見出し画像

マカロン・ラプソディー③揃えた道具

 憧れのかわいい美味しいお菓子マカロン。たくさん食べたいなという原始的な欲求から、日々オーブンに向き合うことになった。そして、製菓材料専門店に足繁く通うことにも…。
 
 製菓材料店が、幸い自宅からほど近くにあって、とても便利だ。子供の頃はよく、母の買い物にくっついて行ったものだ。パンを大量に焼いていた母は、強力粉を10kgとか、どすんと大袋で買っていたもので。ここの棚はとても楽しい。色とりどりのチェリーとかスプレーチョコ、数々のクッキー型にマドレーヌなどの焼き菓子の型。ブランデーとかコアントローとか小さな洋酒の瓶、キラキラ綺麗なジャムの瓶、一生のうちに何回使うんだ、と思うが、つい欲しくなる製菓道具(刷毛とか、クリームを塗る台やナイフとか)。

 まず、材料としての粉砂糖。スーパーの製菓コーナーで手に入るが、それはあまりに少なく、量も半端にて、ちょっぴり足りないとかちょっぴり余るとかの日々に「イーーー!」とショッカー状態になるので、500gとか1kgとか、まとめ買いしたい。それで買ってきた粉砂糖なんだけど、どうにも様子がおかしい。ちゃんと膨らまない。あれ?あれ?と数回失敗作をプロデュースしたのちにやっと気づいた。粉砂糖には安定剤としてのコーンスターチを含むものとそうでないものがあり…わたしが買ったのは、含む方であった。1/2の確率に翻弄されるわたし。マカロンのメレンゲを安定させるためには、不純物は極力避ける必要があり、無論コーンスターチを含まないものを使う必要があったのだった。がーん。
 それから、アーモンドプードル。アーモンドを粉に挽いたもの。プードルとは粉のことだ。ほら、フワッフワの小型犬、プードルっているでしょ。…これも、製菓コーナーでちまちま買うよりは、と専門店で数百グラムずつ買う。
 フレーバーの元になる、イチゴのパウダー(フリーズドライ)、アールグレイの茶葉を細かくひいたパウダー、製菓用の抹茶パウダー、飾りに乗せたいナッツ、それから各種香料(エッセンス)。小さなパックや瓶を買うのはとても可愛くて嬉しいこと。
 今度は道具、搾り袋。しっかり泡立てたメレンゲと、ふるった粉砂糖と、アーモンドプードルを程良く練り合わせたものを詰め込んで絞り出すのに必須アイテム。
 そして、搾り金。「はじめてマカロン」にはピンクのプラスチック製のものが付属してはいたが、絞り出しの心地よさとか滑らかさとかを追求して、専門店に行くたびにちょいちょい買い足してしまった…シンプルな丸い口のものでいいのに、その、微妙な口径違いのをいくつも。
 メレンゲの泡立てには、もうレディでプリンセスな「はじめてマカロン」本体は使わない。ハンドミキサーを実は持っているもので!こっちの方が早い。そしてたくさんいける。羽根に残ったメレンゲのロスも少ない。ぎゅーーーーーん。
 オーブンはキッチン備え付けのオーブンレンジ。高出力で、大きい。しかし、無視できない程度の温度ムラがあるようだ。場所によって焦げ目が入りすぎる。また、下火が弱い?強い?母は「電気じゃダメよ、ガスオーブンがいいのよ」とにべもない、しかし買い換えるわけにもいかないので、その後延々とトライアンドエラーの実験を繰り返すことになる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?