2023年のアニメ感想まとめ
おまたせしました!2023年に見たアニメの話をします!
dアニメストアのお陰で今年もギリギリアニメオタクでいられます。
やはり人の生活はインフラ次第……。ネットで馬券が買えなければおれも競馬狂いにならずに済んだ……。
以下本文です。
・デリシャスパーティ♡プリキュア
前クールの「トロピカルージュプリキュア」が、見た目に反して非常に巧みな作品だったんですが、今作は愛嬌全振り。「ご飯って大事だよね」「みんなで食べると美味しいよね、元気が出るよね」というところだけブレなければ勝ち確定で、あとは付随要素がどうかという作りなんですが、この付随要素がガチっと(ボクに)ハマりました。
武士っぽくてかわいいキュアフィナーレと、幼馴染のゆいと拓海の関係性、おじさんが弟弟子より評価してもらえなくてグレてラスボス化するのが話の柱になっているところとか(正気?)。
イヤ、なんなんすかねコレ……。珍味。面白かったです!
・お兄ちゃんはおしまい!
引きこもりエロゲオタのお兄ちゃんが、優秀な妹の薬によって、女の子にされてしまい、中学校に通うことになるという、ほんとうにしょうもない話ですが、そんなしょうもない話を、「無職転生」のスタッフで、高いクオリティでやることで浮かぶ瀬もあり。
なんというか、作品が本来内包してしまっている下品さが上手いこと隠れて、全体的な印象が「ポップで可愛いなー」だけになるんです。バグですよ。
見終わって時間が経った今だと、魔法も解けて「あんま人様に見てること言えないよな……」てな感じですが!
・ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん
きょ、共感性羞恥……!!
ボク、高校時代演劇部でして、卒業公演の脚本を書いたのですが、それは
「登場人物(演劇部)がアドリブ劇をやって、それを実況と解説が評価する」というものでして……。
メタネタをイノセントに楽しんでしまう感じ、メタであればそれだけで面白かろうというプリミティブさ……!
そこに勝手にダメージを受けてしまいました。
まあこれはボクの問題なんですが……。
というわけで「恋愛シミュレーションゲームをメタ実況でいじったらこんな話だよな」というところ、その面白みからはズレてないので、興味のある人だったら……。共感性羞恥の無い方だったら……。
・UniteUp!
アイドルになりたい男の子たちがグループを組んで欠点を補いつつ、先輩たちから良い影響を受け、高みへ登っていくやつだ!最後はプロダクションの合同ライブだな!超王道じゃん!!と、1、2話くらいで、制作者のメッセージを完全に「理解」したんですが……。
まさかラスト1話で、商店街同士の草野球対決の助っ人回をやって、
主人公たちの商店街のおっさんたちが乱闘で痛めつけられる回をやるとは……。
誤解してました、お前は王道ではなく詭道を行く者……珍味……。
良かったです。
・虚構推理 Season2
珍味来ましたね!原作は第12回本格ミステリ大賞を受賞した、押しも押されもせぬ本格ミステリです。
本作に本格ミステリ大賞を与えるのが、ミステリ業界の懐の広さ、真っ当さですよね。
ただ、本作がミステリ大賞を獲ったのは1クール目の「鋼人七瀬」という、ちょいと長いシリーズなので、短編メインの2クール目は、より珍味としての自覚を持って、珍味やってます!(鋼人七瀬が珍味じゃないかといわれれば、珍味なのですが……/?)
OPを御覧ください。力士が立ちふさがり、木人が雷を発し、雪女が冷気を放ちます。
これが本格ミステリなのです!!
ただ、長期でやれるミステリは、大体キャラが良くて様式が整っているもので、本作もその例にはもれないので、見やすくて楽しい話だとは思います。珍味ですが……。
あと、おれは岩永琴子がかなり好きなんですよね……。惚れた?弱みがある……。
・痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2
概ね一期の焼き直しなので、好きな人向けですね。
一期のときにも書いたのですが、本作が提供するのは「こういう日常だったらいいな」なんですよ。
高望みしない、ゲームはゲームなので、テスト前はちょっと控える。
他の奴らからは一目置かれたい。協力して大きなイベントを攻略したい。
ありとあらゆる人から認められつつも、自然体で、日々を楽しむ感じ。
ネットゲームという題材で、このテーマに絞って描いてくる作品がウケるのは、時代性ですよね。
・スキップとローファー
原作ファンです。
本作のストーリーテリングとセリフは、まあ完璧だと思います……。
となると、アニメというメディアで表現する上で「どれだけ感情を動きや表情、演技に載せられるか」というファクターで見る必要があるわけですが……。出来てましたね!傑作です!以上!
ひとつだけ、本作は人間の機微が上手すぎて、人間関係のちょっとした嫌さを描くのがあんまりにも上手く、色々イヤになるんですが、その上で本作が尊いのは「人間関係を諦めない」からだと思うんですね。
それが難しいからこそ、上記のことを大切にしている本作は光り輝いているわけです。
・アイドルマスター シンデレラガールズ U149
原作をアプリでちまちま読んでます。本作を読むためにCygamesの漫画アプリを導入したボクです。
連載を続けるうち、原作はシナリオの手癖のようなものが改善されたんですが、原作初期の話をベースにしているアニメは、手癖が結構そのまま出ていて(原作準拠といえばそう)、直して良かったのにな……と思いました。
これは難しい話なんで、あんまり言ってもしょうがないんですが……。
・Dr.STONE NEW WORLD
島編22話です。忘れていたので面白かったです。(小学生か?)
イバラが異様に頑丈で、ずる賢いことのバックボーンが特に無いのが、
逆に位の高いヴィランっぽくてよかったです。
・江戸前エルフ
良いよねえ~。
江戸時代に異世界から召喚されたエルフが、なんか神様として祀られている神社でダラダラする話。
江戸時代から生きてるので、当時の風俗に詳しくて、ちょっとした知識欲のくすぐりが嬉しい。
ただ、本作が「ありふれた様式のなかでクオリティの高い良作」とするには勿体ないのが、1クールの中で、いずれ来る別れと、それでも永遠を信じたくなる感傷をしっかりとビルトインさせて作ってきたからですね……。
小ネタの美味しいコメディといえばそうなんですが、切なさのスパイスが、
メジャーなフォーマットの中でキラリ輝いています。
・ぐんまちゃん シーズン2
作中のロボットが「私は判断しないが、それは私が判断したことだ」とか言っていて感動しました(感動?)。
本作は、シリーズをなるべく続けて「流行ってる感」を出すことが使命みたいなところがあるんですが(断言?)、一応シーズン2では、本丸(群テレ)の視聴率自体は落ち着いちゃったんですね。
もちろん放映時間帯を変えたからというのはあるでしょうが。
ともあれ、がんばって続けてほしいですね……。
これ、県のブランド政策なんですが、政策感が適度に脱臭されてて、作品としてシンプルに面白いもの、あんまないですからね……。
・機動戦士ガンダム 水星の魔女
ボク1期は押しも押されもせぬ名作だと信じているんですが、2期はちょっと評価が難しいなという気持ちですね。面白かったですが……。
続いているビッグコンテンツで、主人公を女性にする苦労は想像するに余りありますが、2期めではスレッタの物語を動かす力が減じて、ボブに頼らざるを得なくなって、彼女がある程度物語の機能っぽくなってしまった感はあって、惜しいですよね……。
オチはサラッとクールで良かったんですが、色々外野から茶々が入って、そこも惜しい。
加点方式なら、かなり好き。減点方式だとまあまあの良作、くらいの気持ちです。(例として、オルフェンズは加点方式なら大好き、減点方式だとやべえ、なので、作品としてのまとまりは、普通にあると思います……)
・ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP
ナリタトップロードの主戦騎手だった渡辺薫彦現調教師が、ラインのアイコンを本作のキービジュのナリタトップロードにしてるの、味だよね。
移動中にダービーに敗退したナリタトップロードが泣く回を見て、俺やん……と咽び泣くの良いよね。
3冠を分け合った世代で、敗因がほぼないようなレースをどう読み解くかというのは、もう本シリーズのお家芸という感じですね。スタジオ違いますけど。
・無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~
共感性羞恥を覚えさせる手管、多くね?
ボクは本作を「絵が可愛い傭兵ピエール」くらいに思っているので、ある程度はOKなのですが、それにしても「いやもういいだろその話……」というのが多い。
うじうじ→成功→増長→失敗→うじうじのループというお家芸で、
話を回し続けるのもすごいとは思いますが……。
でも、やっぱ面白いんだよな……なんか、脱臭しきれてない獣性に、妙に惹かれます。
・おかしな転生
パティシエが大会で巨大なフェニックスの飴細工作ってたらそれに潰されて死んで転生する話なんですが(その飴細工の顔が陰険な顔なんだよ/いや、その演出だとパティシエの人格に疑惑が向かない?)、普通、転生先で物資が不十分なところでレシピを再現するところに妙味があると思うじゃないですか。
なんかね、普通に魔法使って戦ったり、子どもだてらに領地運営とかしてるの。
まあ良いけどさ……お菓子要素の配分というか……。
「こういうのやりたい」というのが先にあって、お菓子は後付なのかと思ってしまう。
これで面白けりゃいいんですが、なんというか、味が薄い……虚無に近い……。でも、それがボクの疲れた脳にちょうど良くて、最後まで見てしまったわけですが……。
人様には勧められないけど、こういうのが必要な人もいるよな……的なアニメでした。
ほら、実際無職転生とか、味が濃くて観るのに根性いるじゃないですか……。
・アンデッドガール・マーダーファルス
ありとあらゆる妖怪や、ホームズやポアロやルパンが登場し、鳥かごに入れれた首だけの探偵と対決するアニメなんですよ……珍味すぎる。
なんか画作りを徹底してB級っぽくしてるのが偉いですよね。
オサレ系に振ってもよさそうなもんですが、だからこそ
ちょっと無理筋みたいなものもスっと入ってくるわけで。
・悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。
悪役令嬢モノです。悪役令嬢っていっても、限度があるじゃないですか。
才能があるため貧民街から連れてこられた義弟を騙して、その手で実母を殺させたりとか。
騎士団の団長である父を尊敬しているが素直になれない息子の前で、その父親が見殺しにされるのを見せつけたりとか。
愛する人の命をちらつかせて、宰相に人狩り法案を制定させて、人民を殺しまくって宰相病ませるとか(愛する人は死ぬ)。
これですよ、ジャンルが爛熟すると、多様性でこういう変なのが生まれる!
ありがてえ~。
悪役令嬢モノというジャンルを築いた「はめフラ」の主人公役である内田真礼が、上記の義弟役をやってると、なんか「禅譲」っぽくていいですよね。↑これは寝言なんですが……。
さておき、自分が将来最強外道ラスボス女王になってしまうだろう恐怖から、主人公が、オトした男たちに「もし私が間違ったら、私を殺してちょうだいね」と言って回る様式が、もうなんか真面目にやればやるほど面白くて、もう虜ですよ……。
・アイドルマスター ミリオンライブ!
(ここから、アニメの出来に直接関係ないことを書きます)
ミリオンライブというコンテンツは、一度アニメ化企画がポシャってるんですね。
本作は元々がGREEのブラウザゲームで、アニメアイドルマスター(無印)の制作会社であるA1ピクチャーズがイラストを手掛けていて、低レアでも非常に作画クオリティが高く、且つ、アニメへの橋渡しも容易であると、楽曲も多ければキャストの青田買いも見事で、アニメ化は順番待ちだろうな……くらいの感覚でいた人が多かったと思うんですよ。
(何なら周年で、アニメPVが作られましたしね)
で、そこからの、アニメ制作の体制見直し発表で、さらには後発のシリーズに話題が移っていくなかで、ようやく3DCGベースで制作されました!といっても、「義理を果たしてくれたんだな……」くらいの、諦めに近い反応が多数でした。
で、死に水を取りにいくような気持ちで先行上映を見に行ったわけです……。
(以上、しょうもないお話でした)
傑作です。10年の月日を一本の作品にまとめ上げ、同時に未来へとつなぐ、
その上で10年間を支えてきたキャラクターを描くことを、ギリギリまで諦めないという気概をひしと感じました。
OP 見ました?ラスサビで39人出すの無理筋でしょ?でもやるのがミリオンライブ。今思えば、白組制作で、3DCGベースになったことで、初めて
この方向性に出来たのかもしれないと、得心が行った思いです。
自分が好きなものを、誰かがずっと途切れさせないように守っていてくれて、そして繋いでくれた。こんな祝福は、人生でなかなかないですよ。
・オーバーテイク!
F4(F1、F2、F3の下のカテゴリ。若手レーサーの登竜門)を題材にしたアニメです。座組がほぼ、アルドノア・ゼロなんですよね。監督はなんでもできるあおえきえい監督。
画面がキレイなんですが、本作の根底にあるのは
「こいつの良さを」「こいつの頑張りを」わかってくれ!
というプリミティブな情熱なんですよね。こだわり抜いたF4のシーンもそれ由来なんでしょう。
ただ、作品としてまとまりがありすぎて、逆にあんまり記憶に残っていないという……。
・私の推しは悪役令嬢。
作中語られる道徳がちょっと幼稚というか、よくいえば教科書的、
かつ、むき出しで、痛々しかったのが難ですね……。
ただ、最後まで見てみると、なんだかんだオンリーワンの味は出ていたので、良かったと思います。
貴族も通う学校の調度品が、役場の会議室みたいなアセットでも、ギリギリ萎えないのは、転生ファンタジーのお約束が、人口に膾炙した証左でしょうか!?(知らないよ……)
・聖女の魔力は万能です Season2
いい年した男たちが、一人の女性を巡って牽制にもならない牽制をずーっとしているのを楽しめる人向けです……!
主人公のセイを嫌味っぽくしないためのバランスの犠牲に男たちがなっている気がしますが、セイが嫌味っぽくなる方が作品にとって取り返しがつかない気がするから、制作陣の誠実さなのかもしれませんね……この変な味は……。
・ウマ娘 プリティーダービー Season 3
キタサンブラックは衰える前に潔く引退したというイメージがあったんですが、血反吐を吐くような薄氷の勝利と完全燃焼があったという解釈で(サブちゃん的にはその方が実感としては正しいとかなんとか)構成したシリーズです。
人気コンテンツの三期目であること、キタサンブラックのレースが記憶に新しいこと等、色々難しいところがありながらも、納得できるところに落とし込んでくるのは流石です。
楽しみ方が、大河ドラマとかなり近くなっちゃうんですよね……ウマ娘のアニメ……。
・16bitセンセーション ANOTHER LAYER
おっさんオタクにおもねったアニメか……とたかをくくっておりまして、まあ実際そのケはあるんですが……。基本、大事なところでパロディに逃げず、ラブコメの力を信じて戦い抜いたところに、一個の作品としての良さが出ていたと思います。
黎明期・過渡期の雑駁さを全肯定するのは無理筋というか、不誠実ですから。狂騒は、思いを馳せるくらいがちょうどいいでしょう……。
・ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~
断頭台の露に消えた姫が「このまま行くと私は処刑される」という情報くらいしか持たずにタイムリープする話で、いわゆるベーシックな異世界転生とは違って、カラ手で鉄火場に行かざるを得ないところに面白みがあります。
周囲の人間が、姫の短絡的だったりその場しのぎだったりする言動を、無理矢理理屈付けて過大評価する、強靭な様式。
悪役令嬢ものの、生き延びたいというエゴ由来でする親切は、見ていてストレスがないのも強いです。
飛び道具らしい飛び道具を使わず、セリフとプロットで魅せるアニメはありがたいですよねえ。
(あとOP が最高。毎回OPを楽しみにできるアニメは素晴らしいよね)
・ビックリメン
本作を「これは俺に向けて作られている」って思う人間いねえんじゃないすか……?別に俺に向けて作れとは思わないし、俺向けのアニメだ!は往々にして勘違いだと思いますが、でも、誰かに向けて作品を作る時の祈りみたいなものに触れると、それが直接自分に関係なくても、感動するじゃないですか。(最近、子どもが親に持たせてもらってるバッグの柄とかで泣けるよ/それは病気だよ)
本作はそういうのが特にないですね……ボクの感性の問題かもしれませんが……。これが令和のビックリマン……。
・SPY×FAMILY Season 2
以前本作を「続けるためだけに続けてる」みたいな文句を言ってしまいましたが、いやもう、これをなるべく長く続けようとするの、無理筋だろ!みたいな気持ちが勝ってからは、そういう批判は的外れだと思うようになりました。
本作のキャッチーな部分すべてが、本作を続ける上での足かせになっている……!サッカーの試合に「手を使えばいいのに」なんて言うのは野暮か物知らずだぜ……。おっさんのスパイファミリーの楽しみ方は、もう別フェーズに移行している……。
・蒼穹のファフナー THE BEYOND (TV Edition)
本作も、いくらでも続けられるんだな、アニメシリーズ……と、謎の感心をしてしまう作品ですが……。
いやあでも、それくらいだな。慣れ親しんだキャラが死ぬかもしれないというのをフックにして視聴を続けさせる手法は(意図しているかしていないかはさておき)、どうしても倦みが出てきます。見ても別に幸せになれねえもんな!
作品を貫く鉄芯のような必然であっても、それに作為を見出してしまうわけで。しっかり見せないようにしていたものが、続けることでどんどんむき出しになり、そこにシリーズとしての寿命を見出してしまうわけですね……。
んで!2023年のアニメTOP5はこんな感じ!
1 アイドルマスターミリオンライブ
2 江戸前エルフ
3 スキップとローファー
4 機動戦士ガンダム 水星の魔女
5 ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~
2024年も素敵なアニメにめぐり逢いたいですね。
ではでは。
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