掌の上で踊る

 現在、絶賛してやられた感でいっぱいである。やられたなーと思う半面、わくわくしている。だって、こんなシチュエーション、久しぶりなんだもの。

 それより少し前、別な人にしてやられそうになった。おお、思った以上に手強いのか!? しかし結局、掌で踊らされることはなく、逆にその人を知る手がかりを得られた。その人に関するピースはまだ足りない。なかなかの相手ゆえ、知る作業自体は楽しいのだが、そもそもその人に対する興味がそれほどないので一向にはかどらない。
 また、その人とも異なる人にも、ある意味利用されそうになった。現状に変化をもたらせたらなーくらいの感じだと思う。使い方を間違ってるなーと思ったけれど、まあちょっと乗っかってみるか、という状態。
 私がいいかなと思う相手なら、利用されても構わない。でも「利用していいですか?」と尋ねることなく、私がいいと思っている相手でもないのに利用しようとする人は嫌い。
 同様に、「踊らせますよ」と声かけることなく踊らせる人も嫌い。

 だが、踊ってしまったのである。してやられた。
 そのときは悔しくて、どうにか反撃したくてたまらなかったけれど、今はちょっと違う。
 そもそも、してやられたのは自分に原因がある。相手を見くびっていたのだ。そこまでではあるまいと高をくくっていた。そして、人間が多層構造の多面体であることを忘れていた。
 たった一面揃っただけのルービックキューブ。他の5面、なんなら多層になって見えてない面を含めればもっとたくさんの面が、未だ揃ってない状態。それでその人を判断してしまった。
 そりゃ、してやられるわけだ。たぶん感情が理性を超えてしまっていた。私は得てして感情によって失敗する。
 今回もちょっとだけおもしろそうと首を突っ込んでみたところ、大きなわくわくするエサを見せつけられ、引っかかってしまった。それは私を試すものだったのに。あるいは、選別するためのフィルター。ちゃんとその人はフィルタリングって言葉使ってたのに、見逃してた。今になって気づく、あいかわらずトロい私。

 しかし、だからこそわくわくしている。してやられて、一体どう反応するのが正解なのか。できれば正解は出したくない。いや、正解が何なのかわからないので、出しようがないのだけど。
 まあ、痛い目を見せられない程度に、自分の好奇心を満たそう。知りたいことを知ったら、それが私の撤退ライン。

  

  

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