チャンピオンズミーティング考察・サジタリウス杯の編成について

 まず前提として僕の考えるサジタリウス杯のTierは以下の通りです。同脚質内における優先順位は左ほど高くなります。

 この6名をどう編成すべきかという観点で話をします。これ以外のウマ娘は考慮しません。なお、僕はこの中でタイシンが最も強いと判断しています。時点は水マルと冬オグリです。

おすすめ


 結論です。サジタリウス杯の有効な編成は以下の2つになります。
・逃げ逃げ追込
・先行追込追込
 前回記事で賢さを盛れるなら逃げ2、賢さを盛れないなら逃げ0を基本にすべきという話をしました。今回は逃げの勝てる環境なのでその基本の通りに編成することになります。では、各編成の詳細を見ていきましょう。

・逃げ逃げ追込

 サジタリウス杯で最も勝率を安定させるならこの編成だと思います。最も強いウマ娘であるタイシンを編成する。最も安定して勝てる脚質である逃げを編成する。逃げの勝ち筋を確保し、仕上げたタイシンの強さをより活かすため、2人目の逃げを編成する。詳細は後述しますが、これ以外の編成はどこかに運負けの要素が色濃く残ります。
 この編成の問題は、格上もしくは同格の相手に対して有利な要素がないことです。運の要素を減らし、実力差で勝負を決めやすくする編成ですから、格上が来れば実力差が反映されて負けやすくなります。また、また、運の要素を減らすことにリソースを割いているため、同格の相手に対してもやや不利です。逃げの2人目であるウンスは基本的に勝ち負けに関与できず、デバフのように他メンバーのアシストができるわけでもないからです。
 ただ有馬記念の環境で逃げを仕上げられるトレーナーは、間違いなく一握りの強いトレーナーです。このレベルにある人は、格上や同格の心配をするより、運負けの心配をしたほうがよいと思います。

・先行追込追込

 賢さを盛れないトレーナーはこちらの編成になります。逃げ2未満であれば賢さの差が反映されにくいため、賢さで差をつけられても勝利を狙えます。逃げ0であれば先行が逃げのポジションにいく、いわゆる「幸運先行」の目もあります。また、賢さを盛れないトレーナーであっても冬オグリであれば賢さ育成をしやすいため、対面に格上の逃げ2を引いて馬群が伸びた時でも、オグリは対応可能であるという点でも優れています。
 この編成の問題は、単純に安定しないことです。逃げ2未満のレースは馬群が伸びないため、例え逃げ0の幸運先行であっても後ろに差し切られることはままあります。そして馬群が伸びないため逆噴射が起きやすく、後ろのポジション争いは運の占める割合が多くなります。
 ただ賢さを盛れない時点でスキル発動率、掛かり率、位置どりなどは不利であり、そもそも安定を望めないわけですから、とにかく強い駒を3枚並べて勝ち目のあるレースをするほうが大事だと思います。

次点

次は今までの2つには劣る面があれども採用に値する編成について述べていきます。

・追込追込追込

 賢さを盛れないトレーナーであり、かつ冬オグリの採用が難しいのであればこの編成でよいと思います。先行がいる場合と比べて幸運先行の目がない、例外的に賢さを盛れる冬オグリがいなくなるため、逃げ2展開に弱いという欠点はありますが、大きな問題ではありません。
 ただし、追込にドーベル固有を継承したい有馬記念においては、追込3枠は互いに互いの勝ち筋を潰し合ってしまうという問題もあります。
 僕は「互いの勝ち筋が背反しない」というのは編成において重要な要素だと考えているため、この点と賢さを盛ったオグリを出せるという点で先行追込追込には劣るものの、十分に有力な編成だとは思います。

・逃げ追込追込

 賢さを盛れるトレーナーであり、かつ逃げ1展開で逃げが死に、しかも追込が逆噴射して負けるリスクが上がることを許容できるなら、この編成を採用できます。
 逃げ逃げ追込と比べて安定感では劣りますが、逃げ2展開に対応しつつも強い脚質である追込が2人いるというのは少なくないメリットです。相手の先行が中盤で逃げをまくる型でなければ幸運先行の目を潰すことにもなります。相手に格上や同格を引いても逃げ逃げ追込より目があるため、採用する価値は十分にあると思われます。

おすすめしない

ここから先は推奨しない編成です。

・逃げ逃げ逃げ

 逃げの勝ち筋は「中盤で1位をとってアンスキを出す」以外にありません。水マルが1位をとれば他の逃げは何もできず、水マルのアンスキが不発した際にフォローできるキャラがいなくなります。2枚編成する時点でその問題はあるのですが、単逃げのリスクが大きすぎること、また2枚目がウンスであれば不発リスクはむしろ減らせることから、逃げ2までは逃げを複数編成するメリットが存在します。3枚目になるとメリットが少なくなるため、推奨できません。
 そもそも、3枚目として採用したい逃げもいなければ、追込を捨てるほど逃げが強いわけでもありません。
 素直に逃げ逃げ追込を採用したほうがよいでしょう。

・逃げ逃げ先行

 先行と逃げの勝ち筋が一部競合しているという欠点がそこまで大きいかの判断は人によると思いますが、逃げと全く競合しない追込を捨てて多少競合する先行を採用する理由に欠けます。冬オグリをスリセ型にして中盤前に出さずに戦うなら競合しなくはなりますが、その型でもタイシンより優先する理由が特にないように思われます。
 こちらも素直に逃げ逃げ追込を採用したほうがよいと思われます。

・逃げ先行先行

 2枚目に採用したい先行もいなければ、先行を2枚編成することの強みもありません。

・逃げ先行追込

 単逃げのリスクがある。幸運先行の目を潰している。賢さを盛れるトレーナーでなければできない編成であるにも関わらず、馬群が伸びず賢さを活かせない。さらには先行の勝ち筋には逃げと同じく「中盤で1位をとってアンスキを出す」がありますが、この編成だとそれに頼れません(頼る場合は水マルの勝ち筋と競合します)。それぞれは強いウマ娘ですが、それぞれが抱えるデメリットを庇い合えない構成だと思います。

・先行先行追込

 2枚目の先行は不要です。追込を2枚採用してください。

・先行先行先行

 2枚すら不要なのですから、当然3枚目も不要です。

P.S.

 編成を決めることは、負け方を選ぶことでもあります。
 編成を決める際には単純な有利不利や勝率だけでなく、その編成はどういう時に負けるのか、決勝でその負け方をした時に許容できるのかどうか、を考えてみるのもよいのではないでしょうか。

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