フリーミアム[5-3]

写真ACのフリーミアム 

写真素材を、無料でダウンロードし、利用できる写真ACは、

フリーミアムとコーズリレーテッドマーケティングを融合した、考え抜かれた仕組みです。

写真をダウンロードする場合、これまでのフォト販売サイトは、ただ単に有料でしたが、写真ACは、何枚ダウンロードしても、無料。

ただし、ダウンロードできるようになるまで、15秒間待たなければなりません。

15秒間、待つのがストレスなら、月々153円を払えば、待ち時間ゼロになります。
フリーミアムです。


写真を提供する側のメリットは、稼ぎになること。
http://www.photo-ac.com/creator/auth/register

しかも、1ダウンロードごとに、0.1円を、写真ACが、日本赤十字社へ寄付する仕組み。コーズリレーテッドマーケティングですね。

どうして、タダで配って寄付までできる仕組みが可能になるかというと、答えは、広告収入。

サイトを御覧になってみれば分かる通り、あちこちに広告がベタベタ貼られています。

たとえば、GoogleのAdsenseですと「1ページあたり広告三つまで」と決まっていますが、

特例で、社会貢献に限り、その制限が外れますので、

コーズリレーテッドマーケティングを用いることで、Adsenseの制限から免れ、何ヶ所も広告を貼れるのでしょう。


通常、こうした、広告だらけのサイトは、嫌われる傾向にありますが、

「あなたのダウンロードが、日本赤十字社への寄付になります」

と言われりゃ、悪い気しません。よく考えられた仕組みです。

筆者もブログに利用させてもらっていますが、残念ながら、写真の点数が多い反面、種類が少ないので、別な有料サイトからも、写真を購入しています。

これから、写真の種類が増えてくると、既存の写真販売サイトにとって、脅威になるでしょうね。

フリーミアムの弱点

Wikipediaによると、

フリーミアムは、インターネットやWebサービス、ソフトウェア、コンテンツのような無形のデジタル提供物との親和性が非常に高いと解説されていますが、決定的な弱点が、あります。二次利用です。

写真ACも、再配布の二次利用を禁じていますが、ダウンロードしたユーザーが二次利用しなくても、第三者が二次利用する可能性、大。

写真ACの素材が、二次利用されているかどうか分かりませんので、このブログを例に挙げますと、

主語を書き換える(A社は→同社は)等、自ら書いた文章のように公開されていました。まるで、

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」

国境の長いトンネルを抜けると島国であったへ書き換えるようなものです。


しかし、別に、それはそれで、いいんです。そういう人達ですから(と思わなきゃ、あまりに多すぎて、やってられませんて)

問題は、二次利用による、文責です。

サイトは、プロの校閲が入りませんから、著書とは異なり、事実校も、文字校も、著者校が関の山。

読者さんも、記事を信用しているのでしょうけれども、

その記事の中に、間違いが含まれていたら、誰が責任を取るのでしょう?

実際、軽微な事実誤認がありがち。

転載されていた記事を読んでいて、違和感を覚え、調べ直してみて、わかったことですが、勘違いレベルの間違いが一ヶ所ありました。

それが、事実として、拡散しています。


ページビューは、おそらく、メルマガ発行部数の比ではないどころか、ケタが二つ三つ違うでしょう。

(だから、転載したい時は、筆者(小笠原)が文責を負いますので、お申し出くださいと断っているのですが)

このように、一旦作者の手を離れてしまうと、どこで、どのように使われるかわからないのが、フリーミアムと親和性の高いデジタルコンテンツやインターネットの弱点。

これが、メルマガや、大学の卒論程度ではなく、理研の小保方疑惑のレベルとなると、組織の存亡をかけた社会的な信用問題になります。

おそらく、そうした※弊害が、これから噴出してくるハズ。

※ フリー(無料)= フリー(自由)の履き違え

自社の社員が、そうした事件を起さないよう、企業としてソーシャルメディアポリシーを掲げ、危機管理しておいたほうが無難です。

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