営業戦略の型が三つのみは本当か検証する 前編

AIDAの法則を組み合わせると三通り


以前『営業戦略の型は三つしかない』と書いたところ、

「それしか無いの?うそ!」

と面食らった読者さんがいたようなので、補足しますと、

商品が売れるまでの段階は、4つしかありません。

まずは、ご存じ、AIDAの法則。

Attention(注意)… 知る
 ↓
Interest(関心)… 興味をもつ
 ↓
Desire(欲求)… 欲しくなる
 ↓
Action(行動)… 買う

と、購入へ至る4段階の心理フローで、このAIDA法則の到達地点は、最後の、

Action(行動)… 買う = 売れる

ですので、これを外したら商売になりませんから、AIDAの法則は、三つの組み合わせになることが分かります。


【組み合わせ1】

Attention(注意)
 ↓
Interest(関心)
 ↓
Desire(欲求)
 ↓
Action(行動)

【組み合わせ2】

Attention(注意)
 ↓
Desire(欲求)
 ↓
Action(行動)

【組み合わせ3】

Attention(注意)
 ↓
Action(行動)

この(AIDA)3つの組み合わせしかありません。なので、型は三つになります。

読者Mさんからの想定問答

このブログの読者さんには(Mさんのような)ツッコミ隊がいますので問答集を想定しますと、

【組み合わせ4】

Attention(注意)
 ↓
Interest(関心)
 ↓
Action(行動)

は、あり得ません。この組み合わせでは、AIDAフローから逸脱する※からです。


Desire(欲求)→ Action(行動)の流れ。Action(行動)はDesire(欲求)のあと。

さらに重要なのは、Desire(欲求)に位置する

・必要(ニーズ)

・欲望(ウォンツ)

をスッ飛ばすことになるからです。ニーズもウォンツもない商品は売れませんよね?


「いや、組み合わせ3だって、Desire(欲求)をスッ飛ばしているじゃないか」

って?

【組み合わせ3】

Attention(注意)
 ↓
Action(行動)

なるほど確かに、Desire(欲求)をスッ飛ばしていますが、たとえば、テレビ通販を思い出してもらえれば分かりやすいように、

組み合わせ3の場合、Interest(関心)とDesire(欲求)はAttention(注意)の中に含まれます。

テレビの通販番組を見て、関心を覚え、欲しくなり、行動を起こす(買う)という、最短コースです。

コストさえ抑えられれば、理想形かも知れません。Interest(関心)とDesire(欲求)の別行動なくして、チラシ一枚で売れるようなものですから。

他には、店舗や、小売店で販売されている無名の商品も、然り。


店舗は、お店そのものがAttention(なので立地が重要)です。

お客さんがコンビニの中に入り、何に関心(Interest)を払い、何を欲しがる(Desire)か?は、お客さん次第。

雑誌を買うか、弁当を買うか、何も買わずに出ていくか、お客さんの自由です。

また、小売店で販売されている無名の商品は、パッケージやプライスカードがAttention(注意)になります。

「へえ、こんな商品があるんだ」という出会いは、小売店の店内で生まれます。

BtoBでも、ごく稀に、知らせるだけで、Interest(関心)とDesire(欲求)が
発生し、すぐに売れることがあります。広告媒体が好例。

Interest(関心)とDesire(欲求)が、お客さんに委ねられているからです。


【組み合わせ5】

いきなりAction(行動)

も、あり得ません。

「いーや!黙っていても、売れていく商品があるだろう」

という反論もあるでしょうし、確かに、販路が確定していて、新規客を必要としないメーカーや、

仕入れ先も販売先も固定している卸ならば、黙っていても売れていくでしょうけれども、

黙っていても注文してくれる顧客や販路を築き上げてきた先人達あっての結果であることは間違いありません。

逆に【組み合わせ5】を、たとえるなら、マンションの一室に事務所を構えて、

「さあ、買ってちょうだい」

と、果報を寝て待ったって、誰も買いません(知りません)


以前に書きました、

「士業で勝ち残る秘訣は、自分を、一介の営業マンだと思い込むことですよ?」

ということです。

余談ですが、このブログの読者さんから、

「士業に合格して、自宅で開業しようと思っています」

というメッセージを頂きましたが、開業するのと、開業し続けるのは、別です。

いろいろなサイトに「独立しても三年以内に廃業とか」「廃業率は六割」等と載っているように、

国家資格があるからといって、安易に独立すると、数年後に再就職するか、別の商売へ鞍替えせざるを得ないのは事実なようです。


現役の士業の先生方が「どの士業も厳しい」とおっしゃっていますから、本当ですよ?

士業で勝ち残るには、

「自分を一介の営業マンだと思い込むこと」

という秘訣は、V字回復できた現役の先生方の胸の内に間違いないようです。

後編へ続く

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