ヒノキチオール　～蚊殺しの木～

ヒノキチオールを含む木とは

ふざけた話ですが、「ヒノキ」に「ヒノキチオール」はほとんど含まれていません。あの虫が嫌ってカビをつけさせない成分であるヒノキチオールは、日本の「ヒノキ」に含まれていないのです。ではそれなのになぜ「ヒノキチオール」と呼ぶのでしょうか。それは発見したのが日本人で、海外で成分を分析したせいかもしれません。

注目されない「ヒバ」

その名の通り、「ヒノキチオール」の発見者は日本人です。しかし日本の「ヒノキ」の成分から発見したのではないのです。なんと台湾ヒノキを研究していて、抽出・分離・発見したようです。ところがその後調べてみると、その成分は「日本のヒノキ」には見つかりません。なんとそれを多量に含んでいたのは「ヒバ」の方だったのです。「ヒバオイル」なり「ヒバチオール」にしておけばよかったのですが、それは後の話。

おかげでヒノキはいわれなく人気が出て、ヒバの方はいわれなく人気が出ませんでした。「ヒバ」よりも「アスナロ」の名の方が知られている地域もあるかもしれません。同じ木なのですが、これを漢字で書くと「明日檜」と書くのですから、間違いというのも酷な気がします。

蚊殺しの木

何がいいかと言えば殺菌性能が著しく高いことです。我が家もシロアリを避けるために、土台の木材はわざわざ「能登ヒバ」を使いました（記事サムネイル写真でも使用）。ヒバは別名、「蚊殺しの木」とも言われます。なんとこの夏も、一匹の蚊すら家の中で見ませんでした。建てて三年は蚊やゴキブリなどは出ないといいます（ゴキは見つけました。窓の網戸から入ったらしい）。

その殺菌力は抜群です。家ダニもまた三日で死んでしまいます。この効果を多く持つのがヒバとスギ、次にヒノキ、マツなです。家を建てるときにそのことを知っていると便利です。布団は外に干すのではなく、ふんだんにそれらを使った室内に干すのがいい。三日で撲滅できるほどなので、わざわざダニを吸い取れる掃除機を買わなくていいのです。

皆さんもぜひご参考に。

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天然住宅　田中優コラムより引用しています

ヒノキチオール - 田中優の“持続する志”