見せ算からアプローチする、2023年のM-1

※本noteはジョーク記事です。


見せ算とは、お笑い芸人・さや香の新山先生が発明され、X2年のノーベル数学賞でノミネートされること間違いなしと、かの麺ジャミンバトン氏もお墨付きの数式である。

見せ算の数式的美しさだとか、原理原則だとかについては新山先生の右に出るものはおらず私めが語るには値しない。語るにしても本noteにおいては余白がだだっ広いため割愛したい。
これより語るのは主題にもある通り、2023年のM-1において、見せ算の概念を適用すれば優勝したのは一体誰だったか、というM-1への数学的アプローチである。

なお、この数学的アプローチを理解するにあたっては本来、大学院レベルの見せ算への知識が前提である。しかしながら本稿は初学者も見られる可能性が多分にあり、大学院レベルの知識で語ったところで誰も理解できまいであろうから小難しい理論は割愛し、簡単に誰にでも分かるように解説したいと考える。
また私にも研究者の端くれとしての矜持がある。難しいことを難しいまま語るのは馬鹿のやることであり、そんなものは衒学と同じである。優秀な研究者というのは、難しいことを誰にでも分かるように説明するから優秀なのである。

 ◇

まず2023年のM-1において、審査者は7名いた。
そうして投じられた票はヤーレンズに3票、令和ロマンに4票、そしてさや香には1票も投じられていない、すなわちゼロである。

ここで読者には3か、あるいは4の気持ちになってほしい。
貴方は道を歩いている。どんな道でもよい、とにかく歩いているのだ。すると向こうの方から一匹の数字が歩いてくる。4か?5か?違う。あの丸い流線型のフォルムは6か?8か?9か?
目を凝らして、よく見てみる。

すると貴方の身体は身震いし始め、先程まで歩みを進めていた足が一つも前に動かなくなる。それどころか逃げなければ、と考えているのに貴方は踵を返すことができない。
貴方が感じているのは生命を持つモノが誰しも心の何処かへ抱える根源的な恐怖である。その恐怖は、佐賀県に訪れたはよいものの、ここから一生出られないのだ、と気がついた際の恐怖に似ている。
やがて貴方の眼の前に例の数字がどでんと、構える。楕円状にまあるい数字。

”ゼロ”だ。

ゼロは「乗算」と言う。
その瞬間、3か、あるいは4である貴方の身体は忽ち雲散霧消して消えてしまう。まるで、最初からそんな数字など、どこにも無かったかのように。
そうして次に目を覚ましたとき、貴方は自分の身体もゼロであることに気がつく。否、違う。貴方は目の前のゼロと同化したのだ。

思い出していただきたい。
ヤーレンズは3票、令和ロマンは4票、そしてさや香が獲得したのは0票であったことを。
すなわち、あの場で見せ算の理論を応用すれば、優勝していたのは――。

 ◇

以上が、見せ算の見解から考える、今年のM-1である。
前述の通り、本noteは初学者向けに見せ算を噛み砕いたものであり、見せ算の真理により迫りたいという物好きは門を叩かれたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?