某企業と緩パートナーシップ。引き寄せの法則を信じそうになった
弊社は第二創業として業態を少しシフトチェンジする。具体的には純粋なシステム開発事業に、ITスキル研修事業が加わる。
もともと準備していた事業ではあるが、そのことについて周知し始めたのは先月からだ。
既存の取引先はそのままに、新規開拓営業で新しい事業の顧客を見つけようとしているのだが、つい先日、偶然の重なりで強力かつ緩めのパートナーシップを得ることができた。
始まりは取引先の元担当者
元来のシステム開発だけでなく、組織変更や営業資料作成、研修コンテンツ作成に勤しんでいる中、昔から取引のある企業の元担当者(以下、H氏)が連絡してきた。
「新担当者から連絡は来ていますか?」
こちらから連絡しない限り、進捗も含めてほとんど来ていない。連絡が来なくてもあまり大きな影響はないので放置していた。
H氏は「担当戻します!」と即対応してくれたので、さすがだなぁ、と感心していた。
さらにH氏はこう続けた。
「福岡に行くことが決まりました」
驚くことに、自分が福岡に拠点を移してから2年、親友や仕事関係の人が偶然にも引っ越してきている。本当にみんな偶然で、親友なんて我が家から徒歩3分の場所に社宅があった。
H氏の会社もまた、福岡に進出するとのこと。
幸運なことに、H氏の企業は弊社とは比べ物にならないほど大きい上に親和性も高い。
H氏の優秀な営業マンたるところ
H氏はすでに進出時のオフィスの場所も確定して、引っ越し時期もおおむね確定しているとのことだったので、近況報告がてらビデオ通話することに。
もともとたまに酒を飲みに行く仲だったこともあり、プライベートのことや新しい事業形態のことに話に花を咲かせた。
ここで、H氏の尊敬すべきところについてまとめておきたい。営業マンでありつつ、カスタマーソリューション的な役割や部下の教育もするH氏は初コンタクト時からすごかった。
別の取引先と悩んでいるとき、朝の5時でも電話していいかと連絡をくれる。(こちらが早起きなのを知っているため問題ない)
そのくせ押し売り的なことはしない。自社に利益がなくとも、こちらに有益な選択肢を勧めてくる。(そのため、最終的に別の取引先と契約を結んだ)
その後、弊社HPのお問い合わせから逆にお礼の連絡と一度飲みに行ってくれないかと連絡が来る
自分が当時山口県に住んでいたが、東京出張を作って一緒に飲みに行ったところ、とても良い飲みになった。
どうしてもH氏を担当者にしたくて約2年後に再度連絡を取ったところ、こちらにとても有益な契約ができた。
その後も定期的に周りの優秀な人々を紹介してくれる。
おそらく本当に「人のために」で動く方なのだろうと感じる。
直接は気恥ずかしくて言えないが、H氏のそういったところは心から信頼しているし、尊敬もしている。
そしてパートナーシップへ
ビデオ通話もたけなわの頃、福岡の先住者としてH氏に何かできないだろうかと考えていた。
先方も同じだったようで、自然と「一緒に営業できるのではないか」という方向性に至った。
顧客の共有はさすがにご法度ではあるが、顧客に対して「こういう企業があるが紹介してもいいだろうか」とお伺いを立ててから紹介するのは筋が通るだろう。
H氏の企業はある程度の成熟した業態のため、競合他社と比較して際立っている点は特に思い浮かばないが、H氏本人は強く推薦できる。福岡進出の旗手役なのであればなおさらだ。
こうして、カッチリとした契約ではないものの、大きな企業と緩めのパートナーシップを結ぶに至ったのである。お互いの事業が競合にならず、むしろ相互作用があるからこそできたわけだが、それ以上に信頼があるからこそ成し得たものだ。
引き寄せの法則はあながちあるかもね
正直に言おう。
もともと、引き寄せの法則なるものは信じていない。自身が向かう先に歩んでいけば自然とそれが連なる事自体は否定しない。しかし、願うだけ、信じるだけ、考えるだけではそれは達成されない。
相手に何か差し出せるものを差し出し、相手から受けた恩を忘れずに返す、という筋の通った行動は実に能動的な行いだからである。
ただ、今回のように「福岡の企業たちを強くする会社でありたい」という願いは、たしかに素晴らしいものを引き寄せている気がしている。
仏事や神事は好きだが、ビジネスにおいては目に見えるものをベースにしている自分にとっては新しい一面である。
何事も前向きに受け取り感謝する姿勢は忘れないようにしたいものだ。
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