営業活動とは?

営業とは?

営業には、幾つかの意味がある。

まず一つ目が、受注可能な時間帯のこと。籠城戦タイプの営業時間である。

入り口が開いているからといって、営業 時 間 外 に店内へ足を踏み入れると、

「お店、閉まってるんですケドッ!」

と追い払われることもある、店舗の絶対ルール

それならば、開店準備を整えてから入口を開けるか、入口を閉めてから閉店後の作業にあたれば良いと思うのだが、どうやら、一部の店舗にとっては、顧客の都合よりも優先される憲法的な存在の模様


二つ目が、野戦タイプのプロモーション活動。

都市圏のタクシーは、ただ単に空車を走らせているのではない。乗客を求めて営業している=流している。

また、芸能人の「営業」といえば、ホテルや店頭などの場所へ赴き芸能を披露する活動を指す。

三つ目が、法律上の定義。商法では、商人が行う商行為を営業と定義している。

また、商法における営業は、営利追求のみならず、企業活動全般を指す場合もある。


たとえば、営業権の譲渡とは、社屋、工場といった有形資産 および ブランド(のれん)、顧客との交渉権といった無形資産も含めた企業資産の譲渡を指す。

四つ目が、新しい顧客を開拓し、維持し、深耕する、攻城戦タイプの営業。

いわゆるセールスのことであり、この活動を営業(セールス)活動と呼び、この活動に従事する人を営業(セールス)マンと呼ぶ。

今回は、この四つ目の意味の「営業」における心構えをテーマにお届け。

営業マンに必要な力量

前置きが長くなってしまったが、攻城戦タイプの営業に焦点を当てるとしよう。

パーフェクトな営業マンに最も必要とされる力量(スキル・知識・能力)は何だろうか?ちょっと考えてみて頂きたい。

商品知識?

もちろん大事だ。商品の説明を求められて「さあ、知りません」では、営業にならない

営業テクニック?

かなり重要に違いない。営業トークやプレゼンテーション技術など、この分野に関する書籍が山のように売られているほどだ。

対人スキル?

とうぜん必要だろう。対人スキルを必要とせずに売れるのは自動販売機くらいのものである。

さて、あなたは、どれが最も主要だと思うだろうか?


営業本として第4版20刷ものベストセラーを著し、20年以上も企業トレーナーとして活躍し、自身もコーチング会社の社長であるティム・コナー氏によると

     パーフェクトな営業マンに最も必要とされる力量は「心構え」

心構えとは、信念・覚悟・意欲・目標・熱意・自信・共感・努力・強い意思・目的意識・向上心・自己管理・創造性・高いモチベーション等のこと。

パーフェクトな営業マンは、この「心構え」が50%を占め、以下「対人スキル」25%、「営業テクニック」15%、「商品知識」10%と続く。

意外なことに、商品知識の占める割合が最低である。

これぞ、営業マンは、品物を売っているのではない証拠。営業マンは営業マン自身を売っている。

保険やクルマといったBtoC商品を、新人の営業マンが親族へセールスするのも、商品以前に、営業マンが優先される=契約に結びつく故。

営業の仕事とは?

営業マンに最も主要なのは「商品知識」よりも「心構え」であるということは、営業マンは、品物を売っているのでは無く、営業マンの人柄を売っていることに他ならない。

これは、筆者が提唱するマーケティングの「人柄を付加価値にせよ」と一致する。

ところが現実には、商品を売るのが営業の仕事であると勘違いしている営業職が多い。多すぎる。売りこまれる方が困っちゃうほど多すぎる。

そういう営業マンに限って、取引前、あれほど盛んに

「買ってぇ(´Д`о)人≡人(o´Д`) 買ってぇ(´Д`о)人≡人(o´Д`)」


と、矢のような催促を飛ばしていたにもかかわらず、売買が終わったと同時にパタリと音沙汰がなくなる。

品物と対価の交換が終わって、金銭を手に入れれば、それでよいと考えているのだろう。

攻城戦タイプの営業において、それは大~~~~~~~~~~~~~~間違い。

攻城戦タイプの営業は、売ってからが真の営業といっていい。

お金を払うのは誰?

取引が成立するということは、金銭の授受が発生するということである。

では、お金を払ってくれるのは誰か? 鳥か? サルか? 金魚か? ミノ虫か?

当たり前すぎるほど当たり前だが、お金を払うのは 人 間 である。

ということは、営業は、カネが目的ではない、人間が目的なのだ。その人間を世間では「お客さん」と呼ぶ。

お客さんに「いつか頼みたい」「また頼みたい」「もっと頼みたい」と思ってもらうのが、攻城戦タイプの営業スタイルである。

この仕組みを筆者は“営業戦略化”して販売しているが、以上の話が通じない人には絶対に売らない。営業に対する考え方が根底から異なる。

「カネさえ入れば、支払った人間がどうなろうと、もう知ったこっちゃない」

と考えている営業マンは、新規のみを追い求める野戦タイプの営業スタイルを永久に繰り返せばよい。


確かに、営業は、数字との戦いである。数字はシビアにつき、どうしても数字を追うようになる。

しかし、数字は、お客さんがあってこそ達成できる事実を忘れないで頂きたい。

ビジネスは「カネとコネ」と言われるが「カネとコネ」は並列ではない、コネにカネが付いてくるのである。

それを知る営業マンは、きっと、優秀な営業マンに違いない。

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