見出し画像

福井映画祭13th #1

久しぶりに映画館へ。
今日は生き方見本市で周囲はほとんどが加賀へ行っている。@福井と@大阪に行ったが、そもそもイベントの趣旨に興味がないことに気づいた。私が知りたいと思うのは、一度以上話したことのある人。話の内容や振る舞いから、「この人をもっと知りたい」とインタビューを申し込む。見ず知らずの人の生き方には興味がない。そしてなにより、人がたくさんいるところは遠慮したい。
はて、今週末はどうしようと思っていたら、福井映画祭というイベントの情報が入ってきた。福井市内に40年以上前からあるミニシアター、メトロ劇場。福井のコアな映画ファンが足繁く通う場所で開催される映画祭は、きっとマイナーこの上ない作品ばかりで人も少ないはず。のんびり映画三昧といこう。

メトロ劇場には、以前は月一くらい通っていた時期がある。その後も気になる作品が上映されると観に行った。観客は多くても10人くらいだったのに、今日は4〜50人はいる。それでも、隣の人との間に左右1席ずつ空きがあるので、まったく息苦しくない。
70代くらいの、映画中にスナック菓子の袋を平気で音を立てて開け、においをまき散らしながら食べるような人、20代半ばくらいの小洒落たカップル、映画好きそうな置いているチラシを隅から隅まで見てる人など、観客はさまざま。私の後ろの席には若い日本人男性と外国人男性がいて、休憩時間にはこなれた英語でおしゃべりをしている。

今日の上映は長編2本、短編2本、そして別料金の作品の計5本。観客は長編と短編を採点し、その獲得点数でグランプリが決まる。
私が最高点をつけたのは、大森歩監督「春」。衰えていく祖父と美大生の孫の春から春へ1年の共同生活を描いている。孫の両親は一切登場せず、大学生の孫は徐々に介護で疲弊していく。
主役ふたりがすばらしい。祖父役はドラマや映画の脇役で名前を見る人だが、肉体的な衰えも見事に表現。1年という時間の経過がきちんと感じられる。孫は初めて名前を見るのだが、演技ではなく役としてそこに存在している。ふたりともとてもリアル。
30分弱なのに、90分の作品を観たかのようだった。それは冗長的ということではなく、密度が濃く、満足感が高かったことによる。短編ならではであり、長編にはならない作品だと思う。

一方、次点をつけた若葉竜也監督「来夢来人」は、ほぼワンシチュエーションで、そこに過去や今彼とのエピソードを差し込むことで長編に作り変えることができるように感じた。こちらも役者がよくて、セリフやセリフの間が絶妙。会場の空気がストーリーとともに動くくらい、観客は入り込んで観ていた。

長編2本も自主制作とは思えないクオリティ。ただ、言葉は悪いが、長いことをいいことに詰め込みすぎた印象。もっと整理して、と思うが、そこが自主制作ならではの味なのかもしれない。(自主制作映画を観たのは初めて)

明日はアニメーション。短い中に、実写でないからこその奇想天外が詰まっているのか、それとも…

ネコ4匹のQOL向上に使用しますので、よろしくお願いしまーす