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うらの畠に
出て見ると
つめたい風が
ふいてゐて
はまの方から
なみのおと  数え年 八歳(大正十三年二月)
千鳥の詩文の魅力の一つに、水分過多でなく適度に乾いていて風通しが良いことが挙げられます。
「私」や「我」を前面に押し出すのでなく、控えめでありながら、その肉声や体温が確かな手ごたえで届きます。
「天稟」というより、「作者・作意以前の無辜・無垢の勝利」と呼びたいものです。
この『なみのおと』はその代表作のひとつ・おススメの逸品。
【千鳥の詩文のすべては HP「田中千鳥の世界」で公開、読むことが出来ます。】

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