要するに、お金が出ていくスピードをゆっくりにすれば、うまくいかない時期があっても、何とか乗り切れます。不動産業界は、良い時期と悪い時期の繰り返し。それは大手も零細も変わりません。

独立間際に、勤めていた会社の役員から、何を目標にやっていくのか?と聞かれましたが、実際目標なんて何もありませんでした。始まってもいない事業で綿密な目標を立てても、絶対その通りになんかならないし、達成出来ないことにメンタルを削られる方がマイナスだと思ったからです。

ものすごい勢いで情勢が変わっている今、実現の可否があやしい目標なんか立てるより、常に感度良くアンテナを張って、謙虚かつ柔軟な姿勢で、フットワーク軽く、目の前で起こることにベストを尽くす方が、お金と新しい人間関係を生みます。

独立の最大のメリットは、すべてが自己裁量です。

無駄な会議。
本社への数字報告。
誰かが起こしたクレームへの対応。
机上のケースからあふれた部下からの書類。

あなたを縛り付けていたおもりは、もうどこにもありません。

今日まとまった商談も、調査がきちんと終わっていれば、明日には契約できます。
販売中の自社物件に指値が入っても、誰の許可もなく3分以内で返答できます。

その代わり、全てがお金につながる真剣勝負です。

たなかが独立して1件目の仲介は、売主様のご自宅に買付を持って行き、金額とスケジュール、特約事項について説明し、指値に対する返事について話をする。たったそれだけのことで集中力を使い果たし、経験したことのない位、フラフラの状態になりました。

もって行き方次第で、100万円が0になるかもしれない世界です。商談も何パターンかのストーリーを考えて、往路で運転しながら頭の中で3回位シュミレーションをして、玄関の前で最後にもう一回、頭の中で練習してからインターホンを押します。

そこまでベストを尽くして成立した契約は、全て自分の手柄です、頂戴する仲介手数料も全てあなたのものです。じわじわと減っていた預金残高が一気に復活する瞬間、一人の事務所で頭から煙が出るほど悩んだことが、すべて報われます。

たなかは、みんな絶対独立したほうがいいよ!なんて軽々しくおすすめはしません。

会社を辞めたことを、後悔したりはしていませんが、毎日それなりに大変です。何もなければ16時で家に帰ることもありますが、家に帰って楽になるのは身体だけです。起きている間、頭の中はずっと仕事。見なきゃいいのにネットバンキングの残高を見たりして、酒の量はものすごく増えました…

でも、一点だけ良かったなと思うことがあります。

たなかは40代半ば、自分のことをおっさんの中でも、初老がせまるセミシニアなおっさんだと思っていました。もう成長することはなく、人間として変わることもなく、経験という貯金を使いながらこのまま歳を重ねていく未来…

でも、今は70歳まで働くことが前提になっている時代。22歳~70歳まで48年間働くとすると、いまが不動産人生のちょうど半分あたり、後半戦がはじまったばかりです(めちゃくちゃ身体はしんどいですが…)

人間40半ばを過ぎても、必要に迫られれば変われます。最初は本当に大変です。何年も動かしていなかった関節をフルに動かすようなものですから。それでも新しいことをどんどん受け入れて、全力でチャレンジして、失敗して落ち込んだり。おっさんなのにちょっと成長痛なんか感じる瞬間もあります。

いまからの時代は「個」が集まってチームを作り、一つのプロジェクトを成し遂げていくことも増えていくでしょう。不動産も例外ではないように感じます。一人では無理なことを、みんなで能力を持ち寄って、完成させるイメージです。(物上げ能力・客付能力・融資の知識・事務処理能力など)

業者さんとのお付き合いも変わります。お互いに経営者、ひとり不動産屋ならではの苦労話や、業務の相談も絶えません。今のうちから目線や価値観の近い人は、すごく大切にしましょう。独立してからはきっと一生モノのつきあいになります。

もし、今あなたが独立しようかな…と思っているなら、まずはレインズを開いて事務所を探しましょう。水曜日に行われる、全宅や全日の講習会に行ってみましょう(どちらも会員が欲しいので、マジでチヤホヤされます…)。先に独立した先輩に相談してみましょう。政策金融公庫に行って話を聞きましょう。

その上で、あなたが頭から煙が出るほど悩んで、1人で決断して、ダイブした未来ならきっと大丈夫。たなかレベルの人間でもなんとか生きてますから。






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