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僕の心のヤバイやつ 感想:Karte.58

相も変わらず天才的なマンガセンスを遺憾なく発揮するのりお先生。

Twitterの予告で読む前から気が動転しまくりでした。

おい、山田。なんだその表情は。

"こころ こころ乱れ"まくりであろう読者を誘うかのように、前回の場面から引き続き、京ちゃんと山田は教室へ。


"始業前の教室"

早速ばやしこが骨折した京ちゃんに絡んでくるシーン。

山田が言っててさ―――

必死に黙らせようとする山田。わかるよ、だーやま。例え本当のことだとしても、京ちゃんの知らないはずのところでばらまいてる、好きな人への好感情を当人にばらされたくないものね。

ばやしこの場合、山田と京ちゃんのことに気が付いてないだけ、なお業が深い。萌ちゃんの表情が良い具合です。

骨折したからって調子乗んなよ!?

キレる足立。

こいつ、どうしてこう良いムーブかますんでしょうか。こういう言い方は良くないのでしょうが、彼には、ひと昔前にあった名作エロゲに出てくるような主人公の親友ポジがぴったりではないかと思うのです。

ん? これなに?

と、京ちゃんの胸元の秋田けんじろうに気が付くばやしこ

キモ…

引くばやしこと吉田。貴様、いくらクラスメイトでも京ちゃんを罵ることは許さんぞ(モンペ気取り)。

ともあれ、あまり気にしてない様子の京ちゃん。まあ、君、最初から恥ずかしがっていたものね。心構えが出来ていたのでしょう。

マスコットを仕舞おうとするところ、利き腕が使えない京ちゃんをフォローしようと忍び寄る(?)山田。タイミング悪く別のクラスの友人たちから呼び出されてしまう。


"こころ乱れる京太郎"

入れ違いに担任があらわれ、誰に介助を頼むべきか尋ねられる京太郎。担任は意味ありげに山田を提案するが……

いっ…いえ!! たまに喋るだけで… 仲良いとかじゃないんで…!!

このセリフを聞いていただーやま。京ちゃんのこの山田への気遣いが、悲しいすれ違いに。

スン…

これには京ちゃんも大焦り。

いや、君、君のいままでのムーブからしてそりゃそうなるだろうけど、さしものだーやまも哀しみますわな。

こころ乱れながらも思考を止めない京ちゃん。そこが君の美徳の一つだよね(何様)。


"親切な足立(ピュア)"

"ぬくもりの人 原さん"に頼らず、近くにいる足立に頼ろうとした京太郎。その通りだ京ちゃん! ここで原さんに頼ってしまっては、誰かが死ぬことになるだろうから……。

と、いったところで、颯爽とコピーを手渡す足立。なあにぃ~足立ぃ~やだぁ~あんたそういう気遣いできんの?

と思いきや、山田の差し金だった模様。

だーやま、嫁気取りか?

普通に考えれば、山田が足立を頼もしく思っているのではなく、ひとえに一途な京太郎への気遣いから生じるムーブなのだろうが、それに気づかない足立。愛い、愛いぞ。しかし、足立、切なさも込み上げてくる……。


"放課後の靴箱"

下校しようとする京ちゃん。山田をみて慄くが、勇気をだして謝る。塩対応の山田。

先生に言ったこと――のなにがごめんなの? 言ってみて。

ひえっ。怖っ。そして汗だらだらの京ちゃん。皆さん、この京ちゃんの顔、とてもキュートじゃないです?

しどろもどろに弁明する京太郎。言い終えた最中、

知ってる

とすり寄る山田。

貴様、こうなることを知ってたな?

こうなると、一連の山田の行動が計算に基づいたものだというように見えてくる。いや、というか、山田はもちろん京太郎の真意に"気づいていた"上で、つれない(水臭い)こと言うことに"拗ねて"みせたのだろう。

もちろん、本意だったろうが、あえて"少しだけ"過剰に演出していた様に思える。おそらくこれは、山田にとっては"冒険の一手"だったのではないか?

つまり、山田は、京太郎に対して一つのトリックを仕掛け、彼の反応如何によって、自分の想いと彼の想いが"かみ合っている"のかを確かめたかったのではないだろうか。

表紙絵の山田の表情は、"わかっているけど、本当にうまくいくかどうか"やきもきしている表情に見える。京太郎に"山田を避けたのは、山田と疎遠だと思っているわけではないんだよ"と言って貰えるとわかっていても、やはり不安もあったのだろう。

確かにのりお先生のおっしゃるとおり、山田は"面倒な"女である。

私は前回、山田は京ちゃんの告白に対して、戸惑いを感じていたのだろうと述べた。たぶん、今回の山田のストロークは、素直になった京ちゃんが、本当に心を開いてくれているのかを試す、京ちゃんへの試金石だったように思える。

山田も、京太郎に対して"拗ねて"みせることで、自分の心を晒していこうということなのだろうか。

これで京ちゃんから素っ気なくされたら、山田としては悲しみの極みなわけだし。

しかしまあ……あれだね、こんな風に京ちゃんを試すだなんて、あんた、本当に京ちゃんのことなんだと思ってるの? 京ちゃんが狼狽えてるのをみて、半分愉しんでるでしょ?

足立とのことを牽制する京ちゃんに、無邪気な様子で詰め寄るのも、だーやまのヤバさ(褒めてる)がよく表れてる。

というか、こうやって京ちゃんが嫉妬してるのをだーやまに言うだなんて、ここ、ものすごく貴重なシーンじゃないですか!?

カップルのプレイを見せられたようで胸やけがします。もっと見せてください。

この場面に繋がる訳ですか。ふーん……。

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