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やっぱキャラ立ては必要だニャン

というわけで、昨日21日のスペースのWEBTOONのお話はすごーくタメになりました。(以下思いつくままダラダラなのでご容赦)

その前のも聞いたけど、LOCKER ROOMさんのほうがよりね。

何と言っても飛び入りの レッドセブンの代表のお話が、まったくもって納得。マンガ編集者というか、お話作りに携わる人間として、ずっとWEBTOONの制作をされている方たちの言葉に感じていた違和感がスカッと氷解しました。やっぱそうだよねというのが正直な感想です。(聞いたかには分かると思います)大ヒットを連発しているスタジオの代表の言葉なので重いです。

その前の別のスペースでも感じたけれど、日本チームは、キャラ立ては何ぞやとか(キャラ立てと言っても一言で説明できるほど単純じゃないですし、面白い話を作ればそれは結局キャラが立つし。キャラが立ってない面白話ってありますか?)、それをストーリーにどう絡めていくのかに対する考え方だったりとか、なんというか、つまり面白いお話を作る基本的な勘所みたいなものに対する感覚(抽象的で難しい物ではありますが)が、すこーし足りなくない?と感じてしまいました。(エラそうですが、一応私も30年編集やってるので…経験値だけは少し多いです)

これは別にWEBTOONだとかなんとか関係なく、難しいテクニックもおいておいて、読者を

「退屈させねーよーに」

という目的を果たすためには、同じところだと思うんですけどね。
(ちなみに回想がダメなんじゃなくて、退屈な回想がダメなんですよ。
基本は「今、今、今」ですが。)

一番の敵はとにかく「退屈」。いくら安いスナックでも美味しくなければ誰も食べんわけですよ。

うまく言えませんが、「分析したけれど分析の仕方、分析結果とその理解が間違っている(足りない)」という感じでしょうか。でも、分析とか構造の把握だけじゃそうそう当たるものは作れないのは、映画もマンガもテレビでも何でも同じです。分析による錬金術はまあないと思ったほうがいいです。

それ位なら、数撃ちゃ当たるのほうが、まだいい気もします。

当たる作品(面白いではなく)を作る一番の基本は「退屈は敵」、どんなに些細な退屈も許さないワガママだと個人的には思っています。(当たることが全てとは言いませんが) 

あと等身の話も出ていたけど、ほーッという絵があることでもう退屈から逃れている訳ですよね。次々に色んな手を繰り出して、とにかく読者を退屈させなければ構造とかあまり気にしなくていいんじゃないかな。後から誰かが分析してくれるから。ただ、構造を無視して面白いものを作るのがなかなかに難しいだけで。

ちなみに漫画業界でも、面白さを構造型で考える分析型編集者と、コマ単位の積み重ね、瞬間の快楽の連続で考える感覚型編集がいます。

構造、分析、後マーケティングとか、こういう科学的だったり、数値化できるものも大事ですが、やはり「勘」とかのいわゆる魔術的なものがぜーったいに必要です。両方持ってれば最高です。そここそが実はスタジオの肝ではないかと。

どなたかが作家の個性の反対的なものとして、マーベルを上げていような気がしたけど(間違ってたらすいません)、同じスタジオと言っても成り立ちは全く違ってっていて、スタン・リーの伝記を読めば分かる様にマーベルメソッドこそ一人の狂信的な編集者の信念、勘が作り上げたものではないかと。スタジオの共同作業はむしろ、アニメの宮崎駿とは言わないまでも、才能あるかじ取りがいないと、山に登ってしまうかと。

昔から言い古されていると思いますが、クリエイティブは多数決では決まらないのですよ。(最終的には同じ結果だとしても)

ウームなんか今回は、昨日のスペースの刺激的な内容につられて、ついつい批判的な文章になってしまったのですが、私は「やられた!」「すげー!」とうなるものを読ませてくれよ!といく退屈しがちな読者なので、お許しください。とりあえず私は制作はしばらくは無理そうなので、読者としてこれから生まれてくる作品にすごく期待をしています。

それにしてもレッドセブンの代表も福井さんもめったに出て来ないレアポケモンみたいな存在だと思うので、あの場にいてラッキーでした!

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